【書評/要約】お金持ちの教科書(加谷珪一 著)(★4) お金持ちはどう思考し、行動しているのか?

大多数の人がなりたいと思っている「お金持ち」
でも、なれる人は一握り。では、彼らは、どう思考し、行動しているのか?それが分かれば、お金持ちに近づくことができます。

本書、「お金持ちの教科書」は約150人のお金持ちのヒアリングをもとに、様々な方向性からお金持ちの実像について迫った一冊です。今回は本書から、お金持ちとはどのような人たちで、どのような行動原理があるのかを紹介します。

[スポンサーリンク]
Audible 2か月体験無料
聴き放題対象本:おすすめビジネス書・自己啓発書  おすすめ小説

お金持ちの入り口は1億円

金融機関や富裕層向けビジネス関係者の間では、富裕層の分かれ目は純金融資産を1億円以上保有しているか(負債を除いた額)と定義します。理由は、働かずに何とか生活できるぎりぎりの水準が1億円だから(3.5%の運用で350万円/年の収入)

ただし、資産が3億円以下の人は富裕層であっても基本的な生活スタイルは中間層の人たちに近いことが多いのが実情です。また、5000万円の資産を持つと思考回路、価値観が変化し始めます。一方、年収ベースでお金持ちを考えた場合、3000万円が境目となります。

転落しやすいお金持ち

お金持ちの中には転落しやすいお金持ちもいます。それは、「基本的にフローで稼いでいて、流行り廃りが激しく、資産に転換できない(自分自身が商品など)」といった条件を満たしてしまう人。典型が芸能人で、転落する確率が高くなります。ストックを持つことが大事です。

お金持ちの行動原理

本書には、お金持ちの行動原理が様々紹介されていますが、その中からいくつかをピックアップしてみます。

お金持ちは素直に「ありがとう」と言える!?

お金持ちが「ありがとう」を使う理由として、感謝の気持ちを忘れない心構えが相手に伝わり、それが自分に返ってきてお金持ちになれるからと一般的には言われる。
しかし、お金持ちが発する「ありがとう」や、お金持ちが取る親切な行動の効用は、実は目に見えない「上下関係」にある。お金持ちとそうでない人の間には、本人があまり意識していなくても上下関係が存在する。立場が「上」と思っている人が思いのほか親切だったり、腰が低かったり、人間的にいい人だったりすると、人はそのことに過剰反応する。お金持ちに親切にされるとしゃいだりするのはそのため。お金持ちはそのことを本能的によく理解している。故、積極的に「ありがとう」と言う。

お金持ちはケチ

自分が必要とないと思ったものへの出費には絶対に首を縦に振らない。必要と思えば躊躇なくお金を支払い、それに後悔することはない。飲み会などの食費は投資なので気持ち良く払う。

お金持ちは独特のカンを持つ(人の見方、接し方)

話の中身を聞かず、人物だけを見る。例えば、相手の声だけで判断する。声にハリがあり、元気にしゃべる人の話はじっくり聞き、ボソボソ話す人は最初から相手にしない。
また、なんとなく友達と付き合うことはしない。自分をより高めることを目的として友達を持つ。故、友達と愚痴りあったりしない。

共感からは何も生まれない
貧乏人は、酒の席で愚痴ったりしながら共感しあう。共感は人間にとって心地いいものであり、ストレスの解消になりますが、新しい考えが生まれたり、チャレンジ精神が湧き上がってくることはほとんどない。

1日24時間は誰にでも平等はウソ

時間のすべてを金額換算するという感覚を持っているかが、お金持ちになれるかなれないかの決定的な違いになる。例えば、家でゴロゴロしてテレビを見る行為を、自分のその時の時給と考える。そして、自分はそれを支払ってもテレビを見るかを考える。

時は金なり

競争のルールや競争相手は自分で作る

お金持ちの目指す世界では、競争のルールや競争相手は自分で作り出さなければならない。お金持ちになった人の多くが、既存のルールを無視したり、ルールを自分で変えたりしている。与えられたルールを無条件で絶対視するのは問題。

人が好きか、人が作り出したモノが好きか

モノに興味がある方がお金持ちには有利。理由は仕組みに対する関心が高いから。がむしゃらに働くだけではお金持ちになれない。儲けの仕組みを作り出すことが重要。

いつもお金の話をすることは重要

お金持ちになるためにはできるだけ多くのチャンスに触れておく必要がある。そのためには常にお金の話をすることが重要。お金持ちになった人の多くが、お金に関する話題を積極的に取り上げ、チャンスに結び付けている。その次のステップは、お金の話についてきた人の中から、自分にメリットのある人をスクリーニングすることが大事である。

お金持ちになりたいなら「安心」ではなく「安全」を望め

安全よりも安心を望む人が多いと、リスクが過大に評価され、機会が過小評価される傾向が強くなってくる。本当は安全なのに「安心ですよ」というお墨付きがないばかりに誰も手を出さないという機会損失があちこちに存在している可能性がある。投資の世界では、多くの人がパニックを起こしているときは、信じられないような投資のチャンスがゴロゴロと転がっている。

逆に、「安心が重視される」ということは、大して安全ではなくても安心させる仕組みがあれば割高な料金で商品やサービスを購入する人が多いことを示している。安心を買うためにかなりの無駄遣いをするということだ。
もし、「安全」というキーワードに強く惹かれるようであれば、お金を稼ぐ側に回れる可能性が高い。顧客には安心をうたい、安心プレミアムのついた高い商品を販売することが最も安全なビジネスなのである。

リスクは必ずどこかで取らなければならない

かなり高いリスクを取った人の中で、比較的運が良かった人だけが、特別にパフォーマンスの高い銘柄で一気に資産を膨らませる。その後はある程度リスクを抑えて、安全に運用することで目減りを防ぐ。このような投資パターンの人が、株式投資で財を成した人ということになる。

最後に

今回は、加谷珪一さんの「お金持ちの教科書」を紹介しました。
お金持ちは常に合理的な思考を元に行動していることがよくわかりますね。

当ブログではお金持ちになる/なりたい人が読んでおきたい本を多数紹介しているので、是非、他の書評もご確認を!