【書評/要約】バビロンの大富豪(ジョージ・S・クレイソン 著)(★4)

1920年代に書かれた世界的名著「バビロンの大富豪」(ジョージ・S・クレイソン著)。マンガ版が発売されるなど、社会背景、経済情勢等々大きく変化した100年後の現代でも通用する不変の法則が書かれた名著です。

その「大富豪が教える成功法則=古代都市バビロンの知恵」は極めてまともな蓄財の心構え。「古代都市バビロン」は紀元前18~6世紀の古代メソポタミア地域の都市ですが、その時代から「富の基本法則」は不変であることがよくわかります。

貯蓄ができないお金にルーズな人こそ読むべき本ですが、お金に真面目な人も、蓄財のルールを再認識するのによい本です。

以下、覚えておきたい要点をまとめます。

お金に愛される7つの知恵

本書は、奴隷として売られた男が、富豪の元で、経済的な自由を手に入れるために真面目に働く過程を通じて展開されます。そのストーリーの中で教えられるのが以下の知恵です。

黄金に愛される7つの知恵

①まずは財布を太らせる。
②出費・支出を管理し、予算を立てる。
③貯めた資金を寝かさず、増やしていく。
④財産を損失から守る。
⑤自分の住まいを持って、有益な投資対象とする。
⑥将来の収入(源)を確保・準備する。
⑦自分の能力・スキルを高め、もっと稼げるようにする。

以下で、7つの知恵を、現在での蓄財法とも絡めながら補足説明します。

知恵①②:財をなす第一歩

7つの知恵の①②をより具体的に一言で示すと、①収入の1割を貯蓄に回す蓄財術②①の貯蓄分を除いた残りで生活する節約術。貯蓄の基本の「キ」、財をなすための第一歩です。

知恵③:投資で増やす

①②の上で実践するのが③溜まったお金をさらに増やすことで、いわゆる「投資」。「投資」という「富を生み出す仕組み」を取り入れないと、お金は増えていきません。しかし、ここは日本人が苦手とする部分です。

貯金VS投資;積立シミュレーション

ここで、例として「月々2.3万円の積立」をすることを考えてみましょう。
この場合、1年後なら元本=276,000円、10年後なら元本=2,760,000円ですが、銀行預金投資では圧倒的な金額差が生まれます。

金利1年後資産額10年後資産額
銀行預金0.001%276,001円(+1円)2,760,137円(+137円)
投資※3%279,827円(+3,827円)3,214,053円(+454,053円)
利息差3,826円453,916円)

※一般的なインデックス投資で、達成可能と思われる金利

10年で45万円の資産額の差が生じます。これが、「お金がお金を生む仕組み」です。

iDeCoを活用すればさらに実質金利はUP
上記、「毎月23,000円の積立」は非課税投資iDeCoで会社員や主婦などが投資できる投資上限額を鑑みてシミュレーションした結果です。
実際には、iDeCoの場合なら、さらに元本が所得控除対象となりさらに実質的な運用利回りは上がります。

iDeCoについては、以下を参考にしてください。

知恵④:リスク管理

③のように投資を始めると、必ずリスクが伴います。株価下落などがそのリスクです。これらリスクを軽減するためにも、リスクの伴う資産への分散投資も必要です。例えば、投資先を「株式」と「債権(国債)」に分散するなどの方法が考えられます。

知恵⑤:マイホームを持つ

現代社会においては、この項だけは、必ずしも正解とは言えなくなってきていると思います。
人口減少が進み、(地域によりますが)空き家が増えていく社会においては、不動産価値の目減りが考えられますし、地震などへの災害被害なども考えられるからです。

知恵⑥⑦:将来の収入確保

多くの庶民にとって、富の源泉は「働く」ことです。真面目に向上心をもって「働く」ことが蓄財の最も大事なルールです。

しかし、今、給与などの安定した収入があったとしても、それは、いつまでも保証されるものではありません。社会情勢が変化した場合でも、収入源を確保するためには、自分の資産価値を高めておく必要があります。そのためには、自己研鑽が欠かせません。仕事に役立つスキルを学ぶ、お金について学ぶなどの自己研鑽は生涯求められます。

最も簡単に始められる自己研鑽「読書」のすすめ
多くの人にとって、最も簡単に始められる自己研鑽は「読書」です。以下、読んでおくべき名著をまとめているので参考にしてみてください。

2019年 おすすめ良書選書(比較的新しい本)

格安で読書を始めたいなら「kindelUnlimited」

Amazonの本の読み放題サービスkindleUnlimitedを利用すると、最初の30日間体験無料、その後も980円/月(いつでも解約可能)で本が読めます。コミック・雑誌も読み放題に含まれるので、月10-20冊読むことも十分可能。非常にコスパがよい自己研鑽です。
今回紹介の「バビロンの大富豪」もkindleUnlimited対象本です。

最後に

今回は名著「バビロンの大富豪」の要点を紹介しました。

7つの知恵は当たり前すぎて、なんだと拍子抜けされた方もいるかと思いますが、これを現在の自分に当てはめ、「投資」「自己研鑽」など、どのようにアクションを起こすかが大事です。

まずは、すぐできることから始めてください。