【2024年】日銀・米国FOMC・欧州ECB の金融政策決定会合の日程スケジュール&現状:まとめ

フランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本論』は緻密なデータをもとに、世界に広がる経済格差とその対策について説かれた本です。
「格差」についての議論に大変革をもたらしたとされ、世界的ベストセラーとなりました。

本書では、20ヵ国以上におよぶ主要な国々の『所得と資産』の関係を過去200年にもわたる資料を調べた結果がまとめられています。

その結果、導き出された、資本主義の特徴を歴史学的に導き出した結論を一言で表せば、見事なまでにシンプルな「トマピケティの公式:r > g」です。

この公式は、資本主義に生きるなら、絶対に知っておくべき公式です。今回は、この意味を考え、働き方・投資について考えます。

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トマ・ピケティの公式:r>gとは

トマ・ピケティの公式:r>gとは

トマピケティの公式

r > g
資本収益率(r)はつねに経済成長率(g)より大きいという不等式が成り立つ
r=return on capital:資本収益率
株や不動産などの運用で得られるお金の割合
年平均4~5%
g=economic growth rate:経済成長率
働くことで得られるお金の増加率
年平均1~2%

トマ・ピケティの公式:r>gが意味すること

r>g:資本収益率(r)はつねに経済成長率(g)より大きいという不等式が成り立つ

これは、株式や債券、不動産といったものへの投資によって得られる利益の成長率は、労働によって得られる労働者の賃金の上昇率(≒GDP成長率)を常に上回るということです。

資本収益率は平均4~5%に対して、経済成長率は平均1~2%。

つまり、資本を持つ富裕層が資本を使って投資すれば、平均4~5%の収益が得られますが、資本を持たない者が労働によって汗水かいて稼いでも、その成長率は平均1~2%です。

このまま何の政策も打たずに市場に任せておけば、「資本を持つ資本家」と「資本を持たない労働者」との経済格差はどんどん広がっていくことになります。

資本主義では、富の偏在化は益々進む

21 世紀にはこの富の不平等はさらに大きく拡大してきます。

理由は、資本主義という制度自体に「富の不公平が拡大する」という要素がすでに内包されているからです。結果、ピケティは、やがて中産階級が緩やかに消滅する(没落して、貧困層になる)と述べています。

トマ・ピケティの公式 r>g を、分かりやすく一言で言えば「金持ちはより金持ちに」ということになります。

日本は先進国の中では、格差が少ないと言われますが、それでも米国などの先進国に続くように、格差は広がっています。

ピケティの経済格差是正の提言

ピケティの経済格差是正の提言

ピケティは、著書の中で、経済格差是正への提言も行っています。

ピケティの提言

ピケティ、著書の結論として、「資産への累進課税が必要であり、しかもグローバルに課税しなければ意味がない」と述べています。

格差是正には、税による適切な再分配が欠かせません。ポイントは所得だけでなく「所得と資産の両方」への累進課税を「グローバルに行う」ことが大事だと提唱しています。グローバルでなければならないのは、少しでも例外があれば、そこが現在のタックスヘイブンのように、資産逃避先になってしまうからです。

ピケティ策で、経済格差は是正できるか

正直、ピケティ策で、経済格差は是正されないでしょう。

なぜなら、お金を持ってる人、投資をしている人、とりわけ、大きな資産を持って投資をしている人たちの「投資資金」は、資産ではなく、負債(レバレッジ投資)だからであり、負債への課税は不可能と思われるからです。

現在の、金融市場においては、デリバティブ経済の拡大は無視できません。そして、デリバティブ経済の規模は莫大です。

事実、本書の発刊から年月が経っていますが、格差は広がっています。

なぜ、「21世紀の資本論」ベストセラーになったのか

なぜ、「21世紀の資本論」ベストセラーになったのか

『21世紀の資本論』は見事なまでに、現在の資本主義をシンプルな公式で表現しました。
しかし、普通、日本語訳で1,000ページ弱に及ぶような経済学専門書がベストセラーになることなどありえません。

火付け役は、ポール・クルーグマン

そもそも、「21世紀の資本論」が最初に爆発的に売れたのはピケティの出身地であるフランスではなく「アメリカ」。火付け役は、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンです。

そして、米国のインテリがこれを買い求めました。しかし、多くの場合、しっかり読まれることなく、インテリ家庭のインテリアブック(書棚のお飾り)」となっています。

私も、本書がブレイクしたときに、本屋で手に取りましたが、あまりの分厚さに挫折しました。そして、これらの本を優しく解説した本で、公式の意味を理解しました。

ブレイクが世界に与えた影響

多くの場合、本書はしっかり読まれることなくインテリア家庭のインテリアブックとなりました。

しかし、アメリカ人は、大事なことに気づいてしまいました。

「格差が大きなアメリカで自分が貧乏なのは自分のせいであって、頑張れば克服できる」と思っていました。そこに、「資本主義のもとでは、格差は自然に広がって行く」という事実を突きつけられたのです。

つまり、アメリカンドリームへとつながるビッグチャンスは誰にでもあり、それを掴めるかどうかはその人次第だと思っていたのに、「そんなものはない」「金持ちは益々金持ちになり、格差は広がる」と正面切って言われ、衝撃を受けてしまったのです。或いは、衝撃と言うより、「目から鱗」が落ちたような納得感を覚えたと思われます。

そして、この気づきは世界にも広がっていきました。

私も、「目から鱗」が落ちたような納得感を覚えた一人です。

経済的に自由になりたければ「資本主義のルール」の理解は必須

経済的に自由になりたければ「資本主義のルール」の理解は必須

やっぱり、人として人生を送るなら、お金持ちになりたい、経済的自由を手に入れたいと誰しもが思うはず。
お金から自由になりたければ、資本主義のルールを知っておくことが欠かせません。

21世紀の資本論を学ぶ方法

「21世紀の資本論:トマピケティの公式」は、それを知る極めて大事なルールの一つです。資本主義のルールが理解できると、「自分の働き方・生き方」を再考するきっかけになります。キャリアの築き方も変わってくるはずです。是非、この機会に学んでおきましょう。

21世紀の資本論を優しく学ぶ本

21世紀の資本論を優しく学ぶ動画

本を読むのが苦手は、以下がおすすめです。

その他、資本主義のルールを学ぶ本

過去、私にとって「21世紀の資本論:トマピケティの公式」と同規模の衝撃となったのは、、ロバート・キヨサキの「金持ち父さん・貧乏父さん」。
労働者と金持ちの世界が大きくことなること示した「4つのクワドラント」を知ったときに受けた衝撃は大きかったです。この本が「将来、サラリーマンでない働き方」を求めるきっかけとなりました。