【書評/要約】一流の睡眠~「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略(裴 英洙 著)(★3)

生命を維持する上で大切な「睡眠」
ビジネスマンは睡眠がおろそかになりがちですが、仕事のパフォーマンスを上げるためにも睡眠は重要です。

本書『一流の睡眠~「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』の著者 裴さんは、「一流の人」を「常に一定以上のパフォーマンスを出し続ける人」と定義とした上で、数日の見直しでパフォーマンス向上が見込める「睡眠こそ最強のビジネススキル」だと提案します。
本書では、今の生活スタイルを変えることなく、極端に睡眠時間を増減させることもなく、効率的かつ効果的に睡眠をとって仕事のパフォーマンスを上げる「攻め」の睡眠メソッドが学べます。

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睡眠のキモは「量」ではなく「質」

睡眠のキモは「量」ではなく「質」:一流の睡眠

ベットに横になっても、しっかり睡眠がとれていなければ意味はありません。まずは、睡眠とは何かをもう少しかみ砕いてみてみましょう。

睡眠でとるべき3つの疲れ

私たちの疲労には3種類あります。

3つの疲労の種類

1.肉体的疲労:体の疲れ
2.精神的疲労:心の疲れ
3.神経的疲労:頭の疲れ

これら疲労を「睡眠」で解消することが大事です。
特に、認識されずらいのが「3.神経的疲労」です。この疲労が続くと集中力が低下したり、もの覚えが悪くなるなります。また、3つの疲れを放置すると、お互いがタッグを組んで疲労を悪化してしまいます。

これら3つの疲労を取り除いてくれるのが「睡眠」です。

睡眠効率 85%以上を目指す

寝つきが良い人、悪い人がいますが、この寝つきの良さを図るのが「睡眠効率」で、以下の式で表されます。

睡眠効率=実際の睡眠時間 ÷ 横になっていた時間 × 100

気持ちよく眠れたと感じるためにも、睡眠効率85%以上を目指すことが求められます。

よりよく眠るために知っておくべきこと

よりよく眠るために知っておくべきこと:一流の睡眠

よりよく眠るためには、よく眠るために大事なことを知り、それを実践(逆に回避)することが大事です。

眠気に注意する時間帯・寝ない方がよい時間帯

人には眠気が襲いやすい時間をご存じでしょうか。正解は14~16時の間です。これにより、集中力の向上、記憶力向上、作業効率アップ、ストレス軽減 などの効果を期待することができます。

一方で、眠りの質を高めるためにも寝ない方がいい「睡眠禁止帯」もあります。具体的には、19~21時の間です。この時間に寝てしまうと、夜にしっかりとした睡眠がとれなくなります。

睡眠は貯金できるか?

「寝貯め」という言葉がありますが、残念ながら睡眠は貯金をすることができません。「寝貯め」でできるのは、睡眠不足を補う「借金返済」の域を出ません。

週末にいつもより長く寝る人は多いですが、これは「寝貯め」ではなく、睡眠の「借金返済」です。但し、一気に睡眠不足を解消しようと休日夕方まで寝てしまうと、生活リズムの乱れにつながり、かえって翌週の睡眠に悪影響を及ぼします。

睡魔を解消するコーヒーの飲み方

コーヒーなどに含まれるカフェインは眠気解消の効果があります。カフェインは睡眠誘発作用のある「アデノシン」という物質の働きをブロックしてくれるのです。効果はアイスよりホットで飲む方が吸収が高く、睡眠ブロックの効果も高まります。

なお、血液中のカフェイン濃度は、健康な人の場合2時間半から4時間半ぐらいで半減します。そこで、9時、12時、15時にコーヒーを飲むと効果的です。また、17時以降はカフェインを取らないように心掛けましょう。

コーヒーの効果的な飲み方については、以下の本が参考になります。

書評・要点もまとめているので、確認いただくと、より効果的なコーヒーの飲み方がわかります。

夜もコーヒーが飲みたいかたは「デカフェ」を

それでも、夜にコーヒーが飲みたい方は、デカフェを飲みましょう。私は、夜はカフェインを取り除いたデカフェを飲むことに切り替えたら、ストンと眠れるようになりました。

以下の記事では、Amazonで人気のあるデカフェをランキング形式で紹介しています。価格が安いもの、無農薬など健康意識の高い商品まで紹介しています。

今すぐやめるべき睡眠前の悪習慣

睡眠をとるためには、やめるべき習慣がたくさんあります。わかっていてもやっている悪癖はありませんか?

1.布団の中でのスマホ
2.寝る前のカフェイン
3.帰宅中の電車内での「うっかり寝」
4.帰宅直前のコンビニ立ち寄り
5.夕食のドカ食い

最適な睡眠時間を見つけるために睡眠ログを取ろう

よりよい睡眠には、自分の睡眠の質をとることが欠かせません。最近は、様々なデバイスで睡眠の質を図ることが容易になりました。
Apple Watchをはじめ、ウェアラブルデバイスを身につけることで簡単に睡眠ログが取れます。

まずは、自分の睡眠を数値化するところから始めましょう。

最後に

今回は、裴 英洙さんの「一流の睡眠」を紹介しました。
若いうちは睡眠を軽視しがちですが、それを続けていると、健康を崩すばかりか、ストレスをため、老化も早めることになります。

よりよい睡眠習慣は若くしてつけるべきです。よりよい睡眠で、日中、頭をシャキッと生活できるよう、努力に努めましょう。