せっかくおいしい料理を頂いたのに、食後のコーヒーが驚くほどマズイ・・・

こんな経験がある方、多いのではないでしょうか。高級ホテルや一流レストランですら、コーヒーがひどくまずいということ、よくあります。

この理由を知りたいなら、この本です。

著者は、おいしいコーヒーの普及を目指して日々努力されているコーヒーハンターの川島 良彰さん。

少し前に話題になったサードウェーブコーヒーとセカンドウェーブコーヒーの違いから、購入が拡大するコンビニコーヒー、それに対し、未だにレストランで横行するまずいコーヒーの理由などを教えてくれます。

おいしいコーヒーを飲みたいなら、知っておきたい知識が得られる必読の1冊です。

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高級ホテル・一流レストランでもコーヒーがマズイ理由

食材にこだわるシェフがなぜ、コーヒーの味にはこだわらないのか?

理由は、コーヒー業界の悪しき商習慣にあります。

大手コーヒー会社がホテルやレストランに抽出器具を無償提供することや貸し出すことを条件に、コーヒーの長期納品契約を交わす商習慣があり、納入するコーヒー豆をすべて会社に一任しているのです。
また、ドリップしたコーヒーは抽出後20分以内がおいしく飲めるのが限界です。それも抽出後保温ポットに入れた場合で、ホットプレートで保温すれば、加速度的に酸化してマズくなります。これが、コーヒーがマズイ理由です。

米国サードウェーブコーヒーとセカンドウェーブコーヒーの違いとは?

2015年2月、ブルーボトルコーヒーの1号店が日本にオープンしたことで始まったコーヒーのサードウェーブ

1990年代、スターバックスを代表とするシアトル系エスプレッソコーヒーを「セカンドウェーブコーヒー」と呼ぶのに対し、「サードウェーブコーヒー」はエスプレッソに飽き足らない西海岸のコーヒーマニアたちがドリップやサイフォンなどの様々な抽出豊富オデ、産地やコーヒーの品質にこだわって提供したことでブームとなりました。

味は、深煎りのシアトル系に比べてかなり浅煎りです。

コーヒー

Chamiコメント
私は深煎りが好きなんですよね。だから、シアトル系コーヒーが好き。

日本のコンビニコーヒーのもたらしたもの

ここ5年ぐらいの日本のコーヒー業界の変化といえば、1杯100円で飲めるコンビニコーヒー。日本ののコーヒーウェーブは異なっているのですが、コンビニコーヒーは、日本のコーヒー界においては、フォースウェーブ。

日本コーヒー協会によると、コンビニコーヒーの登場で、2014年のコーヒー国内消費量は過去最高の44万9900トンで2013年の2倍になりました。コンビニコーヒーで市場が活性化され、消費が伸びたとみられています。コンビニコーヒーは日本のコーヒーのトレンドを読む上で見逃せない存在となっているのです。

コーヒーハンターのコンビニコーヒーの評価

コーヒーハンターのコンビニコーヒーに対する著者の評価は「ものすごいおいしいコーヒーではないが、100円の価値はある」というもの。

コンビニよりもマズイコーヒーを出すカフェ・レストランはいくらでもあります。コンビニコーヒーの普及により、高級店は真価が問われていると言えます。

コンビニコーヒーがカフェ・レストランよりおいしいワケ

コンビニコーヒーの原価率はおよそ12~13%。つまり、1杯100円のコーヒーに対し、対し12~13円。しかし、コンビニにより抽出方法は異なるが、淹れたてなのでおいしく飲めます。

一方、カフェやレストランの原価率は2~3%以下。1杯500円であれば原価は10~15円になります。しかし、これらの店舗では、数杯分まとめてのドリップであり、1杯1杯抽出をしていない店が多数です。

この状況を見ると、コンビニもカフェ・レストランも原価はほぼ同じです。であるならば、1杯1杯抽出して入れるコンビニのコストパフォーマンスが味もコスパも上回ることが分かりますよね。

ちなみに、コーヒーハンターは、「あと10円かければコーヒーは劇的においしくなる」と呼びかけてきましたが、高級ホテルや一流レストランは、は原価をあげてこなかったそうです。

Chamiコメント
コンビニコーヒーの影響か、昔に比べて、カフェ・レストランのコーヒーも随分おいしいものが増えました。
しかし、まだありますよね。ドリップしてからどのぐらいたったの?と思わず眉間に皺を寄せてしまいたくなるコーヒーを出すお店。食事がおいしい場合、なおさらがっかりしてしまうので改善してほしいです。

コーヒーをおいしく飲むには水が大事!フルーツの酸味を楽しもう!

コーヒーが苦手な人は、渋み、エグみ、雑味、酸味を理由に挙げます。しかし、その飲み方、入れ方、原材料に問題はなかったでしょうか。

「水」が大事

日本酒やウイスキーの味や品質が水によって大きく変わるのと同様、おいしいコーヒーを飲むうえでも、水や温度、湿度などの環境は切っても切り離せません。

特に、「超浅煎り」の場合、香りたつが酸味が強くなるので、水が重要です。
米国・欧州の水は硬水のため、酸味は軽減されますが、日本の水は軟水であるため、酸味がより強くなり酸っぱくて飲めなくなります。ちなみに、深煎りの場合酸味は減り、苦みが増します。

コーヒーはフルーツ。原材料の生豆が大事

一般的に認識されていませんが、コーヒーは「フルーツ」であり、それ故、「酸味を楽しむ飲み物」であり、「コーヒーの味を決めるのは原料である生豆の品質」です。

にも拘わらず、「焙煎こそがコーヒーの味を決める」「抽出技術がすべてを決める」「どんな豆でも焙煎でおいしくなる」と語る焙煎至上主義の人がいまだに数多く存在します。

まずいコーヒーの理由となる渋み・エグみは、未成熟の豆が原因です。また、欠け豆や虫食いは雑味を出します。これらを取り除くだけで、コーヒーの味は格段に良くなります。また、経時変化した生豆を焙煎すると、埃っぽい臭いが出てしまいます。

さらに、抽出後、時間が経過したコーヒーや再加熱して酸化したコーヒーを飲んだ結果、酸化した酸っぱさをコーヒーの酸味だと誤解し、苦手だと思ってしまう人も多いのが現状です。

感想

コーヒーが「フルーツ」であり、「酸味を楽しむ飲み物とは、私にとって衝撃的でした。なぜなら、酸味のあるコーヒーは苦手だからです。いい水で入れていないのかもしれませんね。

私にとって、コーヒーは毎日飲む、最も手軽なリラックスを与えてくれる大事な飲みもの。自宅でもシアトル系のコーヒー豆を好み、デロンギのエスプレッソマシンラッセルホブスの電動コーヒーミル、タリーズのコーヒードリッパー&断熱タンブラーなどそろえて、挽きたての豆の香りを楽しみながらコーヒーを楽しんでいます。

そんなコーヒー好きの私に、本書「コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか」は、これまで知らなかったコーヒーの事実を教えてくれる良書でした。よい本に出合えて満足です。

コーヒーのおいしさを科学的に知りたければ、以下の本もおすすめです。

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