汚い部屋、貯まらない貯金、増える事のストレス…
こんな状況に苦しんでいる人は、明確な取捨選択の基準を持たない。だから、無駄に消費でモノは増え、カネが必要だから会社に縛られ、ストレスを貯めこむ。
Audible 聴き放題 対象本
ミニマリストしぶさんの著書「手放す練習~ムダに消耗しない取捨選択」は、こんな不幸な生き方を改めるヒントが詰まった「生活 リ・デザイン本」。
所有するモノを減らし、生活コストを減らし、労働時間も家事も減らし、ストレスからも解放される。最低限のお金でやっていける技術(思考)を身につけることで、会社にしがみつく必要もなく、経済的自由を手に入れる「ミニマリスト流人生戦略」です。
そのためにどうしても身につける必要があるのが、賢い「取捨選択基準」。本書では、モノを捨てるという具体的な「手放す練習」を実践しながら、幸せに生きるために一生役立つ「取捨選択方法(思考法)」を学べます。
今回は、本書「手放す練習」からの学びを紹介します。学びが多い本です!
モノが多いと、ストレスは増える
モノが多い生活はストレス。パソコンがメモリーリークを起こして動作が遅くなったり固まったりするのと同様、ストレスは脳の正常な動きを阻害。ショッピングでも人生でも、自分にとって本当に必要な「取捨選択」ができないので、幸福とは程遠い生活を余儀なくされます。
人生の負担が増える「負のループ」
「貧すれば鈍する」という言葉があるように、お金の心配をしている人は、ストレスが溜まるだけでなく、「思考力」が落ちます。これは、部屋が散らかっていることと無関係ではありません。
①モノを買う
②お金が減る
③お金を取り戻すために働く(=時間を切り売りする)
④モノが増えたあげくに整理整頓・探し物など手間が増える
⑤片付けに費やす時間も、精神的な余裕もなくなる
⑥部屋がモノだらけになって散らかる
⑦ストレスを発散するために①に戻る
「モノもお金も少なくても生きられる経験」がもたらす価値
「所有はコスト」です。必要以上のモノたちが、無駄な動きやプレッシャーにつながり、あらゆる悩みに直結します。上記負のループを断ち切るためにまず着手すべきは、「モノを減らす」&「買わない=生活費を抑える」こと。
不要なモノを減らし、少ない固定費(ミニマムライフコスト)で生活し、労働時間・家事を減らして、生活に余白をつくる。
「モノがなくても、少ないお金でもどうにかなる」という感覚を経験すると、様々な負担から解放されて、人生がイージーモードになります。
ムダを省くことで幸せになる【思考法】を磨く
ムダに消耗しない取捨選択を持て
「どっちでもいい」と答えがちな人は「思考停止な人」。モノを選ぶ選択基準がない人です。選択基準がないので、家の中は捨てられないものであふれ、人生の大事な選択場面でも決められないので、常に悩んでストレスを抱えています。
貧乏人の家は汚い家が多いですが、これも、取捨選択が下手だから。要・不要が決められず、「とりあえず保有」を選ぶからです。
そんなストレスにまみれた人生を送りたくなければ、「取捨選択の練習」をすること。この練習になるのが「モノを捨てる」こと。「手放す練習」すれば、人生の重要な場面での「決断」もうまくなります。
モノが多いと不幸を感じやすい
モノは多ければいいわけではありありません。大事なのは「必要なときに、必要な量だけ、手元にあること(=ジャスト・イン・タイム)」。必要い応じて、増やしたり減らしたり、そのときのライフスタイルに合わせ「ミニマム」にすることです。
化学的にも、人間は「選択肢が多ければ多いほど、人は不幸を感じやすくなってしまう」ことは証明されています。心理学者バリー・シュワルツは選択肢が多いデメリットを3つ挙げています。
①無力感が生まれる(=選ぶのが大変)。
②満足度が下がる(=選択に疑念と後悔が生じる)
③期待値が上がりすぎる(=比較する対象が増える)
選択肢を3択まで絞れ
では、「どこまで減らすか」。解決方法はズバリ「選択肢を3択まで絞る」です。
・普段使いのカバンや靴を3種類に絞る
・服や家具などを買う際も3色(白・黒・グレー)に絞る
・休日の予定を「読書する」「片付けをする」「岩盤浴に行く」にする
時代とともに変わる「所有の概念」
「減らす」「持たない」「少ない」という言葉は、貧乏な印象を与えますが、見方を変えると、持たないは「強者の余裕」。余裕がなければ、「取捨選択して捨てる」という選択はできないからです。また、「所有の価値観」も時代とともに変革期にあります。
スマホ・物流の加速・バーチャル化で変わる「所有の概念」
スマホと物流のサービス向上は、「所有」という概念を変えつつあります。2022年現在でも、動画サブスク利用でコンテンツのテレビの所有も不要。さらに今後、ますます、「物質世界」から「バーチャル世界」への移行が進みます。
映画「竜とそばかすの姫」で描かれるように、「リアルの物質世界よりバーチャル空間に居心地のよさを感じる人」は今後益々増え、リアル世界で生きる価値・所有するモノの価値は少しずつ減価していきます(ただし、リアルでもバーチャルでも、「何が自分の人生に幸せをもたらす選択が何か」を分っていないと、リアルでもデジタルでも疲弊することは忘れてはいけない)
シェアリング化の波
日本人が豊かになった高度経済成長期からバブルまでは、高価なモノを持っているのがステータスでした。しかし、江戸時代の江戸の暮らしは超狭小住宅&持たない暮らしでシェアリングエコノミーが発達。宅配がない分、とにかくよく歩いて健康的でした。今、時代は再びシェアリング化の動きを見せています。持たなくとも暮らせる時代は、今後も進んでいくはずです。
そもそも現代は、モノも情報も過剰にあふれる一方、「収入が増えない時代」。モノを増やせば貧乏化が進みます。
FIREを目指すなら「増やす」より「減らす」が先
別の時代の流れとして、FIREを目指す若者が増加しています。このFIRE実現の近道は「生活コストを極限まで減らすこと」です。
「稼ぎ(増やす)」は不確実ですが、「生活コストの削減(減らす)」は確実に成果を生みます。自分のお金・時間・エネルギーを「増やす方向=仕事を頑張る」に回すより先に「セーブする方向」に知恵を絞り、工夫を重ねるほうが簡単に結果がでます。成功する起業家の多くも「リスク回避型」であるのも、同じ理由です。
持たない暮らしで磨かれるスキル
先にも述べたように、モノを減らすことは「取捨選択の訓練」です。 自分にとって大事なモノ・価値観を知るしれば、「取捨選択スキル」が磨かれます。
・何が必要で、何がいらないか?
・何が利益を生んで、何が損を出しているか?
・限りある時間の中で、どう優先順位をつければ、成果を最大にできるのか
モノを減らすと、仕事やビジネスも上手になる
上記のような、判断基準・価値基準はビジネスにも好影響を耐えます。ビジネスだけでなく、人間関係・恋愛など、生きるすべてに関わっていると言って過言でありません。よりよい選択が短時間でできるからです。
さらに、身軽で判断も早いので「行動力」もUPします。旅行に行く際、少ない荷物の人の方がフットワークが軽いのと同じで、背負うカバンが軽くなることで、「封印されていた行動力が解放」され、自然と動けるようになります。
自然に磨かれていく「美的センス」
少ないモノで暮らすと、一つ一つのモノに対する関心・美意識も高くなります。
見た目のカッコよさだけでなく、機能的にも優れている。そのような、デザイン美・機能美がともにある商品を選ぶ目が磨かれます。
なお、デザインという言葉の語源は「de(削る)sign(示す)」。 足して飾ることではなく「削る」ことです。AppleのiPhoneのデザインは、まさに、いらないものをそぎ落とし、美しさ・使いやすさを究極まで尖らせた「ムダのない美」の象徴です。
【実践】モノを減らすコツ
1年使っていないものは捨てればいいなど、「どう捨てるか」というノウハウはおおよそ誰に対しても共通しています。しかし、最後に「何を残すか・何を残したいか」は人それぞれ異なります。これを知っていると、モノを上手に手放せます。
残すべきもの・お金をかけるべきモノ
「何を残す、お金をかける」基準はズバリ3つです。
①「お金」を生み出すモノ :仕事道具など
②「時間」を生み出すモノ :時短アイテムや健康グッズなど
③「楽しみ」を生み出すモノ:趣味のアイテムや娯楽品・芸術品
以下のようなものも、お金をかけてもいいモノです。
・スマホ(1日何時間も使う。仕事・遊び・キャッシュレス決済までなんにでも使う)
・マットレス(人生の1/3は睡眠)
・ロボット掃除機、全自動洗濯機(ボタン一つでクリーンを開始。時短にもなる)
私もこの基準でモノを買っています。仕事道具はケチらない。私の場合、趣味の趣味(読書、旅行、運動、サウナ)はコト消費が大半。集める系の趣味はありません。「モノより経験」にお金をかけた方が幸福度が上がることも科学的に証明されています。
ちなみに私は「仕事に関わるデスク周り品」は、「安さ」では物を買いません。多少高くても、長時間使うので、「毎日気分アゲアゲで使い続けられるものを買う」と決めています。
「所有コストが大きいモノ」を捨てる
残すモノ・お金をかけるべきモノがわかったら、次は、「所有高コスト大きいモノ」を優先的に減らします。捨てる軸は以下の5つです。
①お金:維持費が高いもの、必要ないブランド品など「お金の不安を感じるモノ」
②時間:コーディネートを悩ませる必要以上の服など「時間泥棒になるモノ」
③空間:必要以上に大きい家具やモノ、余分なストックなど「スペースを奪うモノ」
④管理:財布・身分証など紛失すると困る「管理能力が強要されるモノ」
⑤執着:いらないプレゼント、過去の栄光など「足枷になるモノ」
大事なのは「モノの少なさ」と「手間の少なさ」を両立させること。つまり、「所有コストのわりに、リターンを生まないモノ」は切り捨てます。モノを減らすのは効率追求ゲームです。
モノの出口戦略を考えてから「買う」
捨てられない人の3大言い訳「もったいないから」「売れるから」「譲れるから」。しかし、そもそも、多くの人はモノを買う時点で間違っています。
・モノを買う場合はその出口戦略を考える
使い切れる
不要になったとき、すぐに買い手が見つかる・譲れる、質のいいモノを買う
・愛着の湧く上質なモノだけを「少数精鋭」で買う
ただ安いからという理由で買うのはNG。「自分軸」で囲まれて暮らして気持ちがいいモノと暮らす。市場の流動性価値が高い=リセールバリューが高いモノを選んで買っておけば、売って現金化もできます。だから、一見に贅沢品に見えるものも贅沢品とはなりません。
最後に
今回は、ミニマリストしぶさんの著書「手放す練習~ムダに消耗しない取捨選択」を紹介しました。
Audible 聴き放題 対象本
私はミニマリストではありませんが、モノを買うときの基準はかなり似ており、それを実践することで、自分にが幸せになれるものに囲まれて快適に暮らす生活が実現できています。
自分の好きなモノもわかっているので、買い物にかける時間も、女性の割に短いはずです。昔好きだったウィンドーショッピングは今では一切しません。物欲が減るのと反比例的に、脳が喜ぶ「コト消費」が増えました。
ただ、ファッション関連品については、まだまだ、削れるのが正直なところ。衣替えのタイミングなどを利用して、もっとモノを減らしたいと思います。