技術進化で物理的な距離が短くなった世界は、恐ろしいスピードで進化しています。

何も学ばず、のほほんと生活をしていることは、「退化」しているのと同じです。でも、世界の動きについていくために学ぶべきことは多すぎて、それらすべてについていくことは不可能です。

では、どこから勉強をしたらいいのか。そんな時に役立つのが、池上彰さんの「池上彰の世界の見方」です。

東京のとある中学校での6時間の授業をまとめた本ですが、これが、ビジネスマンにとってもとても分かりやすい!こんな、社会の授業を中学、高校、大学と学ぶことができたら、どれほど、仕事に役立つ教養が身に着いたかと悔やまれる、内容です。

今回は、著書「池上彰の世界の見方」から、世界の動きに関心を持つための視点をまとめます。

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世界動向を抑えるうえで学ぶべき6分野

世界動向を抑えるうえで学ぶべき6分野

わかりやすい説明で定評のある池上彰さん。そんな池上さんが世界を学ぶ上で選ぶ6つのテーマは、地図、お金、宗教、資源、文化、情報)。これらを切り口に、世界の動きのとらえ方を教えてくれます。

では、なぜ、6つのテーマで切り取るのか?

それは、「地図」「お金」「宗教」「資源」といった具体的なテーマで「串刺し」にしてみると、今の世界が極めてわかりやすく理解できるからです。

現代のグローバル社会では、瞬時にマネーが飛び交い、また、一方で、世界各地で格差問題や、民族、宗教の対立が起きています。経済、戦争、テロなどのニュースを耳にしない日はありませんが、世界は今、どうなっているのか、なぜそうなっているのか、ご自身の言葉でできますか?

特に日本人は、義務教育にで教えられる社会は、「近代欧米視点」でみた「資本主義経済」を軸とした視点で世界の動きを教えられるので、

  • 「中東」、「アラブ」、「イスラム世界」と言われても、漠然とアラビア半島のあたりの宗教とオイルで常に争っている危ない地域といったぼんやりとした理解がない。
  • 「ロシア」「中国」も大国であるのはわかっているけど、その社会思想、歴史は欧米諸のそれより、ぼんやりとしかわからない。

しかし、本書では、15歳でもわかる、地理でも世界史でも現代経済学でもない、まさに、今の世界を知る授業が展開されて行きます。

これまで世界史、地理、政治、宗教などをちゃんと勉強したことがない人には、大きな気づきがたくさんあるはずです。特に、身近なところから、世界に興味を持つきっかけを与えてくれる点が素晴らしいです。

世界を見る目を鍛える

世界を見る目を鍛える

以下では、6つのテーマから一部を紹介してみます。

地図

世界地図はどこで買っても同じだと思っていませんか?

実は国によって異なります。

池上氏は、海外に取材に行くと世界地図を買って帰るそうです。地図には、その国の思惑がいろいろと詰まっています。
例えば、
・韓国で作られたの地図には「日本海」がありません。
・イランで作られた地図には「イスラエル」という国がなく、その場所には「パレスチン」と書かれています。
・中国とインドで作られた地図を見ると、中国とインドの国境線の位置が異なります。
・北朝鮮で作られた地図では、日本とアメリカに色が塗られていません。
これらは、政治、宗教、資源など様々な要素が絡んでいるのです。こんな観点から世界を見ると、世界が俄然面白くなってきます。

宗教

宗教を理解するためには、信仰の内容と共にその宗教発生の歴史を知ることが欠かせません。

日本は多神教の国。神様、仏様、お天道様、なんにでも手を合わせる国であり、初詣や墓参りに行くことはあっても、ご説法を聞くなどその宗教の唱えることを聞く習慣がないため、あまり宗教を意識することがありません。

しかし、世界のいざこざの多くが宗教に端を発しています。平和を願うはずの宗教がなぜ争いを招くのか?宗教を学ぶことがいかに大切か、教えさせられます。

資源

「世界は石油を中心に回っている」と言われますが、なぜそうなのか、どのような勢力が争っているのかが非常に平素な言葉でまとめられています。

2021年現在、様々な米国をはじめ、インフレが大きな問題となっていますが、これは、石油価格が高騰しているからです。石油価格の高騰は、ガソリンやプラスチック製品の高騰に収まらず、例えば、温室が必要な食料品をはじめ、あらゆるものが石油に依存しているため、石油価格が上昇すれば、多くの商品が高騰し、インフレを招きます。

デフレが続いてきた日本は、今現在もインフレ上昇が他先進国に比べて押さえられていることはいいことですが、一方で、このような、インフレ問題の深刻さを肌で感じて、どう対処するかという対処力が、企業はまだしも個人・家庭レベルでついていない点は大きな問題です。

資源争奪、そして新たな動きも

今、世界ではCOP26に見られるように、地球温暖化対策の解決のために、CO2排出量の多い石油をはじめとする資源を減らしてく方向に舵が切られています。
しかし、ここでも「排出権」という、石油に代わる「金儲け」で覇権を握るべく、争奪戦が繰り広げられています。
 
子供世代は深刻に資源問題を考えていますが、いわゆる世界を動かす大人は「逃げ切り世代」。口では「きれいごと」を言いながら、実は金儲けのために動いていると思って世の中を見ると、世界の動きがとてもしっくりと理解できます。是非、以下の本も合わせて読んでみてください。

最後に

今回は、著書「池上彰の世界の見方」から私がも白いと思ったポイントをまとめました。

本書は、世界の動きに関心を持つための視点がメインであり、世界各国の動きを知ることはできません。本書をトリガーに、シリーズ本も読んでみてはかがでしょうか。世界の見方が大きくUpdateされるはずです。

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