思うように行かない仕事、フラストレーションがたまる日常に、絶望を感じたり、全くやる気がなくなってしまうことは、長い人生の中で何度もあることです。そんな時に、自分を励ましてくれたり、生き方を変えようと奮起させてくれる言葉との出会いは大切です。
そんな時、自分を変えるきっかけを与えてくれるのが著書「賢者の書」。
生まれ変わるための教え、そして、エネルギーを与えてもらえる自己啓発書小説で、自分を変える気づきの言葉であふれています。
人は何度でも生まれ変われる。そして、その可能性はすべての人にあり、そのきっかけは、人との出会いかもしれませんし、一冊の本との出会いかもしれません。
本書「賢者の書」との出会いを大事に、本書からの学びを書評として書き記しておきます。
目次
賢者の書:あらすじ
妻と中学・高校の二人の子をもつ50歳を超えた中年男性アレックス。
仕事がうまくいかず、リストラ対象になるかもしれないことで絶望の日々を暮らしていた。
そんなアレックスは、14歳の少年ザイードと出会う。ザイードは、9人の賢者と出会う旅を続けていて、この公園で最後の賢者と会うことになっているという。そして、旅を通じてまとめた「賢者の書」を最後の賢人が読んで、人々を幸せに導くことができると認めてくれた時、僕の修行の旅は終わると言います。
旅に疲れて少し眠りたいというザイード。「大事な本をしまっておきなさい」というアレックスに、「あなたが持っていてくださるなら大丈夫」というザイード。ザイードが寝ている間、アレックスは許可を得て、その本を読んでみることにした…
賢者の教え:まとめ
アレックスが預かった「賢者の書」には、最後の賢者からの学びを残し、8人の賢者からの学びがまとめられていました。
以下では、私も生きる指針として心にとどめておきたいと思った著書「賢者の書」からの学びの言葉をまとめます。
第一の賢者の教え:行動
大切なのは、必要なピースを集めるためにできるだけ多くの行動を起こすこと、そして、行動の結果返ってきたものをよく見て、どうやってこれを使うのかを考えることだ。
私たちは、行動を起こすとき、行動をする前に「こうなればいい」という自分にとって都合のいい結果を期待する。 しかし、その多くは期待通りにはならず、私たちはそれを「失敗した」と判断し、失敗を恐れ、行動を押さえるようになる。しかし、私たちは失敗からも様々な学び=「人生のピース」を得ている。
そんな人生のピースで最終的にどんな絵が完成するかは最初はわからない。だから、失敗したときはは、得られたピースがどう役に立つのかはわからず、切り捨ててしまいそうになる。しかし、ジグソーパズルを完成させるように、ピースを集め(行動を重ね)、どう使うのかを考えて日々を生きると、直感的に、これはあそこに当てはまるのではないだろうかとピンと来ることが出てくる。そして、次第に、自分の生きるビジョン(必ず到達することが約束された場所。信念)が完成し、あらゆる成功が実現していく。
第二の賢者の教え:可能性
不可能と思えるようなビジョンを実現する無限の可能性が自分にもあるということを正しく自覚することが、人生の成功につながる。
私たち一人一人が持つ大いなる力は「心」。心には、世の中に新しいものを作り出す能力がある。「あったらいいな」と思う心が原点となり、昨日までは存在しなかったものがこの世に作り出される。その繰り返しの結果として、この世の中がある。こうして、人間は不可能と思えるようなことを次々に実現してきたのだ。
第三の賢者の教え:自尊心と他尊心
それと同時に、自尊心と同じ高さにまで、他者を尊ぶ他尊心も高める必要がある。
自尊心と他尊心。この両者が同じ高さである限り、どこまで高めても害はない。それどころか、むしろ、成功はどんどん近いものになる。真の成功を手に入れるのは、そのことを最もよく理解している者だ。
第四の賢者の教え:目標
まず真剣に考えなければならないのは、どんな人間になりたいのかである。
我々は、将来どうなりたいかと問われて答えるのは、大体は「職業」だ。しかし、何になるかを目標にしても成功を収めることはできない。
かつて、職業の選択の自由がない身分制の時代、武士は「どんな武士になるか」を考え生きた。何になるのかを考えるのではなく、どんな人間になるのか のみを考えて生き、素晴らしい「武士道」を生み出し、理想の武士になるべく鍛錬・努力を行った。
何になるかではなく、どうなりなりたいか。それを強く念じ、自らを鍛えることが大事だ。
第五の賢者の教え:今
今日一日、成功者としてふさわしい過ごし方をするだけだ。
人生という伝記は、過去を書きなおすこともできないし、未来を先取りして書くこともできない。だから、今をしっかり生きる。今日を全力で「行動」するしかない。そうすれば、いつか「成功者」になれる。
第六の賢者の教え:投資
ただし、彼らが投資したのは決して「金」ではない。 「自らの人生という貴重な財産」を、「時間という財産」を投資したのだ。
自分の時間を、自分の成し遂げたいことのために投ずる。その結果として、自らの描く、壮大なビジョンを完成させるために必要なパズルのピースをすべて受け取り、結果的に成功したのだ。
第七の賢者の教え:幸福
ひとつは、自分を幸せにすることを探す人々。 もうひとつは、他人を幸せにすることを探す人々。 どちらを考えるかによって、自分の所属するオアシスが決まる。
世の中の成功者はすべて西のオアシスの住人。ただし、頭ではいいことだとわかっていても、なかなか行動できるものではない。
人は、自然と「自分を幸せにするか」「他人を幸せにするか」を選んで生きている。前者は奪い合いの世界。この世界では、真の幸せは得られない。
第八の賢者の教え:言葉
その人に起こるすべての出来事は、その人が発したり、心の中で思い描いたりする言葉に起因する当然の結果に過ぎない。 そして人間が一番よく聞くのは、他の誰でもない自分の心の言葉である。
「行動」は人生をつくるもののうちのひとつだが、それ以上に人生を作る基本となっているのは「言葉」。「自分の心の言葉」である。
心の中でくり返される言葉が、 『自分の人生は不幸だ』『ついてない』『成功などほど遠い』 といった言葉ばかりでは、素晴らしい人生がやってくるなんてことはあり得ない。
今の自分が、成功している、あらゆる幸せを手に入れられる人生の途中にいるということを認める言葉を、自らに聞かせ続けることによって、さらに大きな成功が手に入る。
第九の賢者は…
アレックスは、「賢者の書」を読むまで、自分は運が悪く、自分の人生、成功とは程遠いと思っていました。
アレックスの人生は、成功を求めて単発的に努力しても、失敗ばかり続くので、いつしか行動する気力もなくなるという人生の繰り返し。その結果、自分は何も価値のない人間と思るも、自尊心ばかり高く、自らのプライドを保つことばかりを気にし、どんな商売をすれば儲かるかということばかりを考えてきました。そして、結果的にうまくいかず、後ろ向きな言葉ばかりを発し、何をしていいかもわからず、人生を逃げてきました。
しかし、ザイードの「賢者の書」を読んで気づきます。
50年以上も大切なことに気づかずに人生を生きてきて愚かさを感じずにはいられないけど、だからこそ、いいんだと。今までの人生も無駄ではないと分かったのです。
そして、ザイードもアレックスの言葉で、それまでの自分に欠けていた大切なことに気づきます。そうです。9番目の賢者は「アレックス」だったのです。
・ザイードが学んだことは何だったのか
・その後、アレックスはどうなったのか
・そして、「賢者の書」とはなんだったのか
是非、本書を手に取って読んでみてください。
最後に
今回は、著書「賢者の書」から、私が自分の人生をよりよく生きるために胸に刻んでおきたいと思った言葉をまとめて書評としました。
最も大事なのは、一人の人、或いは一冊の本からいただいた「生まれ変わるきっかけ」を大事にして、新たなスタートを切ることです。そして、教えていただいたことを感謝し、それを、人にも共有し与えることです。
是非、多くの人に本書を読んで、同じ気持ちを味わっていただけたらと思います。本書はAudibe読み放題対象本で初めてなら最初の30日は無料です。小説なので耳読との相性もいいです。私は、ジムでランニングしながら耳読しましたが、言葉が心に染み入りました!是非、多くの方に読んでいただきたいです。