今、米国ではインフレが進んでいます(米国の状況 2021年10月上旬)。

そんな状況を背景に、そろそろ、或いは、もう少し先に投資比率を上げるといいかもしれないと個人的に考えているのが「金投資」です(なぜ、私がそう考えているかは別の機会に)。

そこで金投資の勉強がてらに読んでみたのが、投資系カリスマYoutuber 高橋ダンさんの著書「超カリスマ投資系YouTuberが教える ゴールド投資」です。

来るべき世界不況で「銀行預金」「株」「投信」「仮想通貨」すべて危ない。世界の富裕層が「ゴールド」に注目を集める今こそ、投資のチャンスだと述べるダンさん。
究極の安全資産として、非常に大きな可能性を秘めた投資商品として、ゴールド投資を勧めます。

今回は、著書「超カリスマ投資系YouTuberが教える ゴールド投資」から、なぜ、ゴールド投資すべきなのか、その理由についてまとめます。

[スポンサーリンク]

ゴールドに投資すべき6つの理由

ダンさんは、金に投資する理由として6点を挙げています。

高橋ダンさん分析:ゴールドに投資する6つの理由

❶世界恐慌に備える最も有力な保険
❷インフレリスクに備える
❸供給量が決まっている有限の資産
❹5000ドルに値上がりする
❺世界の有力投資家が買っている
❻ほったらかし、ストレスフリーで投資できる

以下では、項目を読んだだけでは違和感や疑問を感じる❹❺❻の理由について、補足解説します。

「5000ドルに値上がりする」と予測する理由


上記は現在のゴールド価格の推移(日足チャート)です。2021年現在、ゴールド価格XAUDSDは1600~2000ドルの間を比較的狭いレンジで推移しており、5000ドルまでは2倍以上の開きがあります。5000ドルまで上がるとする根拠は何でしょうか?

現在の金価格は安すぎる

現在の金価格は安すぎる:金価格/マネーサプライ

ダンさんは、ゴールドが5000ドルまで上がる理由として、マネーサプライの増加ペースから見たとき、金価格が安すぎることを挙げています。

上図は、「金価格÷マネーサプライ」を示した図です。

ご存知の通り、現在、米国はこれまでもドルを刷りまくり、マネーサプライを増加させてきましたが、その状況はコロナショックで加速しています(下図)。ダンさん曰く、異常な増加です。

マネーサプライM2の推移

これに対して、チャートで示した通り金価格はあまり上昇していません。結果、「金価格÷マネーサプライ」は2020年には、0.5以下に下落し、歴史的に見ても、ゴールドは安い価格で放置(最低水準)されていると指摘します。

過去の過金価格÷マネーサプライ比率の推移を見ると、金価格が高騰していた80年代をのぞくとしても、平均でだいたい「1から2の間」です。仮に比率が1に戻るだけでも、金価格は現在の2倍に上昇、比率が2に戻るなら4倍、つまり金価格は4000~8000ドルまで上昇することになります。

この結果を見て、ダンさんは、控えめに金価格は5000ドルまで上昇すると予測しています。

ゴールドを買っている世界の有力投資家とは誰?

ゴールドに投資する6つの理由の❺では「世界の有力投資家が買っている」と指摘していますが、これは誰でしょうか?

この点に関して、ダンさんはバフェット氏、レイ・ダリオ氏、さらに中央銀行を挙げています。

バフェット氏

バフェットと言えば、配当利回りを重視する割安な米国株への長期投資家です。従来、バフェットは配当のない金投資に消極的。そんなバフェットは、現在、金そのものではありませんが、金鉱株への投資を行っています。

この状況を見て、ダンさんは、バフェット氏が金や企業を取り巻く業界に投資をし始めたことには意味があると指摘します。

レイ・ダリオ氏

レイ・ダリオ氏はアメリカのブリッジウォーターの有名ヘッジファンドマネージャーで、リーマンショックを無傷で切り抜けたことで有名です。

ダリオ氏は、これまでの投資の常識が変わるパラダイムシフトが起こるだろうと発言。これまでのように「株を買えば儲かる時代」が終わり、「金投資が重要になる時代」になると述べています。リスク軽減と収益性向上を両立できるポートフォリオに変えるためにも、金に投資したほうがいいというメッセージを発信しています。

以下は、ブリッジウォーターのボラティリティを抑えた保守的なポートフォリオ top30です。
配当利回りの高い優良企業の株が中心で、かなり保守的。ゴールドのETFを含めてETFの保有比率が高いことがわかります。

参照:マネクリ

中央銀行

各国中央銀行も、大きな買い主体です。ドルと金価格は逆相関の関係であるため、外貨資産として世界の基軸通貨のドルを持つとともに、一定量の金を保有してます。金が値上がりすれば、各国中央銀行は持っているだけで外貨準備資産が増えることになります。

中央銀行全体が保有する金は、地上在庫(採掘済みの金)の17%に及ぶといわれます。中でも、保有量が多いのはアメリカのFRBで、中央銀行全体が持つ量の25%を保有しています。

中央銀行のような大きな機関が買っていることは、金価格の下支え要因としても重要です。

金投資はストレスフリー?

ゴールドに投資する6つの理由の❻では「ほったらかし、ストレスフリーで投資できる」と指摘していますが、これは本当でしょうか。

当然のことながらゴール投資にはリスクがあります。

ただ、ダンさんは長期・分散・積立が3大原則の原則を守り、長期現物投資を前提に、コツコツ積み立てていけば、いずれ価格が上昇するので、チャートも見ず、コツコツ保有量を積み上げていけばいいと述べています。決して、値下がりリスクがない、一転集中投資でゴールドに投資すればいいといっているわけではありません。その点は注意してください。

最後に

今回は、著書「超カリスマ投資系YouTuberが教える ゴールド投資」の中から、ゴールドに投資すべき理由を紹介しました。

今回紹介した内容は、本書のごく一部。本書では、具体的なゴールド投資のためのアドバイスとして、以下の内容がページを割いて解説されています。

・銀・プラチナ・パラジウムなどの投資は?
・金に関する投資商品ベスト7
 金の現物投資
 金の ETF(ドル建て:GLD, IAU、円建て:1326, 1540)
 金先物
 金鉱株
 金鉱株の ETF(GDX、GDXJ)
 金プラチナパラジウムのETF(ドル建て:SLV,PPLT,PALL、円建て:1542, 1541, 1543)
 ビットコイン
・長期の投資戦略:ルールを決めて機械的に積み立てる
・短期の投資戦略:買い時売り時のチャートシグナルを見分ける

興味がある方は、是非、本書を手に取りご確認を。