頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?
それは、ノートは「第2の脳」であり、方眼ノートを使えば「ロジカルに頭が整理できる」からです。
本書は、メモをする道具以上のパワーを持つノートを、ビジネスに、勉強に、あなたの戦略的な「武器」にする方法を具体的に紹介する一冊。中学生の時に知っていれば、学生⇒社会人とどれだけ能力を伸ばせただろうか!と悔しくなるほど有益な内容が詰まっています。
今回は、本書から、思考が整理され、メモしたときの臨場感までリアルに再現できる方眼ノートの取り方、「人生のステージを変えるノートの取り方」を紹介します。
目次
内容・思考が整理されたノートの効果
内容・思考が整理されたノートのメリットは大きく6つに分類できます。
①記憶力がアップする(記憶回路が太くなり、学んだことが忘れにくくなる)
②ロジカルシンキングができる(事実・解釈・解決策を考えるロジカル脳を強化できる)
③問題解決力が高まる(複雑な問題も論理的に整理でき、解決策を見出せるようになる)
④プレゼンがうまくなる(ノートがそのまま、伝える力の強いプレゼン資料になる)
⑤モチベーションが上がる(書き心地がよく、ノートが美しく、やる気がアップする)
⑥勉強力が高まる(子どもの勉強、受験勉強、資格試験などの学習効果がアップする)
しかし、多くの人は効果的なノートの取り方を知りません。ノートの取り方を学ぶ機会もないため、間違ったノートの使い方で脳力を低下させています。以下はすべてダメなノートの例。心当たりありませんか?
①きたないノート :理解力・モチベーションの低下
②小さいノート :複雑なことを考える力・ロジカル思考力が育たない
③カラフルなノート :優先順位を決める力・判断力を培えない
④メタボなノート :捨てる力・整理力の低下
⑤コピペノート :記憶力・自分で考える力を奪う
⑥すし詰めノート :理解スピード・復習力の低下
⑦文字だけノート :視覚的に把握・表現する力が養えない
⑧きれいなだけノート:勉強力・理解力の低下
方眼ノートがあなたを変える
仕事でも勉強でも、大事なことは、情報を頭に詰め込むことではありません。情報をいかに整理し、効果的に使いこなせるかが大事で、それにより、アウトプットとしての結果が決まります。
この情報の取扱いにおいて大事なのが「フレーム」。理由は、人の思考と行動は「フレーム」によってつくられるからです。
分かりにくいので、道路の真ん中にひかれたセンター線を考えてみましょう。
この線が1本ひかれているだけで、運転をするとき、その線をはみ出さないように皆が注意することで交通がスムーズになりますよね。このセンター線はまさに「フレーム」であり、このフレームにより、人は正しい行動・思考ができるのです。
ノート術で、このフレームに当たるのが「方眼ノート」。頭のいい人は、方眼ノートのタテ・ヨコの線を上手に使い、情報を「フレーム」に入れて整理し、ストックしています。これらを筋トレのように日々繰り返し実施することで、情報を整理する力が養われ、思考力も深まり、発想力まで鍛えています。
方眼ノートのタテ・ヨコの線を以下のように上手に使うだけで、簡単にきれいなノートにまとまります。
・行頭をそろえる
・行頭から2~3字分下げたところに小見出しを書く
・小見出しからさらに2~3字分下げたところから内容を書く
・項目が変わったら、行間をあける
・余白部分がつくりやすく、情報整理のスペースをつくれる
学生のノートと社会人のノートは本質的に異なる
社会人になって、うまくノートを使いこなせていないなと思う方は多いのではないでしょうか?見返してもすぐに判読できないし、得るものもない…
なぜ、こんな状況に陥っているかというと、学生の時の延長でノートを付けてしまっているからの可能性が大です。そもそも、学生と社会人はノートをとる目的が異なります。同じノートの使い方をしていていいはずがありません。
学生 ⇒勉強ノート :知識や情報を「蓄える」ことが求められる
社会人⇒仕事ノート :成果をを導き出すことが目的
さらに社会人の場合①思考し、②導き出した結果をを人に伝えて動かしていく必要があります。
①考えるノート、捨てるノート=仕事ノート
必要な情報と不必要な情報をすばやく見極め(取捨選択)する
②伝えるノート=プレゼンノート
提案を人に伝え、人を動かす
それぞれ、目的が異なるので、ノートの使い方も変えていく必要があります。
世界のトップエリートが実践する「黄金の3分割」ノート
さてでは、ただきれいで見やすいだけでなく、思考がまとまっていく頭の良いノートにするためにはどのようにしたらいいのでしょうか?
それを実現してくれるのが「方眼ノートの黄金の3法則」。「①方眼ノートに、②見出しをつけて、③3分割して使う」の実践です。
上図の❶~❸のように、3分割したエリアは、ビジネスの場合は「事実→解釈→行動」、勉強の場合は「板書→気づき→要約」 の順で分割してまとめます。
これは、東大合格生ノート、マッキンゼーの「マッキンノート」、アクセンチュアで使われる「ポイントシート」、全米有名大学や研究機関で多く使われている「コーネルノート」などにも共通した「フレーム」です。彼らはこの方法により、自分の考えを短時間で整理し、生産性の高い仕事をしています。
ノートにストーリーを持たせる
上記ノート術において、より効果を上げるために大事なのが、事実→解釈→行動にわかりやすいストーリーを持たせることです。
事実からの何かに気づき、その気づきから、行動・結果につながるスムーズな流れがあると、時間が経過した後、ノートを見返しても、ノートでまとめていた時の臨場感が思い起こされます。
ロジカル接続しと矢印で、ノートにストーリーを作る
この「気づき」をストーリー化する際に、重要な決め手となるのが「ロジカル接続詞」と「矢印」です。これらを組み合わせると、さらにカンタンに情報やものごとを、「視覚的」かつ「論理的」に関連づけてストーリー展開できるようになります。
この、3法則に則して、毎日ノートを書くだけで、頭の回転が速くなり、勉強や仕事の効率が劇的に変わります。後で見返した時に、メモしたときの雰囲気・臨場感まですぐに思い出せるようなノートにすることが超大切です。
ノートサンプル
これまで説明したノート術を形にしたのが以下のノートです。
黄金の3分割で、
・「論点」を正しく設定し、
・「見出し」をつけ、
・「事実」と「意見」を色分けし、
・「事実」に基づき「なぜ5回」で本質的な問題点を抽出し、
・「行動」を洗い出し、
・「結論」を1つのメッセージに結晶化する
この一連の流れを方眼ノートのフレームで展開されていることがよくわかると思います。
文房具選びも極めて大事
さて、これまでは、方眼ノートの書き方について紹介してきました。しかし、文房具選びも極めて大事です。
選ぶべき方眼ノートは「「A4サイズ×横向き×書き心地」
本書でオススメされているのが「A4サイズ×横向き×書き心地抜群な方眼ノート」です。
A4サイズ
思考の整理には広さが必要なのでA4。ビジネス文章のスタンダードサイズでもあります。
横向き
横向きがいい理由は、人間の思考は「眼の構造」に左右されるから。目の構造的に視界は横向きの方が広く、視野が広い方が情報把握や理解スピードが格段にUPするからです。
書き心地
書き心地も極めて大事です。理由は、書き心地が悪いと人は不快感を感じ、それだけで生産性が落ちてしまうからです。故、書いていて気持ちいいと思える紙質のノート、書き心地のいいペンを利用しないといけません。
ペンの滑りの悪い粗品でもらったボールペンを使うのもNGです。
数百円で生産性が上がるなら安い投資と考えを改めましょう。
書き心地の悪いボールペンを捨てました!
具体的なオススメ方眼ノート10選を以下の記事で紹介しているので、是非ご確認を。
最後に:ノートを変えれば人生が変わる
今回は、高橋政史さんの「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」の要点を紹介しました。
ノートを変えれば思考が変わり、思考が変わると結果が変わり、結果が変わるとあなたの自信も築かれていきます。この自信は人生を大きく変えていくことになることがご理解いただけたのではないでしょうか。
冒頭にも書きましたが、中学生の時にこの話を教えてもらいたかった!と悔やまれるほどの内容で、上記で紹介したのはその一部にすぎません。
ご自身の仕事のためだけでなく、小学校高学年~中学生のお子さんがいるなら、あなたが本書で学んだ内容をお子さんに教えてあげれば、お子さんの学力は間違いなくアップすることでしょう。
方眼ノートを使うだけで、あなたもこの一連の思考ステップを習慣化することができます。さっそく、明日の仕事から使ってみてみましょう!