テレビよりYoutube
メディアの「王」であったテレビがその座を完全にYoutubeに奪われてしまった昨今。これは、マーケティングの世界に起こった大きなルールチェンジです。
ルールが変われば、倫理観・価値観も変わる。
そんな新しいルールを飲み込んで事業・マーケティングを有利に展開しているのがインフルエンサーと言われる人たちです。
大企業が「正規軍」なら、インフルエンサーは個人単位の「ゲリラ」。そんなゲリラが戦える時代が到来しています。
では、なぜ、お金・武器を持たざるゲリラが、大企業正規軍に勝てるようになったのか?
その謎を、本書「ビジネスで勝つネットゲリラ戦術」では非常にわかりやすく解説。「しょぼい起業で生きてく」の続編的な位置付けの本で、ゲリラ戦の戦い方を教えてくれます。
ゲリラ戦の戦い方
ゲリラ戦で勝利するにはどうしたらいいのか?
まずはスピード。そして、大原則「正規軍と同じルール」では戦わず、勝てる戦場を探し出しすべてのリソースをそこに集中的につぎ込む戦い方です。
スピード命なので、戦略が粗削りでも動く。トライ&エラーを前提とし、勝利を得たら、その勝利を宣伝。ゲリラの勝利は珍しいのでSNSなどにアップすれば拡散します。
こうすることで、お金・労力というコストをかけずにゲリラ戦を戦うのです。
ルールが狂う瞬間=「バグ」を上手に利用
ゲリラ戦では、ルールが狂う瞬間=「バグ」を上手に利用することが大事です。
このバグが発生しやすいのが人の「感情」です。
人の感情はうつろいやすく、個人差が大きいため、大規模な正規軍にとってはあまり扱いやすい要素ではありません。正規軍にとっての感情はむしろ、「炎上」を引き起こすやっかいな存在です。
しかし、ゲリラにとっては逆。相手が何に受けているかをドライに推測。感情に飢えた人にその人が喜ぶ感情を贈ればファンになってくれます。また、人が普遍的に渇望するもの「役割」を積極的に与えてあげると、これまた、ファンになったり手伝ってくれたりします。
今の時代、SNSはこの感情を簡単に贈ることができる時代です。著者のえらいてんちょうさんはこれを「感情に着目した贈与戦術」と読んでいます。
ゆるいネットワークを維持する
ゲリラは正規軍のように組織力は必要ありません。その代わり、ゆるいネットワーク=「つながり」を構築するのが大事です。
このゆるいつながりですが、人もモノも一度、事が動き始めると勝手に進み始め、一度、人気がつくと自動的に広がっていく傾向があります。ゲリラは、この一度ついた火を絶やさないように「燃料」を絶やさないようにすることが大事です。
ここでいう燃料の供給とは、「注目を集め続ける」こと。ファンの心に火をつけ続けることが大事です。そのためにつなぎ留めたい人々と利害が一致し続ける状態を維持し続けることが大事です。
単純接触&圧倒的なわかりやすさを利用する
人との繋がりを維持するには、発信の頻度を増やし、「単純接触効果」で共感を得ましょう。この時、豊富な情報に加え、インパクトのある短いフレーズを付け加えると効果的です。
例えていうなら、元小泉首相のワンイシュー戦法。「自民党をぶっ壊す」「構造改革なくして成長なし」「改革の本丸は郵政民営化」など、わかりやすくてインパクトのある言葉で人をひきつける。
わかりやすさはとても重要。わかりにくい主張には誰もついてきません。もちろん、平凡ではだめでインパクトも重要です。
わかりやすい仮想敵を作るのも使い方次第でうまくいきます。
最後に
今回は、えらいてんちょうの「ビジネスで勝つネットゲリラ戦術」を紹介しました。
今の時代、組織が向かないのに組織に雇われ働くのは不幸です。今は、個人戦でも戦いやすくなっています。自分は組織は合わないとお感じになるなら、「しょぼい自己啓発」シリーズは、自分の生き方を考えるいいキッカケを与えてくれると思います。動ける人には幸せな時代ですね。