【書評/要約】AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司 著)(★4) 成果の違いは、誰でもマネできるシンプルな思考と行動にあり

トップ5%社員と、残り95%社員の間には、大きな能力差があります。では、トップ5%の人は特殊な頭脳を持っているのか?

確かに、明らかな天才もいますが、多くはそうではありません。大量の社員の行動データのAI分析からわかったことは、トップ5%社員のもつ「限られた時間の中でより大きな成果を残し、より多くの報酬や幸せを得る習慣」は、誰でもマネできる、シンプルな行動と思考ルールからもたらされることがわかっています。

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著書「AI分析でわかった トップ5%社員の習慣」は、AI調査で分かった、誰でもマネできるトップ5%社員の行動・思考のルールと習慣をわかりやすく解説する1冊。本書に学べば、「仕事が早く終わるツボ」がわかり、仕事がラクになり、また、人生の幸せ度も増すはずです。

今回は、越川慎司さんの「AI分析でわかった トップ5%社員の習慣」からの学び、「トップ5%社員の行動・思考・習慣」を紹介します。

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ずば抜けた結果を出すトップ5%社員のの5原則

【書評/要約】AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司 著):ずば抜けた結果を出すトップ5%社員のの5原則

ずば抜けた成果を出す人には、共通する「思考・行動の法則」があります。

ずば抜けた結果を出す、トップ5%社員の5原則

❶「目的」のことだけを考える(仕事は量ではなく、質)
❷「弱み」を見せる(自己開示し、相手からの意見を促す)
❸「挑戦」を「実践」だと捉える(失敗も学びと考える)
❹「意識変革」はしない(行動を変えることで、意識を変える)
❺常に「ギャップ」から考える(目標・期日から逆算して考える)

トップ5%社員は経緯よりも結果を重視します。彼らは、仕事の過程を評価せず、途中で達成を感じることはありません。成果につながらない仕事を排除するために、仕事のはじめに「目的」および、それを達成するための最低限のプロセスを吟味、また、振り返り(内省)によってムダを極力減らします。

例えば、無駄に膨大な枚数の資料を作ったりはしません。1枚の資料であっても「相手の心を揺り動かし思い通りに動かすことができるか」に注力します。

また、人一倍の向上心で、自分で高い目標を設定して、行動することで達成を目指します。

時間を重視するため、時計を見る時間は一般社員の1.7倍ですが、一方で、休息が良い仕事をつくると考え、オン・オフの両面で時間を大切します。

「95%社員」の非効率な思考・行動

【書評/要約】AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司 著):「95%社員」の非効率な思考・行動

トップ5%の社員とは対照的に、 95%の社員の仕事の仕方(思考・行動)にも共通点があります。

95%社員の問題のある仕事の仕方(思考・行動)

・作業充実感に浸る(成果の如何に関わらず)
・平日も休日もこまめにメールチェックする(脳を休める時間がとれない)
・重要そうな資料を用意してしまう(成果より作業)
・作業効率が上がったことに満足する
 (評価の対象は努力ではない。成果であることをはき違えている)
・多くの情報はネットで検索できると思っている(ネット上に希少性のある情報はない)
・問題が起きたら、すぐ解決策を考える(問題の本質を考えずに、表層的な解決に向かう)

最も典型的な問題は、95%社員は作業そのもの、あるいは、作業が終わったことに満足してしまうことです。仕事は成果を出してこそ意味があります。しかし、「時間をかけて仕事をした自分」に満足してしまうのです。そして、成果が出なかった場合、「頑張ったのに…」と愚痴ったり、上司の評価にいら立ちを感じたりします。

これは、トップ5%社員が常に意識している「緊急度と重要度」を意識した仕事の優先順位付けが苦手だということです。5%社員は、緊急度が高くても重要度が低いものには極力手を出しませんが、95%社員はそれらに真っ先に取り組んでしまいます。そして、疲弊してしまうのでう。

成果を出すには「緊急度は低いが重要度が高いものに時間を割り当てる」ことが欠かせません。しかし、95%社員は、自分の頭でしっかり考えないので、仕事で苦労するのです。

トップ5%社員のシンプルな思考と行動

【書評/要約】AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司 著):トップ5%社員のシンプルな思考と行動

では、トップ5%社員に近づくために、どのような点に気を付けたらいいでしょうか。

トップ5%社員のシンプルな思考と行動

・達成感を大切にする(他者評価より、自己実現を重視)
・新しい挑戦にはデメリットがあるが、失敗も成功へのステップと考える
・完璧を目指さない(8割の精度・目標値を設定し、先に進む)
・再現性を大事にする(成果を出し続けるルールを見つけるために行動する)
・止まって考える時間を設けている(定期的に仕事を振り返り、改善点を見つけ出す)
・経験学習をする(現場経験を積むことで、実践的なスキルを多く習得する)
・完成度が20%で意見を求める(早い段階で改善点を求め、時間・ストレスを軽減する)
・アウトプットする習慣を持っている(インプットだけに注力しない)
・笑顔の連鎖を作る(楽しい感情を共有し、周りと関係を築く)
・結果は準備で決まる(夜の内にやることリストを作成。翌朝、良いスタートを切る)

達成感を大切にする

トップ5%の社員は、仕事によって生まれる成果を重視しています。そのために、仕事をしている間は、その作業は何のためにやっているのか、何をもって成功とするのか、の2つの質問を問い続けて仕事をしています。

また、仕事から達成感を得るために、明確なビジョン・方針を持っています。そして自己実現を目指します。

一方で、95%社員は、自分と向き合うより「他者評価を重視」します。相手からの「承認」が、自分が期待する「承認」を下回ると、不安や不満が生じます。これが、95%社員が会社に対して抱く不満・ストレスにつながっています。こうならないためには、「自己コントロールできること」で満足度を得ることが大事です。

失敗も成功へのステップと考える

5%社員は、失敗の先に成功があること、成功は失敗の積み重ねの先にあることを知っています。最初から完璧を目指さず、致命的な失敗をしないように最低限の準備をしたうえで、すぐに小さく始めて、修正することを心がけます。

一方で、95%社員はリスクを避けようと何も行動を起こしません。結果、経験も貯まりません。完璧主義すぎて、初動ができない人も多いです。

失敗してみると、完璧を目指すのがいかに無意味なことかわかる
―――― irls Who Code創設者のレシュマ・サウジャニ

振り返る時間を持つ

トップ5%社員は定期的に仕事を振り返る習慣を持っています。

95%社員はミスしても表面的な解決を図るだけで根本原因を探ろうとしない人が多いですが、トップ5%社はミスしたときの原因究明・改善はもちろん、成功した時でも振り返り作業を行います。成功ルールを見つけることで、成功の再現性を高めようと試みます。そして、成功したときは、それを手順化し、習慣化します。

内省は1週間に15分でもOK。おすすめは休日前の金曜日。

なぜ忙しいのか、何かやめるべきことはないか考える。思考停止しないために常識を疑う。そして、その気づきや学びを次の行動に活かす。

これができれば、安定して高い成果を出し続けるだけでなく、仕事も時短化をも実現できます。

やるべき仕事がリスト化されている

仕事ができる人は、自分がやるべき仕事が何かをリスト化しています。そして、脳のコンディションが良い午前中に集中して重要な仕事をこなし、15時以降は脳を使わなくてもできる仕事を行い、夕方には仕事を片付け終えます。これができるのは、事前準備があるからこそです。やることが見えているので「焦りのロス」もありません。

やることは、頭の中だけで整理しようと思ってもどんどんたまっていくだけです。タスク・問題を見える化するためにも、メモを取り、整理をしましょう。

周りを上手に巻き込む努力をする

主体的に動くためには、周囲を巻き込むことも必要です。そのために大事にしているのが「笑顔」です。

5%社員は、95%社員よりも「笑顔」「喜びの表現」が多く、「〇〇をしよう!」や「〇〇をやってみよう」という発言が多いことがわかっています。また、否定につながる語彙(「だけど」「でも」「ですから」「どうしても」)の使用は控えます。

そして、適切なタイミングで「今ちょっといい?」といって話しかけます。自分が腹を割らないと、相手も腹を割らないことも理解しているので、自分の弱みもさらけ出します。自分の地位を守るために他人を引きずり下ろすような行為もしません。逆に、ますはGiveで信頼を勝ち得ることに努めます。

行動ファースト

トップ5%社員は、行動ファーストです。止まって考える時間より、「動きながら考える」ことが生産性が高いと考え、思いついたことも臆せずアウトプットします(他を巻き込むと同時に、記憶も定着化させる)。

また、インプットはアウトプットありきで、その時間差も早いのが特徴。必要以上にインプットに過度な労力をかけず、インプットした内容をベースに思考して、成果につなげます。

最後に

今回は、越川慎司さんの著書「AI分析でわかった トップ5%社員の習慣」からの学びを紹介しました。

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上記で紹介した「トップ5%社員の習慣」は、本書の紹介の一部です。是非、本書を手に取って、多くの学びを得てください。
そして、大事なのは、「知ること」ではなく、より幸せになるような「行動につなげること」です。私も本書からの学びも、行動につなげていきます。

なお、本書のシリーズ本である、以下の本もおすすめです。

本を読む順番としては、「習慣」→「時間術」を読んだ方がいいです。また、どちらか1冊だけ読むなら、私は「時間術」をおすすめします。時間術の方が、実践書の要素が強いです。