【書評/要約】伝える準備(藤井貴彦 著)(★4) 発する言葉が自分を作る!言葉のストックが貯まり、自分の土台も作る5行日記のすすめ

どんな言葉を、どんなふうに使うかで、あなたの印象は作られる

コミュニケーションに必須の「言葉」。あなたは日常会話などで、誰かに何かを伝えるとき、「どんな言葉が適切だろうか」と準備したことはありますか?「言葉のストック」を増やしていますか?

古来から「言霊」という言葉があるように、発する言葉が自分をつくるからこそ、言葉選びに時間をかけるべきではないかと提案するのがアナウンサー藤井貴彦さんの著書「伝える準備」。

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アナウンサーは伝えるのが仕事ですが、ただ正しい言葉を使うだけでは、血の通った言葉とはなりません。人々に寄り添い、励まし、希望と安心を与えるには、「伝える準備」が必要です。そのために大いに役立ったのが、入社以来27年間続けている「5行日記」の習慣だったと言います。

何を書き留め、どのように言葉と向き合い、自分の土台を作り上げたのか―――。今回は、本書からの学びを紹介します。

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言葉を選ぶ

【書評/要約】伝える準備(藤井貴彦 著)(★4)

経験が言葉をつくる

同じ言葉でも、使う人によって随分印象は変わるものです。

経験のある実力者の言葉が心にしみることがある一方、言葉自身はきらびやかでも経験が伴っていない人の話はとても薄っぺらく聞こえてしまう。

食べたものが土台となって私たちの身体がつくられるように、言葉・表現は経験から作られます。だからこそ、経験を重ね、「人間性」を磨いていくことが大事です。

言葉を準備する

また、人は相手のちょっとした会話でも、深い意識はしていなくとも、その人のレベルを推し量っているものです。

例えば、部下の「あの仕事どうでしたか?」との質問に、ただ 「よかったよ」と答えるか、気の利いた一言が言えるか?

このような、ちょっとした会話で、相手にフィットするいい返答ができるようになるには、「経験」とともに「言葉の引き出し」も必要です。

また、同じような言葉でも「どの言葉を選ぶか」で、与える印象は異なります。

「必要」「重要」「大切」の3つの言葉はかなり近い意味の言葉ですが、どんなシーンで使うかで、相手の印象は変わります。
 
・努力が必要
・努力が重要
・努力が大切

このような言葉の使い分けに機敏に応じられるようになるには、日ごろからの「言葉の準備」が欠かせません。

自分の土台を作り、伝える準備もできる「日記」

日記は、自分を俯瞰してみることができる、非常に有効な方法です。今の自分を客観的に見たり、理想の自分を描き、また、過去を振り返ることは、自分の土台を作る上でも大いに役立ちます。

藤井さんは25年以上、「5行日記」を習慣化されていますが、自分の土台作りの効果はもちろんのこと、短い文章だからこそ、その時の自分の思いが蘇るようにと、言葉を選んで記した習慣が、「言葉のストックづくり(準備)」に大いに役立ったと言います。

言葉の積み重ねが自分をつくる:5行日記のメリット

【書評/要約】伝える準備(藤井貴彦 著)(★4):5行日記のメリット

藤井さんはアナウンサー。それゆえ、普通の人以上に「言葉」を大事にします。そんな藤井さんが、アドバイスするのは「日記」を書くことです。日記を通じて様々な効果を実感してきたと、藤井さんは言います。

日記は自分自身へのインタビュー

日記は自分自身へのインタビューです。書くことで自分を自分を深く知ることができます。

例えば、人生の中にはエンジンがかからない時期があるものですが、こういう時人は次のようなことで悩んでいます。

・将来、何になればいいかわからない
・今の仕事にやりがいが見つからない
・自分がこの会社で何をすべきかわからない

つまり、「やりたいことがわからず自分を見失っている」状態です。

こんな時は徹底的に書いてみる。悩みの解決策を書き出そうとするのではなく、とにかく、自分の好きなこと、嫌だと思うことを書けるだけ書いてみる。

すると、そのリストには項目がいくつも見つかる。似たようなものを集めていけば、いくつかに集約されて、自分が好きなこと、やりたいことがふわっと見えてくる。これをさらに進めて自分を見つめていけば、進む方向が見えれば、努力の仕方も見えてきてくる。ここまでくれば、あとはやるだけ、頑張るだけ。やりがいは自然に備わってきます。

感情の揺れも書き記す

藤井さんは日記をつけるに当たって、単に日々の起きた出来事だけでなく、「感情の揺れ」も書き記すようにしているそうです。

すると、自分のコンディションが見えてきます。そして、読み返したときも、その当時がクリアに浮かびあがってきます。過去の自分がどんなことを考えていたのかを思い出し、振り返りを行えば、 自分の成長や現在地を知ることが可能になります。

このような活かし方ができれば、「毎日の日記は未来の自分への贈り物」となります。

アンガーマネジメントとしての効果

日記を書くことは、アンガーマネージメントにもなります。文字に書くという時間を取ることで「怒り」を抑えて、客観的に自分が見られるようになります。

自分の苦手が見えてくる

日記には自分の悩みを書くことも多々あると思われますが、悩んでいることには「自分の苦手」なポイントが含まれています。それが何かを、見つけ出せれば、解決策が見つかり、人生を変えられます。

藤井さんは真面目な方なので、「苦手なものほど得意になる可能性がある」という方針で、なぜできないか、その理由に特化してじっくり分析し克服することを勧めています。

【参考】私は、やりたいことはやらなくて済む方法を考える

私は同じような場面では、「嫌なことはやらない。そのためにどうするか」という発想で、努力をします。昨今のビジネス書はこの方向で解決を目指すものが多いです。

いずれにせよ、人生の選択肢は自分が思うより広いものです。単なる食わず嫌いはダメですが、ある程度やってダメなら、再び、考えて(書いて)方向転換するのがいいです。

あとはやるだけじゃんとわかる

人生の中には、やらなくてはいけないけれど、やりたくないこともあります。

・なかなか気が向かない
・やれないことはないけど勇気がいる 等

これら、自分の気持ちを綴ってみると、結局最終的に行きつく結論は「後は自分が動くだけじゃん!」。このことが、書き出すことで、腹落ちしてわかることがあります。

そもそも、多くの場合、「なぜいやなのか」が分析できていません。そして、実は、多くは大体は大したことではありません。その対象について目を背けず分析すれば、道は必ず見えてきます。 ほんの10分でも真剣に考えるだけで、「何日も悩む方が時間の無駄」と気づきます。

こうなればしめたもの。自体は前に動き始めます。

5行日記、継続のルール

【書評/要約】伝える準備(藤井貴彦 著)(★4):

日記は3日坊主で終わっては意味がありません。負担を小さく継続することが大事です。

日記のルールは2つだけ

藤井さんが、日記を書くに当たって、ルールにしていることは以下の2点だけ。

・5行だけ書く
・ボールペンで書く

継続重視で書くのは5行だけ。そして、書き直しができないボールペンで書く。これだけです。ボールペンには、消せないといういい緊張感があります。この緊張感が言葉のチョイス能力を高めてくれるそうです。

個人的には、もう一つ「日記で自分に嘘をつかない」をルールに加えたい。

日記で自分の感情に嘘を綴っても全く意味がない。SNSで偽った自分を発信することを趣味にしている人がいますが、実の心は寒いはずです。
自分の心に素直に耳を傾けず、不本意を受け入れて生きていては、幸せになれません。自分に余裕がなければ、他人に優しい言葉もかけられません。世の中はギクシャクと生きづらいものになります。

日記を書くに当たって、配慮したいこと

厳密なルールは上記2点だけですが、以下の点に配慮することでさらに、「言葉のストック」が増えると同時に、見返したときの効果、自己暗示効果など、様々なメリットが生まれます。

日記を書くに当たって配慮すべき点

ネガティブ表現はポジティブ表現にする。他人を傷つける言葉は使わない
・何気ない一言を書き留めておく
・日記から自分の感情を知ること に重心を置く(悩んでいるときに書くと、自己整理に)
・何かしらの「プラス」を意識する
・何日間かまとめて書いてもいい。その時は、キーワードなどの手がかりを残しておく
・時々日記を見返し、自分を客観的に見つめる。(自分の変化に気づく、初心に帰る など)

上記の中でも特に大事なのが「ネガティブ表現はポジティブ表現に変換することです。

ネガティブ表現はポジティブ表現に

冒頭でも述べましたが、言葉は「言霊」。これは、多くの賢者が語っていることですが、ネガティブ表現は様々なデメリットがあります。
自分が意識する、しないに関わらず、ネガティブ表現は潜在意識に働きかけ、自己肯定感を下げます。また、嫌みな、愚痴ばかり言っている人からは人が遠ざかるように、ネガティブ表現は良縁を遠ざけます。

潜在意識については、以下の本が非常に参考になります。

私が、ポジティブワードの使いかがとてもうまいなと思うのが、優れた名言を多数お持ちのローランドさん

言葉の変換力とそのパワーが凄い!彼のポジティブ思考とその言葉の紡ぎ方は非常に参考になります。自分を高め、人をもポジティブにする言葉は、やはり、ローランドさんも日々の「言葉のストック」を蓄えるべく、思いついた名言をメモに記しているそうです。非常に参考になるので、合わせて読んでみてほしいです。

10年後、どんな自分になっていたいか、紙に書いてとどめよう!

【書評/要約】伝える準備(藤井貴彦 著)(★4)

藤井さんは、本をまとめるに当たって、様々な質問を編集者の方から受けたそうですが、その時、最も難しいけれども大事だと思った質問は「10 年後、どうなっていたいですか?」だったと言います。

時代の変化の激しい時代に、忙しく生きていると、自分の10年後はおろか、1年後、3年後になっていたい自分像さえ、思い描くこともなく、ただ、漫然と人生を過ごしている人が、圧倒的大多数ではなかろうか…私はそんな風に感じます。

しかし、ここで、立ち止まって「10年後の自分」を書き記しておけば、それが、その理想の自分に近づく可能性を高めてくれることは間違いありません。

否定的な言葉で希望を綴ることはできません。発する言葉は、あなたの未来も作ります。

もっと、日々の言葉を大切にすることが、将来の自分を大切にすることにつながります。

最後に

今回は、藤井貴彦さんの「伝える準備」からの学びを紹介しました。

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ノートを書くには、筆記用具選びは大事です。ペン・紙ともに書き味が悪いとそれだけで脳はハックされてやる気がストップします。以下も参考にしてもらえるとありがたいです。

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ブログ管理人:Chami(チャミ)
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