「ひとりで学べる独学力」は一生モノの武器になる
しかし、その一方で立ちはだかる「モチベーション・自己管理の壁」。多くの人は、これができないために、独学が続きません。
今回紹介の著書「一生役立つ独学戦略」の著者は、クイズ王として活躍する林輝幸さん。まさに、「独学中の独学」と言える分野でトップを走る林さんですが、もともとは独学が苦手。試行錯誤しながら身につけたと言います。
本書では、学ぶことの楽しさを知ってほしいとの強い思いで、独学成功のカギ「継続化の仕組み」、及び、知識をモノにする「記憶の技術」などを、惜しみなく公開!
今回は、林輝幸さんの著書「一生役立つ独学戦略」からの学びをポイントを絞って紹介します。
目次
独学は一生使える武器
独学とは一種の「自己鍛錬」です。決してラクなものではありません。成果が出やすい方法はあったとしても、たとえ、どのように行おうとも自分に「負荷」がかかります。独学を継続するエネルギーが必要になります。だから、多くの人は失敗するのです。
独学に必要なのは、「目標に基づく適切な計画」と「継続する仕組み」
独学が失敗する3代理由は、「長続きしない」「計画通りに進まない」「成果が出にくい」。
林さんは、この失敗の原因を、「そもそも計画を立てる段階から間違っているから」と分析します。つまり、「計画そのものが予定どおりに進むような設計になっていない」ことが原因です。
失敗を回避するために必要なのは、「目標に基づく適切な計画」と「継続する仕組み」の2つ。
また、独学を継続するにはエネルギーが必要です。思いつきや勢いで何かを学び始めてもダメ。ブレが激しい「モチベーション(=気分)」を頼りにしてもいけません。長く続けるには、「適切な計画」と「継続する仕組み」の前にエネルギーを保つための「自分発」の目標が明確であることが大前提として必要となります。
独学に必須な「根気強さ」
もし、勉強に才能というものがあるとするなら、それは、普段から「知的好奇心が強くて、知識を蓄えること自体を楽しめる人」のではないかと林さんは分析します。
しかし、このような才能以上に大事なのは「根気強さ」。勉強の才能も、粘り強さがあってこそ伸びます。
生まれ持った天才ではない、いわゆる「頭の頭がいい人」の多くは、あるタイミングから急激に成績が伸びます。まず「何か一つがちょっとうまくいく」ことが成長の突破口となって、そこからどんどん伸びていくのです。これは、突破口付近で、何か「コツ」をつかんでも、粘り強く成長させなければ、成長が加速することはありません。「粘り強さ」は大事です。
独学も同じ。「独学を成功させるコツ」をつかんでしまえば、生涯にわたって大きなメリットが得られます。学びをもとに、自分で考える癖がつき、これにより人生が何倍も豊かになります。
独学を成功に導く「目標・計画」の立て方
ココからは前節で述べた独学に必要な2つのことの内、実際の勉強前に必要な「目標・計画」について見ていきます。
「実力の数値化」でやるべき量を見積もる
独学は「目標」を立てることからすべてが始まります。目標が「独学を続ける力の源」だからです。
さらに、勉強には効率も大事です。特に、資格取得のための勉強では、100点を取るために時間をかけるよりも、合格ラインを短時間に無難にクリアする姿勢が大事になります。この場合、効率を重視して「やらないことを決める」のも大切です。
合格水準にレベルを引き上げるため、やらないことを決めるためにも大事なのが、自分の「現在地の把握」です。現在の「実力の数値化」がクリアになることで、「自分の現在地」と「目指したい到達点(目標)」との間にあるギャップ=道のり が把握できます。
「いつ、何を、どれだけやるか」を明確につかむ
「目指したい到達点」と「自分の現在地」、そして「その間の道のり」が見えたら、次に行うことは「いつ、何を、どれだけやるか」の具体的な日程への落とし込みです。
長期目標の達成に向けて、中期目標と短期目標を描き、計画を立てていく。これもまた、数値化です。
長期⇒中期⇒短期⇒1日と細かく細分化していけば、「今日やるべきこと」が明確化されます。日々の数値的なノルマができれば、それを愚直に実施すればいいだけ。進捗の遅れにも早めに気づけます。スケジュールを組む際にあらかじめ週に1回の「休息日」を設けておけば、万一計画通りに進んでいない場合も、「休息日=予備日」に後れを取り戻すこともできます。
得意と不得意。どちらからやるか
学校の勉強の場合、人それぞれ、得意科目と苦手科目があります。この場合、「得意科目」から仕上げるのがベターです。
苦手科目はどうしても気乗りがしません。時間のかかるので全体の進捗ペースが遅くなり、精神面的にも焦りを感じます。精神的負担を回避するためにも、得意科目から勧めるのがベターです。
なお、勉強はただ進捗を進めても意味がありません。大事なのは、「どれだけ(ちゃんと)理解できているか」。 全体進捗を進めたいが故に、「処理速度」ばかりに気を取られてはいけません。
独学の壁を突破する「継続する仕組み」のつくり方
ココからは、た独学に必要な2つの内、「継続する仕組み」について見ていきます。
「モチベーション維持」を仕組み化する
モチベーション=やる気。つまり「気持ち」です。気持ちは極めて頼りないものです。精神論に頼った方法は、勉強に限らず、大体、失敗します。だから必要なのが「継続の仕組み化」です。
モチベーションが高かろうと低かろうと「まずは、机に向かう」「教材を開く」という、半ば強制的な仕組みを作った方がうまくいきます。
結局のところ、独学は「コツコツ勉強」が一番強い。これを継続するためにも必要なのが、「小さな成功体験の積み上げ」です。「わかること」「解けること」を増やすことで「喜びを感じる」。これがモチベーションの維持につながります。
ただし、毎日コツコツ勉強しても、必ず「伸び悩む時期」が到来します。こんな時は、「今は、さらなるレベルアップのコツをつかんでいる最中だ」とポジティブに考えましょう。俺って駄目だ…と卑下しないこと。これは、継続テクニックとして極めて大事です。やり方を変えてみるなど、前向きな工夫をしましょう。
勉強はキリの良さを重視する
勉強を始めると、途中でやめたくなることがあります。こんな時は、少し頑張って「区切りのいいところまで、やりきる」ことが大切です。中途半端ところで中断すると、1から勉強し直しになり、それまで費やした時間が無駄になります。
一方で、「どうしても無理そうだったら、悪あがきしない」ことも大切です。自分なりに「見切り時」を見極め、機会を改めてやり直すと見切る。ただし、ただ中断するのではなく、付箋を付けておく、先に解答を見てみるなど、何らかの対処法をうって中断した方が、次に活きます。
教材選びのコツは「3割未知」
教材選びはかなり重要です。おすすめは「3割わからない教材」。
欲張って、自分にとってレベルの高すぎる教材には手を出すべきではありません。「わかる」という小さな成功が得られないため、勉強そのものが嫌になり、本末転倒となります。
自分でお金を払った本は、途中で読むのを辞めるのはちょっと悔しいですよね。別の本への資金も必要になります。かつての私は、これが大きな悩みでした。
この問題を解決してくれたのが、Amazonの本の読み放題サービスKindleUnlimited。読み放題サービスなら「この本は自分に合わない合わない。」と思ったら、躊躇なく読書を中断しても精神的苦痛がありません。追加の費用もかけずに次に読む本探しができるので、読書のストレスが大幅に軽減。結果的に読書スピードが加速しました。
本を選ぶのにひどく迷って選べない人、本嫌いの人、書籍代をかけたくない人は、KindleUnlimitedで 次々本を試し読みできるメリットを味わってみたらどうでしょうか。読書がラクになるはずです。
独学の知識をモノにする、林流「記憶の技術」
前節で、「モチベーション維持」のためにも、わかる!という「小さな成功体験」が大事と述べました。ここからは、「わかるの積み上げ」に大事な「記憶術」について見ていきます。
意味のつながりで記憶する
林流記憶術は「意味のつながりで覚える」のがベース。知識を「点」で覚えず、「言葉のつながり」+「記憶のフック」で覚えるのが肝となります。
この「意味のつながりで覚える記憶術」は、著書「勉強法の科学」の書評にて詳細に解説しています。本書によると、何の関連もないもの「点」の情報は、大人も子供も7つぐらいしか覚えられません。しかし、意味を重視し、固まり化して覚えることで圧倒的に長期記憶に定着できます。勉強する前に知っておくべき超有益情報です。できれは、本1冊まるっと読むことをおすすめします。
暗記力アップの「デジタルツール」活用法
記憶力アップにデジタルツールもうまく活用したいものです。クイズ界では「Anki」というアプリが人気だそうで、情報吸収スピードが格段に上がるそうです。こういうものは、説明を読むより、まずは、使ってみましょう。
PC版はこちら。スマホ版は以下からダウンロードできます。残念ながらiPhone版は有料です。
AnkiMobile Flashcards
Ankitects Pty Ltd¥4,000posted withアプリーチ
学ぶって楽しい!私が独学(読書)を通じて得ていること
私は読書が好きで毎日本を読みますが、読書はまさに一生続けられる「独学」です。
知れば知るほど、知りたくなる
知れば知るほど、知らないことだらけだということを実感。1冊読み終えると、さらに知りたいことが増え、その結果として、楽しく読書が続けられています。林さんが指摘しているように、「知的好奇心」が学び続ける原動力になっています。そんな私にとっては、読書は苦行どころか、「本は人生を楽しいものにしてくれる最強ツール」です。
上記は林さんの言葉ですが、これが腹落ちしてわかると、本当に学びが楽しくなります。知識・教養が深くなればなるほど、世の中を見る目は鋭くなる。高精細写真のように、低解像度では見えなかった世界が見えたり、こういうことが起こっているんじゃなかろうか、と、ふあっと推測できたりするのです。
知識レベルは昔の自分と比較!賢くなった自分を喜べる
世の中、頭のいい人で溢れています。知識や教養のレベルは、他人と比べとで辛くなります。自己肯定感も下がります。しかし、昔の自分との比較なら、人生は楽しくなる。一つ新しいことを知る度に、「自分史上、今日が一番賢い!」と思えば、毎日はハッピーです。全く根拠がなくても、自分に自信が持てます。
今どきの便利ツールを活かす!
私も毎日読書をするようになるまでには紆余曲折ありました。しかし、林さんがおっしゃるのと同様、自分のモチベーションを頼りにせず、「読書を仕組み化」したことが、現在の、苦を感じることのない「読書の習慣」につながっています。具体的は、「スマホでのスキマ時間読書(聞く読書も利用)」+「ブログ書評によるアウトプット」を実現しています。
何はともあれ、最初はインプット=読書が必要です。私の読書加速化法については、以下の記事でも紹介していますが、ポイントとしては、今は、本は読まずとも、聞くという方法もあるということです。今現在の私の読書の半分は「聞く読書」です。聞く読書が習慣化すると、耳より認知スピードが速い「読む読書」もしたくなると思います。
まずは、ハードルを下げましょう。聞く読書はハードルを下げてくれます。隙間時間を簡単に読書時間にできます。これが、毎日コツコツ読書につながりますから。
最後に
今回は、林輝幸さんの著書「一生役立つ独学戦略」からの学びをポイントを絞って紹介しました。
「勉強の仕方」を知らないで勉強すると、「勉強は苦痛」です。「独学」では続けられなくなります。この苦痛を取り去るためにも、まずは、「学び方」を学びましょう。本書は、その1歩となるはずです。