【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)(★4) マッキンゼー流 ミニマル思考による「仕事の段取り技法」

1日は24時間。限られた時間で成果を出すには、価値を生み出す最も重要なことに集中して、最小の力でそれを成し遂げることが大事です。

今回紹介の元マッキンゼー社員の大嶋祥誉さんの著書「仕事の結果は「はじめる前」に決まっている」は、ミニマム思考で最小の力で最大の結果を得る「仕事の段取り」の技法書。

ミニマム思考で段取りをするために大事なスキル(仮説・検証・全体設計・アウトプット)をわかりやすく解説。さらにワンランク上の段取り術や、良い仕事をする上で欠かせない五感・脳を研ぎ澄ますための習慣も取り上げ、紹介しています。

今回は著書『仕事の結果は「はじめる前」に決まっている』からの学びを紹介します。

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最小の力で最大の成果を得る「ミニマム思考」とは

【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)

最小の力で最大の成果を得る「ミニマム思考」で大事なのは、最も重要なことを見定め、それ以外は【捨てる】ことです。具体的にはどうすればいいのでしょうか。

「ミニマム思考」とは

「今、集中すべき最も重要なことは何か?」「自分の提供する「バリュー(価値)」は何か」と問われたら、あなたは即答できますか?

多くの人は即答できません。答えられない段階で、余計な仕事にエネルギーが分散、【質✕スピード】が犠牲になっています。

では、最小限の力で最大限の成果を得る「ミニマル思考」を身につけるにはどうしたらいいのか?ポイントとなるキーワードは7つです。

ミニマム思考の7つポイント

❶捨てる   :集中すべきものを見極め、後は捨てる
❷質✕スピード:質とスピードを掛算で高める
❸バリュー  :段取りのスタートは、自分の「バリュー(価値)」の設定から
❹仮説    :バリューは「仮説」から生まれる
❺全体設計  :全体像を俯瞰してから、仕事を進める
❻アウトプット:最終成果物をイメージ、デザインして進める
❼流れ✕スキル:ワンランク上の段取りに必要なモノ

【バリュー】どんなバリューを生み出しているか

バリューとは、平易な言葉でいえば、 自分もしくは相手にとっての「メリット」です。自分のバリューが何か把握している人は、やるべき仕事の道筋がはっきりと見えるので、「質✕スピード」の高い仕事ができます。

ミニマム思考の人は、バリューを生み出すことに楽しみを感じています。ワクワクしながら顧客にバリューを提供するので、そのワクワク感は顧客にも伝搬し、顧客はそれに期待してくれます。

このバリューを提供するに当たって必要なのが、❹【仮説】、❺【全体設計】、❻【アウトプット】に関する技術です。以下、❹~❻をそれぞれ見ていきましょう。(❼は割愛)

【仮説】あらゆる仕事に「仮説」をもつ

【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)

仮説を立てればやるべきことが絞られる

ビジネスマンの仕事は、極論すれば「問題の解決」です。
何が最も重要な課題か──。まず最初に見極める必要があるのが、真の問題点「イシュー」です。イシューがわかって、初めて真の「問題解決」が実現します。

ここで必要なのが「仮説」と「検証」です。短時間に筋のいい仮説を立てることができれば、その後にやるべき作業を大幅に絞り込めます。

仮説を立てるコツ

残念ながら、仮説・検証のスキルの習得は、簡単ではありません。普段からの、訓練を重ねてスキルを高めていくしかありません。しかし、コツは存在します。

「目利き」に的を絞った質問をする

・仮説を立てる=良い問いを立てること。問いの形にすることにより、人は答えを求めて考えだす
・目利きへの相談時に大事なのは、自分なりの仮説をもって相談すること
 ポイントを絞らない質問からは、いい回答は得られない

「セクシー」な切り口を見つける

・どんなに斬新に見えるアイデアも、存在するアイデアの組み合わせ
「どんな切り口で情報を切り取るか」=「どんな軸で情報を見るか」。軸の選び方にセンスが出る
セクシーな軸は、知識や情報が頭の中にないと発想できない
・情報・経験を脳にストックすることが、遠回りに見えて最短の近道

ネット上の情報は「だから何?」まで考える

・ネットの情報は誰でも入手できるので価値が低い
 大切なのは、その情報をヒントに、どんな仮説・見解を導くか
・二次情報ではなく、一次情報(直接、見聞き、体験して、自ら仕入れた情報)に当たれ
・徹底的に「現場」で調査し、現場の声を聞け。オリジナルな情報を仕入れよ

「ゼロ発想」で仮説を立てる

・常にゼロから考え、「そもそも」に立ち返れ
・仮説を立て、「本当にそうなのか」と自問する習慣をつけよ
・仮説をは「具体的」に
 抽象的な問いは、仮説を十分に検討できていない証拠
 Who(誰が)、What(何を)、How(どうやって)、When(いつ)を意識しながら具体化せよ
・自分の立てた仮説を都合よく解釈することなく、他の可能性も検討せよ
・仮説は1行にせよ。具体的&コンパクトな文章にすると脳が自然と働きはじめる

思考の「枠」をもて

・フレームワークは仮説立案をスピードアップする
・「枠」が発想を自由にする(自由に考えろと言われると、何から手をつけていいかわからない)
 「空・雨・傘」のフレームワークを使うと、現状の把握・分析から適切な解決策を導き出せる

「全体設計」が最短のルートを示す

【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)

建物を創るには設計図が必要です。仕事も設計図がなければ、最終成果物のイメージもできなければ、どの作業からはじめればいいかもわかりません。しかし、設計図を持たぬまま、仕事をし、人生を生きている人が大半です。

全体設計図ありきで仕事を進めよ

段取りよく仕事をするには、仕事の全体を俯瞰する「設計図」が欠かせません。ミニマム思考の人は、仕事をはじめる段階で、最終成果物を明確にし、そこに至るプロセス(工程)を明確に描いています。全体設計があるからこそ目の前の仕事の意味合いや重要度、時間配分がわかります。

一方、仕事ができない人は、全体設計がないので、仕事が行き当たりばったりです。仕事の全体における現在位置も見定めていないので、無駄な仕事、納期遅れが発生します。

設計図を描くうえで重要な5つのポイント

仕事の設計図を持つには、以下のポイントを押さえる必要があります。

①やるべき作業がモレなく網羅されていること
②作業の期限が決められていること(チェックポイントとなる)
③これらがひと目でわかるように視覚化されていること(1枚の紙に視覚化する)
④最終成果物が明示されていること
⑤細部にこだわるより、全体の改善を優先すること

1日単位のTo Do Listも大事です。しかし、より重要なのは、全体設計図をベースに仕事全体のスケジュールを意識しながら、To Do Listをつくることです。 設計図で「現在位置」をつかむことです。

また、仕事を進めるに当たっては、あくまで全体が優先。細部にこだわり過ぎないことです。細部の効率化を図っても、全体の時間はほとんど短縮されません。全体時間の短縮には、ボトルネックと工数割合の多い作業を洗い出し、その作業効率化を図ることが大事です。

段取りとは「流れ」である

フレームワーク「ビジネス・システム」:段取りとは「流れ」である

段取りとは「流れ」です。

ミニマム思考で流れを考えるには、顧客を終着点として製品・サービスを届けるまでの事業(流れ)を考えるフレームワーク「ビジネス・システム」が有効です。

■フレームワーク「ビジネス・システム」を考える際のポイント
❶ゴールイメージと生み出すバリューを明確にする
❷それらに向けた「流れ」をつくる
❸「流れ」に沿って、やることをリストアップする

このフレームワークで、作業モレを防ぐことができるができます。

仕事を「定量」と「定説」に分ける

全体設計図を描くときには、これから取り組もうとする仕事が定量的なのか、定性的なのかを判断することが大事です。定性的な仕事ほど、ミニマム思考による段取りが有効になります。

定量的な仕事:ルーティンな単純作業
定性的な仕事:考える仕事。抽象度が高く、クリエイティブな能力を必要とする

これを把握したうえで、どの仕事に一番時間がかかるのかを見極めてから取りかかる(仕事の種類を明確にしてから、時間配分を決める)と、効率的にスケジューリングができます。

「アウトプット」がバリューを左右する

「アウトプット」がバリューを左右する:【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)

アウトプットのデザインは、仕事の質×スピードを上げるために必要不可欠です。ゴールが見えれば余計なことをしなくて済みます。

アウトプットは具体的にする

仕事の最初の段階で、いかに、最終成果物の具体的なイメージをもつかが大事です。
最終的なアウトプットを意識する上でのコツは以下の3つです。

アウトプットは「3」でまとめる

・3つのポイントは、相手の印象に残りやすい(ポイントは3つ、理由は3つ など)
・3でまとめるに当たって使いやすいフレームワーク:「空・雨・傘」「主張+3つの根拠」

依頼主の「期待値」を握る

・仕事に取りかかる前に、依頼者がどんな最終成果物を期待しているのかを把握する
・スピード重視か、質 重視か
 アウトプットに求めるレベル・質、時期、依頼の背景を事前につかむ
・以上の把握で、努力の無駄防止ができる

タスク完了時間を設定する

・納期を順守するには、1日単位で作業の期限を設定する
 「今日は〇時までに仕事を終わらせて帰る」と決意し、納期を決めよ
・スピード優先の仕事では、相手は丁寧で質の高い仕事を求めていない
 重要ではない仕事で相手の期待値を超える必要はない

100%を目指さない。80%で十分

これらを通じて大事なことは、「100%を目指さない。80%で十分」ということです。

仕事のゴールは、バリューを実現するアウトプットを出すこと。(自己満足も含め)100%の仕事をすることではありません。アウトプットは、必ずしも100%を目指す必要はないと割り切りましょう。

結果が変わる!「五感」を研ぎ澄ます習慣

「五感」を研ぎ澄ます習慣:【書評/要約】仕事の結果は「はじめる前」に決まっている(大嶋 祥誉 著)

ここまで、具体的な仕事の段取り術について見てきましたが、実は、それよりも前に大事なことがあります。それが「脳・心・体」のコンディションであり、「五感」です。

五感を磨けば仕事はミニマムになる

心や体がネガティブな状態では、いい仕事はできません。すぐに不安・邪念が頭に浮かんで、集中力が続かないからです。

寝食を忘れて、自然な状態で物事に集中することを「フロー状態」「ゾーンに入る」と言いますが、このような状態に入りやすくするために、ミニマム思考の人は、以下のような習慣化により、五感・脳の管理に努めています。

・仕事のオン・オフを明確にし、ぼっとする時間を持つ
 デフォルト・モード・ネットワークを働かす
・趣味を通じて質のよいインプットを行う
・瞑想をする

特に、瞑想は、「今、ここ」に集中する力を高めると同時に、五感を研ぎ澄まします。

私は、これに習い、サウナ後の整いタイムに短時間の呼吸瞑想することを日課にしています。ハダカなので、五感も研ぎ澄まされやすいです。

 

年単位「スケジュール」を立てる

ミニマム思考ができる人は、自己実現、特に、大きな目標を達成するために、年単位でスケジュールを立て、定期的に進捗確認を行っています。

2年後・1年後・半年後・3カ月後・1カ月後の自分の「あるべき姿」を描いておく
・日ごろから、1か月単位のカレンダーを見ることを習慣化する
・カレンダーを見ながら、「今週目標通りに動けたか」「今何にフォーカスするといいのか」など、
 振り返りと行動計画を確認する

閃きが湧きやすい場所、頭を空っぽにしやすい場所であるトイレにスケジュールを貼るのは効果的です。

「自分を整えるノート」を作る

「自分を整えるノートとは、自分を顧み、改善するためのノートです。

・イヤだと思ったことや気になっていることなどを何でも書き綴る
・後から、ノートを見返して、「賢人」だったら、あるいは尊敬する○○さんだったら考察
 客観的な賢人視点でアドバイスを書き込む(意外と簡単に改善策が見つかることがある)
・次回、同じような状況に陥ったときに、悩みを抱えずに済む

このノートを続けると、自分とって大切なことがわかり、それを大切にできるようになるそうです。これは、実践してみたいです。

最後に

今回は、今回は大嶋祥誉さんの著書『仕事の結果は「はじめる前」に決まっている』からの学びを紹介しました。

今回紹介した内容は、一部です。ミニマム思考で、段取りがよくなれば、仕事が楽になって早く終わります。自分のために使う時間も生み出せます。読んで損のない1冊です。

運動と同じで、ミニマム思考で常に「段取り」を考えて行動すれば、自然と、頭と体が動くようになります。そんな自分を目指して、ミニマム思考で、自分が生み出すべきバリューは何か、それを生み出すための段取りは何かを考え、実践を続けていきたいです。