子どもの頃、眠りについたと思ったら、あっという間に朝を迎えていた、そんな記憶があると思います。

その当時は、
・夜はとても短く感じたのに、それでいて頭と体はスッキリ
・朝ごはんを食べて、早く学校に行って友達に会いたい!
そんな前向きな気持ちで朝を迎えていたはずです。

しかし、大人になった今などうでしょう? 朝起きるのがつらいと感じている人が多いのではないでしょうか。私の場合、朝がつらいと感じるようになったのは「中学生時代」からだと記憶しています。

さて、そんな爽快な朝を取り戻したい!というための、睡眠改善本が今回ご紹介の本。鼻呼吸で睡眠改善」する指南書です。本書によると、睡眠の質が悪くなってしまうのには、実は鼻が原因になっていることが多いのだそうです。

ちなみに、私は只今風邪をひいてしまい、鼻が詰まって鼻呼吸できず、口呼吸に頼らざるを得なくなってしまったことから、睡眠の質がありません… 朝起きても喉がガラガラしていて、爽快感もなく、鼻呼吸の大事さを実感中です。

そこで、今回は、「風邪」「鼻呼吸」について理解を深める観点から、本書のポイントを紹介します。

なぜ鼻呼吸が大事なのか

なぜ鼻呼吸が大事なのか

呼吸は口でもできます。では、なぜ「鼻呼吸」が大事なのでしょうか。

鼻呼吸の効果(加温効果と加湿効果)

私たちの体は、食べ物などの栄養を酸素で燃やし、エネルギーを取り出しています。その過程で二酸化炭素が出てきます。呼吸とは、酸素を体の中に取り入れて、二酸化炭素を体の外へ出す作業で、肺で酸素と二酸化炭素の交換が行われます。

この肺で効率的な酸素と二酸化炭素の交換を行うためには、適度な温度と湿度が必要で、鼻はその役割を担っています。その大きな2つの効果が「加温効果」と「加湿効果」です。

息を吸うとき:
鼻は吸った空気の温度を上昇させるとともに、湿度を相対的に80%前後にまで上昇させる

息を吐くとき:
吐いた息に対して、3~4度温度を下げ、湿度も下げる。これにより、結露を生じさせ、鼻水となるが、その3割は鼻の粘膜に再び吸収されて、次の息を吸うとき、乾燥した空気の加湿に再利用される

まさに、鼻呼吸は、加湿・除湿機能付き「全自動高性能エアコン」というわけです。

脳の温度も鼻呼吸で冷やされる

脳は人間の機能をつかさどるとても重要な臓器ですが、血流量も極めて高い臓器です。しかし、熱などにより脳の温度が 40.5度を超えると機能障害を起こしてしまいます。

パソコンが夏など気温が熱い時期になると、ファンの稼働に冷却が間に合わず固まることがありますが、まさに、計算中枢である「脳」も全く同じで、冷却が大事です。

では、どうやって「脳を冷やしたらいいのか?」

この時に一役かっていると考えられているのが「鼻呼吸」です。

鼻の中は、その上方にすぐ脳が位置していますが、これが、ダイレクトに脳からの熱を放散させ、直接冷やしているのではないかと考えられています。故、鼻づまりによって口呼吸になってしまうと効率的な脳の冷却が難しくなります。

脳の温度を測るときに代用される耳の鼓膜の温度を調べると、鼻づまりがあるときは、鼓膜の温度は高くなると言われるそうです。

私は、今回の風邪の初期症状時に熱が出ましたが、その後も、何度か微熱が発生。その時、耳の三半規管が軽く機能不全を起こしているようなふらつき感覚を体験しました。三半規管がやられるとバランス感覚がなくなり、ひどくなると立てなくなります(過去に経験あり)。今回、発熱を伴う風邪をひいて、改めて、脳・鼻・喉・耳が連携していることを実感した次第です。

鼻づまりは「運動」にもよくない

なお、鼻づまりを起していると、発熱時はもちろんおこと、体温が上がる「運動時」も、脳の温度を下げることのさまたげとなり得るので、とにかく風邪はこじらせない前に直すのが大事です。

本書をおすすめしたい方はこんな人

門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり

上記で紹介した内容は、本書のごく最初の部分です。いびき、アレルギー性鼻炎、そして、ぐっすり眠るための睡眠方法について、多くのページを割いて紹介されているので、以下のような症状がある方は、読んでみると、ヒントがあると思われます。

・目覚めが悪い
・いびきがうるさいと言われる
・記憶力が低下したと感じる
・集中できない
・仕事中に寝てしまう
・薬がないと眠れない
・痩せられない
・歯並びが悪い

なお睡眠に関しては、いろいろ本を読んできましたが、だいたい、どの本も同じことが書かれています。もし、より睡眠の理解を深めたいなら、以下の本も読んでみることをおすすめします。

まずは睡眠の質を監視しよう

まずは睡眠に関心を持とう

子供の場合、上手に鼻呼吸ができずによく眠れてないと、発育不良にもつながります。しっかり成長させてあげるためにも、よく眠れているか親が確認し、必要に応じて専門家医にかかることも大事です。

また、大人の場合も、寝ているつもりでも、寝れていない可能性もあるので、睡眠トラッカーデバイスを上手に利用するなどして、自分の睡眠を監視することが大事です。睡眠に関心を持つことが、「良質な睡眠」を手に入れることにつながっていきます。

AppleWatchやFitbitなどで自分の活動量と睡眠を計測するようになると、意識的に動くようになりますし、睡眠の質を高めようという意識も高まるので両得です。

時計は苦手、本格的に睡眠の質改善したいなら、スタンフォード大学の研究にて96%の精度で睡眠の質を把握できると検証された信頼性の高い指輪型デバイス「Oura Ring」がおすすめです。

最後に

今回は、高島雅之さんの著書「専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり」から、鼻呼吸がなぜ大事かにポイントを絞って解説をしました。
鼻呼吸でぐっすり眠りたいかたは、是非、本書を手に取って改善策を学んでみてください。