【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著)(★4) 乱読で「幸運な偶然」を手に入れよう

たくさんの本を読みたいと思う読書家にとって、本はどう読むかは重要な問題です。

本書のタイトル「乱読のセレンディピティ」の「セレンディピティ(serendipity)」とは、聞きなれない言葉ですが、「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」あるいは「幸運な偶然を手に入れる力」のこと。

東大・京大で超読まれた本「思考の整理学」で有名な著者の外山滋比古さんは、幸運な偶然=面白い発見や新しい発想をもたらす「乱読」を重視した読書を薦めます。

今回は、「乱読のセレンディピティ」から、外山さんがすすめる乱読法とそのメリットを紹介します。

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外山流、セレンディピティな乱読 6ヶ条

【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著)

最初に結論です。本書で外山さんは、セレンディピティな乱読法として、以下の方法を勧めます。

外山流、セレンディピティな乱読 6ヶ条

  1. 本は手当たり次第に読み、面白くなければ途中で投げ出せ。
    偶然手に取った本からひらめきが生まれる。
  2. 難しい本をじっくり丁寧によみ、知識ばかりを身につけても思考力は磨かれない。
    知識を持つだけなら、人間はコンピューターにかなわない。
    人間だけができる活動が「思考すること」だ。そのためには、思考の飛躍が必要だ。
    「乱読」はそれを助ける。
  3. せまい専門分野の本ばかり読んでいると、頭はいつしか不活発になり、クリエイティヴでなくなる。
  4. 自分の力で本を選べ。
    あふれるほどの本の中から何を求めて読むかを決めるのも「知的活動」になる。
  5. 忘却は重要な効果を持つ。
    記憶は忘却の力を借りて代謝をおこし、再生される(少しずつ変化する。記憶の新陳代謝)。
    知識をすべて蓄えていると頭の中がいっぱいになってしまう。
    本を読んで、大事だと思ったことは自然と心に刻まれる。
    心に刻まれなかったことをノートに書き留めても、結局はあまり意味がない。
  6. 朝の頭は1日でもっともよい状態。
    睡眠により得られる「忘却による浄化」で、頭が最もよく働く。

乱読の利点

【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著)

乱読にいいイメージを持たない人が多いと思います。しかし、外山さんの見方は違います。

乱読が嫌われる理由

そもそも、なぜ、我々は、乱読を嫌うのでしょうか。

ひとつは乱読では失敗が多いからです。名著を読むのに比べれば、失敗ははるかに多い。「失敗はいけない、失敗するな、という常識からすれば、乱読は賢明ではない読み方」となってしまいます。

しかし、人間は失敗によって多くのものを学びます。そして、ときとして成功より大きなものが得られることもあります。そう考えると、乱読からも、多くの実りが得られます。

乱読のよさに気づくこと自体が、セレンディピティ

偶然にも駄作を読んで「何かに気付く」ことは多々あります。例えば、反面教師になったり、或いは、良書の良書たることを再認識して、改めて本を見返したり…

外山さん曰く、「乱読のよさに気づくこと自体が、思いがけない発見=セレンディピティ」なのです。

特定分野の本ばかり読む弊害

【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著)

せまい専門分野の本ばかり読んでいると、われわれの頭はいつしか不活発になり、クリエイティヴでなくなる。模倣的に傾くように思われる。
軽い気持ちで読み飛ばしたものの中に、意外なアイディアやヒントがかくれていることが多い。乱読の効用であるように思われる。

私は、かつて「ビジネス書」、しかも、経済、経営、マーケティング、投資といったような「金融」、もっと平たく言えば「お金」に関する本ばかり読み漁っていた時期がありました。

専門分野の本で学んだことは多くあります。しかし、或る時から知識が広がらなくなりました。頭でっかちになり、「クリエイティブでなくなる」「本の内容を参考に動く=模倣的になる」傾向があったように思います。ある時、「本質的なことは共通」していて不変。特に、マネー本について言えば、それぞれの本の違いの多くは「テクニック」と気づきました。テクニックは、特定の条件でしかワークしない知識。しかも、ワークするかどうかの判断は、自らの経験が必要です。このようなことに気づき、マネー本ばかりを読み漁ることをやめました。

しかし、他の分野の本を読み始めて以降、全く関係のない知識同士がつながり合い、より有益な知識となることを何度となく経験しました。確かに、乱読で広く学ぶと思考はあちらこちらに飛びますが、確実に視野の広がりを実感できます。

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忘却も大事。消化し記憶の新陳代謝をしよう

【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著):忘却も大事。消化し記憶の新陳代謝をしよう
今の時代、知識や情報を詰め込むための多読は意味がありません。なぜなら、情報はあふれており、ググれば知識・情報はいくらでも手に入るからです。

そんな知識を取り込みすぎて、使うこともない状態を外山さんは「知的メタボ」と名付けています。知識は有用ですが、消化し切れない知識をいつまでもかかえこんでいると、頭は不健康な肥満になるおそれがあると。

だからこそ、自然忘却は重要です。

知識を食べものとすれば、忘却は消化、排泄に当る。ものを食べて消化、吸収する。その残りカスは体外へ出す。食べるだけ食べて、消化も排泄もしなければ、不健康な満腹、糞づまりとなって危険である。づまりを放置することはあり得ないが、知的メタボリック・シンドロームによる糞づまりは、うっかりすれば見逃されかねない。

「記憶はいつまでももとのままであるのではなく、忘却によって、少しずつ変化する。しかも、よりよく変化する。」これこそが大事です。

よい忘却で頭&思考をUpdateする「良質な睡眠」

【書評/要約】乱読のセレンディピティ(外山滋比古 著):よい忘却で頭&思考をUpdateする「良質な睡眠」

一日のうちで、朝がもっとも頭のよく働くのは「朝」。理由は、朝は睡眠で頭が掃除=忘却&整理された状態だからです。記憶の新陳代謝を計るためにも「快眠」がとても大事です。

脳にとって、睡眠は超大事。早寝早起き、しっかり睡眠

睡眠は疲れを取るだけのものではありません。この内容について、深く納得したいなら、以下の本が超おすすめです。脳の掃除がどのように行われているか、掃除されないと脳はなるかがよくわかります。

最後に

今回は、外山滋比古さんの「乱読のセレンディピティ」を紹介しました。

本書ではたくさんの読書法に関する本の書評をUPしています。「脳」「記憶」「思考」「読書法」といった言葉で検索してみてください。