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7月31日、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は、2019年度の最低賃金(時給)の目安を全国平均で27円引き上げ、901円にすると発表がありました。

2018年の全国平均が874円でしたので、初の900円越えとなります。東京都と神奈川は初の1000円越えとなりました。ただし、平均で見れば、政府は19年度の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で早期達成を目指すと明記している目標額「1000円」には、今だ達していません。

将来に備えるために「副業アルバイト」を考えていらっしゃる方も今のご時世多いと思いますが、副業バイトで1000円だとして、それは、果たしてどれぐらいの年収イメージなのかつかんでみることが大事です。

また、今、【年収180万円の若者が「年金300万円の老人」を支える日本の絶望】という記事が話題になっているので、そこから見える、今後の雇用の現状、そして、取り返しのつかない負け組にならないように何をすべきか、考えてみたいと思います。



 

最低賃金は上がってきているのか?

実感なき好景気を背景に、最低賃金は3年連続で3%上昇しています。実際にグラフで確認してみましょう。

確かに、最低賃金は上昇してきているようです。
最低賃金の推移

しかし、今後、消費税が8→10%にUPことが決まっている中で、賃金が3%増えても帳消しであり、むしろ、景気悪化で、さまざまな不景気の悪影響を受けることが想定されます。

都道府県別、最低賃金 2019年

都道府県別でみるとどうなるでしょうか。
最低賃金は以下のようになっており、1000円を超えたのは東京と神奈川の2つのみ。
実際には未だ、最低賃金が700円台の地域もあり、格差があることが分かります。

なお、この最低賃金の適用は10月からとなります。

東京1013円
神奈1011円
—————–
大阪964円
埼玉926円
愛知926円
京都909円
—————–
兵庫898円
広島871円
北海861円
栃木853円
茨城849円
長野848円
福岡840円
山梨837円
奈良837円
群馬835円
新潟829円
福井829円
山口828円
宮城824円
徳島792円
鹿児島787円
その他九州788円
沖縄788円
2019年都道府県別最低賃金

参照:朝日新聞

参考:全国都道府県の最低賃金 2018年

最低賃金の金額ですが、人によっては、全国平均値が随分高く思える方もいるでしょう。
それは、都道府県によって金額に差があるからです。

参考まで、以下は2018年の都道府県別最低賃金データになります。
黄色の都道府県は賃金引き上げが目安を上回った県です。
※下図:朝日新聞DIGITALより

全国の最新最低賃金マップ

前年比較がわかる平成30年度地域別最低賃金改定状況は以下にて確認できます。
厚生労働省:平成30年度地域別最低賃金改定状況

時給1000円は年収・月収にするといくらに相当か?

さて、アルバイトやパートを決める場合、時給が最も大事な決定要素になるわけですが、時給1000円とは、会社員と同じ時間働いた場合、どのような処遇に位置付けられるか考えたことはあるでしょうか?

感覚的に「時給1000円」は結構いいバイト・パートとお考えになるかもしれません。しかし、その感覚は大きな間違いであることを認識しなければなりません。

それは、時給を月給・年収換算してみるとよくわかります。

結論:時給1000円を月収換算すると…

・時給1000円 は 額面だけなら年収200万円、月収16.7万円レベル
・会社員なら会社が折半して負担してくれる社会保険などもない
・会社員にはある有給もない

以下で、額面の根拠を見てみましょう。

時給→年収換算の計算方法

時給→年収換算は、労働基準法の1週間の労働時間をベースに割り出しています。

労働基準法では、1週間の労働時間を原則として40時間。週休2日なら、1日8時間労働です。

この場合、年間総労働時間=52週×40時間=2080時間です。

しかし、通常、会社員なら、年末年始や夏季休暇などの休みもありますよね。
端数の80時間=8時間×10日を年間の有給休暇とすれば、年間の労働時間=2000時間となります。

結果、時給1000円の年収は 1000円×2000時間=200万円、月収は1/12の16.7万円。

バイトの場合は仮に同じ時間働いたとしても、社会保障も有給もありませんから、完全に人生負け組ゾーンの賃金となってしまうのです。

国民の平均年収は上がっているのか?給与所得者の平均給与の推移

さて、上記では、アルバイトの最低賃金についてみてきました。それでは、年収はどのように推移してきてるでしょうか?

平均給与推移

上記は、最低賃金で働くパート/アルバイトなどに比べるとよい給料をもらっているはずの給与所得者の平均給与の推移です。。

この平均年収の計算には疑念がもたれてはいますが、国税庁調査の「平成30年 民間給与実態統計調査」の結果によると、日本国民の平均年収は441万円。前年比9万円のUPになっています。

これを男女別にみると、男性545万円、女性293万円で、前年に比べて、男性は2.5%の増加、女性は2.1%の増加。
また、正規・非正規についてみると、正規504万円、非正規179万円で、前年に比べ、正規は2.0%の増加、非正規は2.2%の増加となっています。

女性、非正規の給与の低さを見ると、生活は大丈夫なのだろうかと不安になりますね。貧困はすぐそばにあるということです。

参照
平成30年分民間給与実態統計調査結果について
平成29年分民間給与実態統計調査結果について

最低賃金労働者は平均年収労働者の時給の40%でしかない

日本国民の平均年収は441万円を時給換算すると、上記と同様、年間労働時間を2000時間とすると、時給2205円

全国平均最低賃金が約900円ですから、最低賃金で働く方々は、国民平均の40%の収入しかないことになります。厳しい現実です。

年収180万円の若者が「年金300万円の老人」を支える日本の絶望

2019年7月5日の「マネー現代」の記事、年収180万円の若者が「年金300万円の老人」を支える日本の絶望が、今、話題になっています。

本記事の深層部分の問題は世代間の機会にかかわる不公平についての問題

毎月15万円もらって毎日生きがいのない生活を送る「年金生活者
 VS
生活保護より少ない稼ぎしかない「若者」

という構図です。

今の年金受給者は、「逃げ切り世代」
80代の名企業のOBには、年金だけで50万円を手にしている人も珍しくはありません。

一方で、今、ビジネスを担う世代は、ITや人工知能の進化に伴って今以上に正社員の仕事が失われ、非正規労働者の仕事ばかりが増えていくことが想像される世代です。

つまり、非正規雇用化→貧困化はますます深刻になっていくはずです。

そんなことを考えていると、将来が息苦しくなってきます。

「時給」で働くのは、人生の切り売り

ますます進む、非正規雇用の時代において、現役世代はどのように対処しなければならないのでしょうか?

まず、時給で働くのは、「人生という時間の切り売り」であるという認識です。。(自分の時間を、時給で買い取ってもらう)。

このような生活は、正直、しんどいです。病気をしても何の保証もありませんし、景気が悪くなれば切られます。
仕事があるうちはいいですが、それでも病気などで仕事を休めば休んだ分だけ収入は減少。豊かな生活とは縁遠くなります。
若いうちはいいかもしれませんが、仕事を見つけることすらしんどくなります。

「時給」で働いているだけでは、行き先が見えています。

将来負け組にならないために、どのように働くべきか?:資産の蓄積

では、「時給」でない仕事として、何をすべきなのか?

それは、時間の切り売り的な仕事とではなく、「資産」となる仕事をすることが大事です。

ただし、それはお金だけの話ではありません。以下のようなものも立派な資産です。

作るべき「資産」とは

①お金そのもの:お金を投資に回す
②スキル   :スキルが溜まる
③評価    :自分自身の評価、SNSのフォロワー。
        SNSもブログもお金を生み出すデジタル資産

同じ時間を使っても、単純労働で自分のスキルにつながらないものは、選ぶべきではありません。
経験や成果物がストックとなっていくようなことを仕事にすることが大事です。

ブログ・SNSはストック型のビジネス

経験や成果物がストックとなっていくようなことを仕事に選ぶすべきといっても、副業を始めるには元手が必要と思っている人も多いと思います。

そんなことはありません。

私がやっている、ブログやSNSの場合、初期投資は微々たるもの。私は成果を早く出すために少しは初期投資していますが、それでも微々たるものです。

ブログなら、書いた記事がストックとなり、検索エンジンにヒットする確率が、少しずつ高まります。
また、SNSでのフォロワーは、まさに価値のストック。たくさんのフォロワーをもつインフルエンサーなら、短いTwitterを一通投稿するだけでも大きなお金を稼ぎ出します。

やるかやらないか、努力し続けられるかはあなた次第。
でも、今の生活を抜け出したいなら、少し余裕を持った生活をしたいなら、やる価値はあると思います。

副業を始めるための参考記事

以下、副業を始めるための参考記事です。是非、ご確認を。