【書評/要約】脳はなにげに不公平~パテカトルの万脳薬(池谷裕二 著)(★4) ~脳を味方にする!脳の面白マメ知識

人の脳。脳の重さは約1,400gと体重の2%を占めるにすぎません。

しかし、人の人生を左右する「意思決定」を行っているのは脳。しかし、コントロールすることが難しい側面も多くあり、痩せたいという気持ちとは別に甘いものを食べてしまうなど、自分の思いとは裏腹に、全く異なる行動をしてしまうこともあります。だからこそ、脳と上手に付き合うためにも、脳の性質を知ることは、人生を幸せに生きる上で非常に大事であると私は常々考えています。

本書「脳はなにげに不公平~パテカトルの万脳薬」は、池谷さんが週刊朝日で2011年12月から掲載された連載エッセイ「パテカルトの万能薬」をまとめたもの。日々の研究の中で目にする最先端のサイエンス論文・記事に中から、池谷さんが興味深く感じたものを取り上げ、脳の不思議と科学の最新知見を1話題数ページで紹介しています。

今回は本書から、
なぜ、社会には金持ちと貧乏人がいるのか
人は本来、善なのか、悪なのか
直感は正しいのか
など、覚えておきたいと思った脳を味方にする!脳の面白マメ知識を書評としてまとめておきます。

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脳と社会とモラルと本能と…

社会と脳:脳はなにげに不公平~パテカトルの万脳薬

不公平な世界の方が安定する

完全平等なトレードゲームをしても、トレードを繰り返すと、「ごく一部の大金持ち」と「その他多数の貧乏人」が生まれます。

宇宙の法則は、様々なことが数式で説明できますが、この二極化を端的に表すのが「ボルツマン分布」。数学的に自明な結果です。

平等さを突き詰めると不平等になるのは自然なプロセス。しかし、多くの人は統計的事実に気付かずに平等主義や民主主義の理想像に憧れてしまうのです。

上流階級ほどモラルが悪い

下流層の人は素直に真実を告げて志願者と交渉する傾向があります。

一方、社会的ステータスの高い上流層は事実を隠し自分に有利にことを進めたがる傾向があります。

だましてでもいいから、自分に有利に交渉を進める。これがステータスの高い人の特徴です。特にお金に関しては顕著にその結果が表れます。

人は本来、「善」なのか「悪」なのか

人の善悪を考える前に、素早く動く時には「直感」と「反射」が関係しますが、どちらが反応が速いでしょうか。

それは「直感」。わずかですが、反射より直感の方が速く反応します。

「直感」は生命の本質に根差した瞬間的な判断です。一方、「反射」は思慮する時間がある分、文化的要因や環境的要因が反映される余地があります。

では、直感的に決定すると、人の行動は「自己中心的」になるのか、「他人を利する行動が増える」それとものか?

実験で分かったのは、「他人を利する行動が増える」ということ。つまり、人は生まれながらにして「善」であると言えそうです。

しかし、人は結構利己主義=悪ですよね。これは、一歩踏みとどまって「考える」てしまうことで打算的になってしまうからです。

直感は善、反射は悪

なるほど、思い当たる節が私にもあります。

直感は正しい

さて、では、直感は信じていいのでしょうか?

自然界では「直観的な判断」は命に係わります。理詰めで熟考するしていては、強い動物に食べられてしまいます。瞬時に判断する必要があります。つまり、長く厳しい自然淘汰を経て洗練されてきた直観は正しさが保証されているに違いありません。

人はつい、自分の意思決定の能力に、動物とは異なる大層な「知性」を想定しがちです。しかし、私たちの「直感は生命進化の産物そのもの」なのです。もっと直感を信じましょう。

脳と快楽と感動と…

脳と快楽と感動と...:脳はなにげに不公平~パテカトルの万脳薬

「自分の話」をすることは快楽

爆発に増えているSNSやブログ記事。本ブログもそんな中の一つなわけですが、なぜ、わざわざ自分のプライベートを暴露するのでしょうか?

それは、「自己暴露は快楽であるから」。これは、基本的な脳生理です。

だから、人は対面コミュニケーションでも、自分のことを話したがります。だから、「聞き上手」は好かれます。

人の心を動かす言葉とは?

同じことを表現していても、「言葉の使い方」で人は大きく心を動かされます。相手に自分の要望を聞いてほしかったら、できるだけ相手の言葉にヒットする言葉を選びたいものです。

例えば、以下のように表現すると、相手に強く伝わるようです。

・犯罪なんてしないで → 犯罪者にならないで
・怠けないで → 怠け者にならないで
・いつも笑って → にこやかな人になって
・無駄をしないで → 浪費家にならないで

人に上手に自分の思いを伝えて行動してもらうテクニックとして覚えておきましょう。

手を握るだけで記憶力は上がる

人間の脳と記憶が密接にリンクしていることをご存じでしょうか。

左の前頭葉は「覚えること」、右の前頭葉は「思い出すこと」にかかわっています。

つまり、覚える前は右手、思い出すときは左手を握ると記憶力が高まります。

最後に

今回は、「脳はなにげに不公平~パテカトルの万脳薬」から、脳を味方にするためにも知っておくとよいかなと私が思った内容を中心に、その要点を紹介しました。

私は、なんともコントロールしにくい脳と上手に付き合うために、脳に関する本を読むのが好きですが、最も効果があったのは運動と瞑想🧘です。
特に運動の効果はわかりやすい。是非、以下の本を参考に、運動してみてください。気持ちが前向きに、そして幸せな気持ちになれます!

その他、「脳・メンタル×お金(稼ぐ・投資)」に関する本の書評も紹介しておきます。