多くの人が、「負ける人の常識」に縛られているのだ
「成功者のマネをするのが上達の近道」とよく言われますが、投資においても、「勝ち続ける人」の常識を身につけ、とにかく経験を積んで自分の投資の腕を磨いていくことが大切だと語るのは、加谷 珪一さん。マネーに関する著書を多数執筆されている投資家で、私が好きな作家の一人です。
今回紹介する『株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識』では、両者の常識を50個以上、対比して示してくれます。今回は、本書からの学びの一部を紹介します。
目次
「バフェットの手法を学べば儲けられる」というのは間違い
投資の成功者である「バフェット氏の投資手法」は、株式投資の王道と呼ばれる方法です。
バフェット氏の手法とは、「長期期的に利益をもたらす優良銘柄を選び抜いて投資する」手法ですが、一般投資家がこれをマネしても大きな利益は得られません。
その理由は、バフェット氏は、高いレバレッジをかけて投資をしているから。彼のビジネスの一つに保険業がありますが、これはまさに「人からお金を集めて行う投資」＝「レバレッジ投資」です。また、暴落時に、はた目には支援する形で、他より有利な条件で投資を行っています。
故、勝ち組の常識は、「バフェット氏の投資手法は個人投資家には真似が難しい」のです。
とは言っても、学んでおくことに意義はあります。有名投資家の手法を複数学んで、その中で自分に合った投資を探して、真似してみることは、投資の上達の上でも意味があります。
一般的な個人投資家にポートフォリオは必要ない
乱暴に言えば、投資には2種類しかありません。
❶高いリスクを取って資産を何倍、何十倍に増やすための積極投資
❷インフレによる購買力の低下を防ぐための守りの投資
分散投資が大切と言われますが、分散しすぎては、元の投資額が少なくては資金は増えません。バフェット氏も銘柄を絞って投資しています。
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市場予測をどう利用するか
投資には市場の予測が非常に大事です。この「市場予測」ができるかどうかについては、全く異なる「3つの考え」があります。
市場予想に対する3つの考え
- 市場は完全に効率的であり、予測は100%不可能（ランダムウォーク）
- 市場は効率的だが一部不完全なところがある（ファンダメンタル）
- 市場は効率的でなく、経験則から株価は予測できる（テクニカル）
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
議論されることの一つに、「ファンダメンタル分析」と「テクニカル指標（分析）」どちらが重要かがありますが、これを論議しても意味がありません。合わせ技での予測が必須です。
・ファンダメンタル分析を行い「企業の動き」をつかみ、
・テクニカル指標を使って「市場参加者の心理」を知る。
【重要】自分はどのスタンスに立って投資しているのか
繰り返しになりますが、「どの手法が正しいのか」という哲学論争をしても意味はありません。
現実には3つの手法をうまく組み合わせることが必要です。何より、前提として、自分が大枠として、どの立場なのかについては、はっきりさせることが大切です。
特に、1と3は水と油です。どちらの側に立つかで投資のやり方は180度変わります。負け組は、その時の都合に合わせてスタンスが変わり、時に応じて取引スタイル（手法）を変えがちです。これでは投資で成功するはずがありません。
経済指標を投資にどう活かすか
日本GDPに対し、負け組は海外輸出によって大きくなる、つまり、円安が進むと景気が良くなると考えがちです。しかし、日本のGDPの6割は個人消費です。
経済成長の要因は人口を含めて3つあります。GDPは❶人口（ヒト）、❷資本（カネ）、❸イノベーション（技術）の3つで決定されます。
この3つを考えたとき、日本はどのように位置づけられるか考えることが大事です。ちなみに日本の人口推移予測は以下の様になっています。
参照：平成29年 情報通信白書
人口推計は、技術の進歩と違って、的確に未来を予測する一つの手段です。人口減少で日本で起こることを、今後衰退すること、今後大事になることなどを考えてみることが大事です。
最後に
今回は、加谷 珪一さんの著書「株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識」からの学びを紹介しました
本書には、多数の勝ち組・負け組の常識パターンが紹介されています。投資で成功を収めるには「勝ち組思考」への転換が欠かせません。是非、本書で投資で成功するために必須の常識を学んでください。
