「なぜアップルを辞めたのですか?」
著者の前刀さんは、会う人会う人に、数えられないくらい、この質問をされてきたそうです。
この質問には、「アップルを辞めるなんてもったいない!」という質問者の思いが現れたものだと思いますが、前刀さんは「全く後悔がない」と言い切ります。
ソニー、ディズニー、AOL,ライブドア、アップルなど、次々に皆がうらやむ転職を実現してきた前刀さんですが、転職の理由は、「(やりたいことを)やりきって、もう、心が燃えなくなったから」。今、何をしたいのか、何に情熱を注げるのか、あるいは今何をしたくないか?それにこだわって生きているが故にできる発言です。
「将来やキャリアを、自分の手で創るものである」と考え、人生を楽しんで生きてきた前刀さんは、読者に対し、
・未来に備えようとするあまり、その未来の「見通しのきかなさ」に悩み、ひるんでいないか?
・未来に目を向ける一方で、かけがえのない「現在」を犠牲にしていないか?
・得体のしれぬ「未来」のために、好きなこと、やりたいことを我慢していていないか?
を問い、5つのアドバイスをしています。
- 悩むより楽しもう。
将来をいたずらに憂うよりも、その瞬間、心が喜ぶことをしよう。そのような決断の点と点が、いつか繋がるときがやってきます。 - 考えるより感じよう。
日本人には素晴らしい感性が備わっています。頭で考えて答えが出ないなら、その感性に、自分を委ねてみましょう。 - 溜めずに捨てよう。
やりたくないことは捨てる。できないことは諦める。ストレスフリーな生き方はそこから始まります。 - 嘆くより変えてしまおう。
イノベーションを生み出し、世界を変える人間は何を考え、どう行動するか。 - 自分の体感を信じよう。
デジタルよりもアナログ、データよりも体感。心が喜ぶ生き方、あるいはイノベーションを起こすための、キーワードです。
上記5点を各章として、より詳細なアドバイスをしてくれます。
日本人は、自分が感じることより、「誰が言っていることか」をありがたがり、優先します。
また、「楽しくやって成果が出る」よりも、「つらい顔をして頑張っている」方を評価する傾向があります。
そんな窮屈な人生を送っているなら、やりたいことを成し遂げ来た著者の人生から、行動する勇気をもらってみてはいかがでしょうか。