著者はダックビル為替研究所の山岡 和雅さん。メディアなどでも記事をお見かけするアナリストです。
「夜間に17分で、毎日1万円。しかも、ほったらかし投資」と本の表示にある文言だけ見ると、よくあるがっかり本の雰囲気を感じるものの、手法が気になり、手に取ってみました。
読んでみると、口座の準備の仕方、ファンダメンタルの見方、テクニカル指標の見方など、教科書的な内容のボリュームが多いため、FX初心者がこれからFXの一歩進んだ知識を身につける、或いは中級が情報の整理に読むのが適切です。
本書のメインとなる、夜17分間で毎日1万円を儲けるほったらかし投資手法については、以下にまとめます。
目次
FXの所要時間は夜17分で後はほったらかし。所要時間の短さ&ほったらかしの実現の仕方
以下のようにすることで、短時間&ほったらかし投資を実現します。
- FX取引に最適な時間帯は、日本時間の午後9時から午前0時ぐらいにかけて
※この時間は24時間の中で格段に取引量が活発。値動きが最も期待できる。 - 上記時間帯に、17分で市場の分析~取引設定までを行う
※17分にすることの詳細は後述 - ポジションを作るときに、ターゲットとストップロスをすぐに入れる ほったらかし投資
ポジションを持って相場を見ると、冷静な判断が難しくなり、損を出すケースが増える。1回ポジションを作ったら、そのあとはなるべく相場を見ない。 - 値動きの流れをつかんで、ある程度の値幅を取りに行くスウィングを基本とする
夜17分間でやることは?
以下が17分でやることの流れです。※詳細は本書にてご確認ください。
- 状況・ポジションチェック:2分
- 相場のテーマを見切る:4分
テーマの例)石油、オリンピック、温暖化、中国株、輸出など - これからのイベントチェック:2分
イベントの例)指標発表、要人発言など - チャートによる取引通貨の選択:3分
- 売買ポイントと損益ポイントの選択、発注:6分 完了したら睡眠
短時間取引を実現するポイント
一言でいうと、情報の取捨選択とルーティーンの確立です。
情報の取捨選択のために、確認対象を減らします。
通貨:5通貨程度に
3大通貨、米ドル、ユーロ、日本円に、金利面から豪ドル、あとは好みで英ポンドやNZドル、南アフリカランド、トルコリラから一つ加えて5通貨ぐらいを軸にするといいです。
チャート表示は、トレンドライン・移動平均線にプラスして、以下の3つの指標で十分
- 売買ポイントを測るボリンジャーバンド
- トレンドの判断に強いMACD
- トレンドの継続を知るRSI
プロも勝率は6,7割。リスクリターンに基づき、リミット・ストップロス設定
ポジションを持つときには、利益目標(リミット)と損失確定(ストップロス)の水準を最初から決めておくことが大事です。
値幅の目安
- デイトレ:リミット10~50銭に対し、ストップは8~30銭
- スイング:リミット1~3円に対し、ストップ50銭~1.5円
- 長期 :リミット10円~に対し、ストップ5~10円
これに加えて、リミットの場合はポイントの少し手前、ストップの場合はポイントの少し先に置きましょう。
1日1万円利益獲得手法(獲得イメージ)
本書の利益目標は、毎日平均して1万円の利益です。しかし、勝率100%は無理です。そこで、目標収益を意識した預入金額と取引金額のバランスです。
故、以下のようなトレードを目指します。
- 証拠金:50万円
- 勝率50%と仮定し、少なくとも1回の取引で2万円以上は利益を上げることを目指す。
4万ドルのポジションを持って、1円の収益を目指す
※時には70~80銭で早めに利確しても平均して1円程度の値幅を得る。ストップは50銭とする
1回4万ドルの取引を行うと、レバレッジは10倍(1ドル=125円換算時)となり、すぐに強制ロスカットが付くレベルとならな状態でトレードができます。
上記、トレードをを1ヶ月=20営業日実践すると、
50%勝率で勝ちは10回で40万円の利益。負けも10回で損失は20万円。合計で20万円の利益となり、一日利益1万円が実現できます。