「頑張れ!」という言葉の罪ー。
それは、がむしゃらに頑張っても、成果がでるとは限らないということ。頑張ってその先に絶望が待っていることもあるということです。
川下和彦さんの『がんばらない戦略』は、がむしゃらにがんばって働く人生から脱却し、本当に必要な努力に注力できる自分に変わる方法があることを教えてくれる人生戦略の指南書。
真面目な人・賢い人は、とにかく努力してしまう。しかし、本当に成果がでてますか?或いは、それで幸せですか?
誤解してはいけないのは、「がんばらない=何もしない、やる気を出さない」ということではありません。
本書は、自分の目的達成のために本当に必要な努力だけをするための、時間の使い方・思考法・習慣を教えてくれます。
今回は、川下和彦さんの『がんばらない戦略』からの学びを紹介します。
目次
がんばらない戦略:あらすじ
タイトル・サブタイトルは「ビジネス書」の様ですが、本作は、「ガンバール国」と「ガンバラン王国」2つの国の物語。自己啓発小説です。
主人公は「ガンバール国」住人の大学生・ミサキ。ガンバール国は、誰もが忙しく頑張っている国。自宅でも親に「がんばりなさい」と口酸っぱく注意される。そんな状態に嫌気がさして、ミサキは家を飛び出してしまう。
向かった先は、「ガンバラン王国」。がんばらないことが国のルールなのに、なぜかみんな、豊かで幸せそう。がんばっているのに、うまくいかずに悶々としたり、疲弊しているガンバール国とはえらい違いだ。
ミサキは、この国で、個性的な10人と出会う。毎日同じ服で暮す家族、ゲームばかりしている人、いきなり腹筋を始める人、突然寝てしまう人 などなど… 彼らとの出会いで、ミサキは「がんばらなくても成果がでる方法・思考」を学んでいく―。
がんばらなくても結果は出せる!結果を出す方法
1日=24時間。これは皆等しく与えられた時間。しかし、同じ時間が与えられているはずなのに、人生の成功度・幸福度はまるで違う。
結果を出しやすくするには、コツがあります。このコツを知っているかで、人生は大きく変わります。
ガンバラン王国 がんばらなくても結果を出すための十ヵ条
最初に結論です。頑張らなくても、人生の成功・幸せをつかみ取るための十ヵ条は以下の通りです。
❶意志の力には限りがある
意志の力を 消耗しないように、繰り返しやることをルール化すべし
❷つまらないと思えば、我慢のために意志の力を使うことになる
面白くないことは、ゲーム化すべし
❸多くに取り組もうとすれば、意志の力を摩耗させる
やるべきことをシンプル化すべし
❹最初は意識してやっていることも、繰り返すことで無意識にできるようになる
繰り返し行動で、自らを自動化すべし
❺効果を実感できないことは続かない
自分へのご 褒美 を、見える化すべし
❻人に宣言すると、やり遂げようとする力が生まれる
やると決めたことを、約束化すべし
❼人間のカラダは無意識にテンポを刻んでいる
同じ行動を同じタイミングで繰り返して、リズム化すべし
❽行動のきっかけを決めると、スタートしやすい
決めた行動を条件反射ではじめられるように、トリガー化すべし
❾人間は積み重ねてきたことを崩したくないと思うようにできている
日々取り組んだことを、記録化すべし
❿苦手なことをやっていると、苦痛がふくらみ、意志の力をすり減らす
得意なことを見つけて、楽しく取り組むべし
がんばらなくても結果を出すための十ヵ条:補足解説
十ヵ条を細くします。大事なのは「意志の力」の使い方です。
意志の力には限界:意志の力を使わない仕組みを作る
「意志の力」は、難しいことをやろうとすると一気に消費され、なくなってしまいます。「なるべく意志の力を使わない仕組み」を作ることが大事です。コツは、あらかじめルールを作っておくこと。
スティーブ・ジョブズ氏やザッカーバーグ氏が、毎日同じファッションなのも、つまらないことに「意志の力」を使わないためです。
発想を転換:「義務」を「娯楽」に変える
勉強でも運動でも仕事でも、「義務」だと思うと、そこに苦痛が生じます。すると、実行で、「意志の力」がどんどん消耗され、最後は「や~めた」と諦めてしまう。
だから「義務」を「ゲーム=娯楽」にしてしまう。ゲーム開発者のように、ワクワクするルールを作って、攻略することを楽しめば、「やる気」も出て、乗り越えられることは圧倒的に増やせます。
シンプルな習慣ときっかけをつくる:トリガーを決める
何かをやろうと決めても、その1ステップが大きい・複雑など、それは、実行の「トリガー(引き金)」になりません。
トリガーはできるだけシンプルかつ簡単に実践可能なものにすることが大事です。大きな目標は小さな目標に分解し、行動する前に準備したり考えたりしないようにします。「起きたら、歯を磨く」のように、自然にカラダが動くようなものにするのがベターです。
無意識の力を利用
私たちの行動の9割は無意識。意識的にやっていることは1割に過ぎません。つまり、上手に「無意識の力」を利用することです。
詳細は、以下の記事で紹介しています。とてもおすすめです。
習慣になるまではご褒美を用意
意識して「やっている」レベルから無意識に「できる」レベルになるための壁を乗り越えるコツは「ご褒美」。ご褒美があると、多少の苦痛は乗り越えられます。
カーリングのストーンは、力を加えなければ動かない。しかし、最初だけストーンをひと押しすれば、その後は、氷の上を滑っていく。 「ストーン=石」の使い方と、「意志」の使い方は同じです。適切に初動を与え、後は、自動走行させよう。
やろうと決めたことを宣言:コミットメント効果&一貫性の法則
SNSにつぶやいたり、スケジュール表に書いたりして「自分の目標を宣言」すれば、その達成確率高まります。宣言すると「コミットメント効果」だけでなく、自分が決めたことを、一貫して最後までやり抜こうとする「一貫性の法則」も働きます。
一定のリズムで同じ行動でリピート:習慣化
人間のカラダはリズムでできています。呼吸・鼓動・歩行も同じリズムでの繰り返しです。一定のリズムで同じ行動を何回も繰り返すと、脳内にリピート・プログラムが書き込まれます。やることも、リズム化しましょう。
例えば、「〇曜日は、〇〇の日」と決めれば、掃除・ジム通い・読書なども実現しやすくなります。
やったことを記録
多くの人がダイエットに失敗する理由は、「意志の力」に頼って頑張ろうとするから。しかし、効果がわかるように「自分の行動を記録」すると励みになり、続けられます。
スマートウォッチで「歩数管理」すると、毎日歩けるようになるのも同じです。できれば、自動化して、履歴が貯まるようにしましょう。
得意なことを見つけて意志力の消耗を抑制
苦手なことを必死でがんばると、「意志の力」を消耗します。結果も出にくい。しかし、好きなこと・得意なことなら、周囲から「がんばれ!」と言われなくても、自発的に行動でき、しかも、長く続けられる!継続できれば徐々に成果が出て、目標が達成できるばかりか、大きな自信にもつながります。これで、人生ハッピーです。
最後に
今回は、川下和彦さんの『がんばらない戦略』からの学びを紹介しました。
真面目な人、賢い人ほど、「頑張る罠」に陥りがちです。頑張ること自体は目的ではありません。いかに、成果を出すか、いかに幸せをつかむかを重視する思考・行動ができる自分に替えていきましょう。
以下の本も参考になるので、是非、読んでみてください。