【書評/要約】白髪は防げる!(辻敦哉、コッツフォード良枝著)(★4) なぜ白髪染めだけ?白髪の原因を知り、白髪を防ぐ・食い止める

人の印象は、髪の状態で大きく左右。
初対面の印象の8割は視覚情報であり、特に頭部は視野が集まる――。

最近、髪のおでこの生え際付近をの髪の毛をかき分けると、短い白髪や、金髪のような薄い色の毛を発見することが増えてきました… 紛れもなく「老化」…🥀

現在は、白髪は抜いていますが、「抜く」では対処できない日がやってきます。さらに老化が進行してから老化に抗おうとすると、お金・時間・労力も圧倒的に増えていきます。

そこで手に取ったのが、辻敦哉さん、コッツフォード良枝さん共著の『白髪は防げる!』。

そもそも、これだけ医療が発達してきているのに、白髪対策といえは「白髪染め」ぐらいしかなく、「抜け毛・ハゲ」に比べて圧倒的に治療・対策が少ないのが現状です。その理由は何なのでしょうか?

今回は、本書から、なぜ老いると白髪になるのか、そして、白髪の原因と、白髪対策はどうしたらいいのか、本書からの学びをの一部を紹介します。

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白髪に関する情報・治療が少ない理由

【書評/要約】白髪は防げる!(辻敦哉、コッツフォード良枝著):白髪に関する情報・治療が少ない理由

白髪が現れる年齢は、平均して35歳ぐらいです。50代になるとほぼ全員が白髪を気にしています。しかし、 白髪の対抗策は「白髪染め」以外、ほとんどありません。その理由は何故なのでしょうか。

なぜ白髪対策情報は少ないのか

薄毛・ハゲ対策に対して、白髪改善に関する情報・方法が少ないのはそもそも白髪のメカニズムがわかったのが2009年と日が浅いからです。

本書は2021年6月に出版された本ですが、この時点では、白髪のメカニズムはまだ解明段階で、白髪に特化した薬・治療も研究段階です。

なぜ白髪になるのか

髪になってしまう主な原因は、「色素幹細胞」の働きが悪くなり、細胞自体が減ってしまうことです。
髪の毛は「ケラチン」と呼ばれる 18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質で構成されています。この中のアミノ酸の中の一つ「チロシン」が髪を黒くするメラニン色素の原料です。

実は、生まれたばかりの毛は白い毛です。メラニンという褐色の色素が、誕生したばかりの白い毛を染めることで初めて黒くなります。しかし、メラニンを生成する細胞「メラノサイト」がうまく働かなくなると、髪が黒く染められず、白髪のまま生えてきます。

メラノサイトが正常に働いている場合は、チロシナーゼという酵素をと、血液中に存在するチロシンからメラニンを生成しますが、この機能が老いとともに衰えてしまうのです。

白髪は抜くと増えるはホント?

白髪になる人はハゲない。若いうちから白髪がある人はハゲない。白髪は抜くと増える 等

これらはすべて俗説です。

白髪と薄毛の順番も決まっているわけではありません。白髪がどんどん増えてくると、白い毛の部分は髪の毛がないように見えるため、ボリュームが減ったように感じます。

また、無理に抜くと、毛根が炎症を起こしたり、最悪の場合、毛が生えなくなります。毛の根本付近でハサミでカットする方が、髪にはよいと本書にはアドバイスされています。

白髪の原因

【書評/要約】白髪は防げる!(辻敦哉、コッツフォード良枝著):白髪の原因

では、白髪になってしまう原因は何でしょうか。5つの原因があります。

5大原因原因や対策
栄養不足・健康的な食事をせよ。特に、必須ミネラルを摂取せよ
 カルシウム、マグネシウム、鉄、銅など 16 種類
・タンパク質も摂れ!髪を黒くする「チロシン」の不足を押さえる
血流不足・血流が不足すると、栄養素がいきわたらない(こめかみより上は毛細血管)
・血流不足の大きな原因は、腎臓とストレス
・ストレスは自律神経のバランスを乱す
 交感神経が優位な状態となり、体が緊張→血管収縮
・ノルアドレナリンが、毛が生え変わるときにメラノサイトを生み出す「色素幹細胞」を過度に働かせ、色素を枯渇させ、白髪を増加させる→ストレス白髪
紫外線・頭皮も肌と同じ。紫外線でダメージ
・白髪の原因は「UV-A」「UV-B」
 ❶頭皮の乾燥、❷細胞の老化、❸皮脂を高速に酸化→過酸化脂質が生成を招く
・紫外線対策は年中必要
老化・遺伝・加齢でメラノサイトが活力が衰え、老化白髪に
・全体にまんべんなく白髪がある場合は、老化
電磁波・電磁波は、人間の体内に大量の活性酸素を発生させる
・スマホ・電子レンジなど、身の回りに電磁波を発する電化製品が多数存在
・過剰な活性酸素の大部分は悪玉に変化→毛根を含む全身の細胞にダメージ
・スマホは無理な姿勢とダブルで、白髪の原因に
・日本のコンセントは2つ穴でアースがないこともよくない

【対策】白髪を防ぐ・減らす(食事編)

【書評/要約】白髪は防げる!(辻敦哉、コッツフォード良枝著):【対策】白髪を防ぐ・減らす(食事編)

現状、白髪のメカニズムは解明されていません。
しかし、科学的エビデンスは不十分であっても、白髪に精通するプロフェッショナルからみて、確かに、白髪を防ぐ・減らす効果が高い方法はあります。

食事、洗髪・ドライヤー・ブラッシング・頭皮ケア・マッサージなど、それらは多岐にわたります。どれか、一つやればOKというものでもありません。

老化・健康対策に大事なのは、「よいことを習慣化して続けること」です。今回は、食事に係る内容のみ取り上げて紹介します。

やめるべき食生活・やるべき食生活

白髪対策で最も大事なのは「栄養不足の改善」です。

体に良いものを取り入れ、加工食品など体に悪い食べ物を食べないことです。タバコもNGです。

「正しい食事の知識は一生モノ」です。髪に限らず、健康のために、以下の本は一読をお勧めします。

白髪によい栄養素

まずは、上述した、健康的な食事が大事です。しかし、その上で、白髪をより効果的に防ぐために、以下の栄養素を意識的に摂りましょう。

栄養素内容
タンパク質卵、牛肉、アジ、サンマ、豆類
カルシウムチーズ、ヨーグルト、ひじき、インゲン、小松菜
カリウム長いも、豚肉、昆布、ひじき
マグネシウムバナナ、オレンジ、色の濃い葉物野菜、にがり
卵、ほうれん草、レバー、赤身肉、貝類
亜鉛牛肉、ナッツ、貝類、卵
チロシンチーズ、カツオ、マグロ、阿保が度、大豆製品、ナッツ類
ヨードとろろ昆布、昆布茶、ひじきなどの海藻類
アントシアニンブルーベリー、イチゴ、プルーン、黒豆、赤たまねぎ、紫キャベツ、赤シソ

血流改善に、肝臓のケア

白髪の5大原因の一つである「血流不足」の改善のためには、肝臓のケアが欠かせません。

休肝日をとる

肝臓に負担をかけすぎないために、飲酒をする方は、2日程続けて休ませる休肝日を儲けましょう。

水を飲む

また、1日に1L、冷やしすぎていない水を「こまめ」に摂りましょう。カラダの水分が不足すると、血液から水分を奪うため、血液がドロドロになります。そして、血流が滞り、髪の毛を育てる細胞に栄養が届きにくくなります。特に、朝起きたときと夜眠りにつく前は、それぞれコップ1杯の水を取りましょう。

以下は、水分とミネラルが取れるミネラル分を多く含む水です。

失われる塩分を取る

水分を取ると、塩分が失われます。ミネラル分も含む、天然塩を取りましょう。

調味料の「さしすせそ」=砂糖・塩・酢・醤油・味噌は天然のものに変えることを著者らは薦めます。天然の調味料は、加工品に対して高価かもしれませんが、 数ヶ月単位で使うことができます。使う手軽さ・価格を加味すれば、天然素材の調味料は、コスパが高いです。上手に取り入れましょう。

活性酸素の除去

「抗酸化物質」である ビタミンCやE、カロテン、ポリフェノールを取りましょう。

栄養素内容
ビタミンCキウイ、イチゴなどの果物、キャベツ、パセリ、ブロッコリー
ビタミンEアーモンド、ピーナッツなどのナッツ類、かぼちゃ、モロヘイヤなどの野菜、うなぎ、たらこなどの海産物
カロテントマト、かぼちゃ、ピーマン、ほうれん草、ニンジン、アスパラガス、ブロッコリー
ポリフェノールココア、ブルーベリー、赤ワイン

アーモンド、ブルーベリーならおやつとしても気軽に摂取できます。
アーモンドは健康にも美容にもいい食材で、アンチエイジングにも効果があります。また、ブルーベリーは眼精疲労にもよく、低カロリーです。

また、「水素」は有害な働きをする悪玉の活性酸素のみを除去し、細菌などと戦う善玉の活性酸素も取り除きません。そのためには、水素(サンゴカルシウムタイプ)の摂取を勧めています。ミネラルも同時に補えます。

最後に

今回は、、辻敦哉さん、コッツフォード良枝さん共著の『白髪は防げる!』からの学びを紹介しました。

本記事で紹介した、白髪対策法は、食事(栄養分)に係る部分のみです。しかし、実際には、食事に気を付けても、洗髪・ドライヤー・ブラッシングなど、毎日の習慣でよくないことを行っていては、台無しです。今後、別記事で紹介したいと思いますが、まずは、知識を深めることが大事です。

是非、本書を読んで白髪対策の基礎となる情報を知りましょう!