話すのは苦手…そんな悩みを抱える人は多いものです。
でも、ほんの少し「聞き方のコツ」を押さえるだけで、人間関係も、人生も、全部がよりよい方向に動き出す!
そんな魔法の方法を教えてくれるのが、永松茂久さんの「人は聞き方が9割」。
会話は「話す側」と「聞く側」で成り立っています。にもかかわらず、 多くの人が「話す」ということばかりにとらわれてしまい、もう片方の「聞く」ということの重要性を忘れています。しかし、「人は本来話したい生き物」。だからこそ、安心して話せる環境を作れると、人に好かれて、すべてがうまくいく環境を手に入れることができます。
今回は著書「人は聞き方が9割」からの学びを紹介します。
目次
なぜ「聞く人」はうまくいくのか
「ねえ、聞いてる?」問題
女:ねえ、聞いてる?
男:聞いてるよ。
これは、世界中で日々繰り広げられるコミュニケーションの大問題です。この問題の原因は、「聞く」ことに対する解釈の違いです。
上記男性の会話の通り、「話を聞いてる」と言う人の多くは「言葉」聞き、内容は把握しています。しかし、「話を聞いてほしい」人の多くは、その話の奥にある「感情」を聞いてほしい。片方は言葉を理解するために聞く。そしてもう片方は感情を受け止めてほしくて、安心したくて話す。この2つの「目的の違い」が「すれ違い」の原因です。
なぜ、会議では面白くないのか、話しづらいのか
次は、ビジネス現場での会議。多くの人は会議で発言することに抵抗を感じます。それは、以下のように、話しにくい「場」となっているからです。
❶会議参加者の表情が暗い。場の空気も重い
❷発言してもリアクションが薄い
❸「真っ当なこと」「正解を言わなければならない」というプレッシャーがある
否定されるかもしれないという雰囲気では、人は安心して話せません。会議に限らず、合コンでも、聞く側のリアクションが話す側に大きな影響を及ぼします。何を言っても意見が受け入れられる雰囲気があれば、活発に人は発言できます。
人は安心したい、認められたい
上記の2例で見てきた通り、人・集団の間には様々な「思いのすれ違い」があります。人が最も必要としているのは「安心感」です。
マズローの5段階欲求に示されるように、食べたい・寝たいなど生命維持のための欲求「生理的欲求」が満たされたうえで求められるのは、「安全の欲求」。つまり、人は安心感なくして他の感情を満たすことはできません。
また、人は話したい欲求を持っています。これは承認欲求に通ずるものです。
・人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある
・誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している
・それ故、人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる
「聞く力」を磨くと、いいことがいっぱい
人は、安心したいし、認められたい。これを叶えるのが「聞く力」です。
「聞く力」の効果は人から好かれるだけでなく、自分の知らないことを「知る」ことにもつながります。また、たとえ知っている事柄でも、相手の体験・感情・知恵を擬似体験すれば、あなた自身の人生の幅が広がります。「周りの人から学ぼう」という姿勢を持って聞けば、自然と、相手とWin-Win関係が築けるのです。
人に好かれる人の聞き方
「聞く力」は「話す力」よりも圧倒的に取得が簡単です。ここからは、具体的にどうすると「聞き上手」になれるのか、見ていきましょう。
安心できる空間をつくる
なんでも話してもらえる聞き上手になるコツは、「安心感を与える」ことです。人は安心感をくれる人を好きになり、心を開いてくれます。さらに、体がリラックスし、脳が活性化し、本来持っている自分自身の力をも発揮できるようになります。
「人に安心感を与える人になる」ことが、人に好かれ、あなたの人生が開く一番の早道です。
魔法の傾聴 5つのポイント
では、どうしたら、人に好かれる聞き方ができるのか。大事なのは「傾聴」です。耳を傾けて相手の話を熱心に聞くことです。目、耳、体、心 など様々な感覚を使って相手の話を聞くことです。
❶表情 :まずは「笑顔の先出し」を意識
❷うなずき:うなずきに強弱をつける
❸姿勢 :相手に身体を向ける。携帯は脇に置く
❹笑い :一緒になって笑う
❺感賛 :感嘆し、称賛する。驚きを表現する。「わぁ」「へぇ」「ほー」「おー」など
特に大事なのが❺感賛です。相手の話に対する聞く側の驚きの表現です。「わぁ」「へぇ」という反応があると、人は話したくなります。相手に心を開きさえすれば、驚きの表現は口をついて出てきます。
嫌われない聞き方
好かれる聞き方がある一方、嫌われる聞き方もあります。
嫌われない聞き方のコツは、悪気がなくてもやってしまいがちな以下の8つを「やらない」ことです。
❶違う意見の人を否定しない
❷自分の常識を押しつけない
❸話す相手と競わない
❹結論を焦らない
❺答えや解決策をはじめから言わない
❻さえぎらない、話を変えない
❼心を折るツッコミはしない
❼干渉しすぎない
❽「ここだけの話」は絶対、人に言わない
正論を突き付けて相手を否定したり、自分の常識を押し付けてマウンティングしてしまう行為は、結構、やってしまいがちです。また、「否定語」が多い会話はどうしても、場の雰囲気が悪くなります。使用は控えましょう。
「また会いたい」と思われるために
聞き方において、大事なのは「スキル」より「メンタル」です。
聞く力に大事なのはスキルより「メンタル」
実は人の話を聞くに当たって、スキルはそれほど重要ではありません。大切なのはメンタル、つまり「聞く時の心の在り方」です。
社会的なポジションや損得勘定で、相手への態度を変える人がいます。こういう方は、利害関係がないと判断した人に敬意を払いませんし、関心を持ちません。これでは、聞き上手には絶対になれません。
どんな立場の相手にも「敬意」を払うのが基本。そのうえで、「好奇心」を持って接すれば、それは相手に伝わり、心を開いてくれます。一見小さなことでも、好奇心を持てば自然とリアクションも生まれます。それが、より多くの会話を生み、気づきや学びにつながります。
また会いたいと思わせるキラーワード
「また会いたい」と思ってもらえる人になるためのキラーワードは、「そうだよね、わかるよ」という言葉です。つまり、「共感」です。
寄り添いの言葉は、ただ安心を与えるだけでなく、相手の心を開き、相手への好意=好きにつながります。
考え方が異なるときの伝え方
時には、心が通じた相手との会話で「意見の相違」が生じることもあります。こんな時、意見をする上で大事なのは、「相手を思う一言」です。
「貴重なご意見をいただきありがとうございます。いろいろ考えた結果、今回はこの方法で進めさせていただけませんか?」と一言添えるだけで関係悪化は防げます。相手が、目上の方なら、さらに続けて「ここからもご指導よろしくお願いします」と添えれば、礼儀正しさも伝わります。
こうした配慮があるだけで、あなたはしっかりと筋を通す信頼に足る人になり、周りを敵にせず、人間関係を円滑に進めることができます。
最後に
今回は、永松茂久さんの著書「人は聞き方が9割」からの学びを紹介しました。
現代社会では、SNSに承認欲求を求める人がたくさんいます。しかし、それより大事なのは、「身近な人」「大切な人」の話を聞くことです。自分に関心を持ち、話を聞いてくれる人が一人いるだけでも、人は救われます。
聞き上手ですべてはうまくいく!
日々の生活で、もう少し話し方に気を配ってみたいと思います。
合わせて読みたい本
ビジネス現場において上司の傾聴力をUPさせるために参考になるのが以下の本です。合わせて読むと、より「傾聴」のポイントがクリアになります。