メール、検索、地図ソフト、SNSなど、様々なサービスが無料で提供される昨今。
デジタル革命は資本主義の常識を覆しつつあります。

今、資本主義に何が起こっているのか、そして、デジタルを中核とするデジタル資本主義で我々個人の生活、社会構造はどのように変化しているのかを明らかにしたのが、本書。

早すぎる技術革命についていけない人が多数いる中、我々の生活や価値観がどのように変化しているか明らかにしつつ、さらに今後デジタル社会で大事になることを教えてくれます。

大事とされていたことがガラッと変わりつつある今のデジタル社会の変化に乗り遅れないために、読んでおきたい一冊です。

経済成長鈍化するも主観的な生活レベルは上昇する不思議

低空飛行を続ける日本の経済成長。一方で、個人レベルでは、昔に比べて生活レベルが向上したと感じている人は多いのではないでしょうか。

一見すると矛盾する事象です。これは、なぜ起こっているのでしょう?

理由は、ずばり、AIやIoT等によるデジタル革命が従来の資本主義をも変えているからです。

限界費用ゼロ社会

限界費用ゼロ社会とは、デジタル技術の進歩により、モノやサービスを生み出す限りなくゼロに近づき、やがては多くのモノやサービスは無料(フリー)になる社会。

別の言葉で表現すれば、「生産性や効率性が極限にまで高まった状態」です。

さて、ここで資本主義のパラドックスが生まれます。

モノ・サービスがフリー化すれば企業は儲からず、また、生産性や効率性が究極まで高まると労働力はいらなくなり、これまでの資本主義は衰退を免れません。

その結果、登場するのがデジタル資本主義です。

デジタル資本主義とは

デジタル資本主義は大量の労働力を必要としません。故、新規参入企業は非常に少ないスタッフで事業が運営されています。

また、効率化の結果、モノは「所有」から「シェア/アクセス」して使うシェアリングエコノミーが台頭。消費者のニーズも大きく変貌しています。

変わる間関係~「企業」から「コミュニティー」へ

シェアリングエコノミーの台頭と共に、人間関係も変化。従来強固だった地域や会社での人間関係、つながりが弱くなる一方、新たな人間関係やコミュニティを求めるニーズが生じています。

これからの時代、人は何にお金を支払うのか

さて、モノを所有するニーズが減ってしまうと、人は何にお金を使うのでしょうか?そもそも使わなくなってしまうのでしょうか?

キーワードとなるのは、「時間」、「こだわり」、「信頼」

時間を買う
こだわりを買う
信頼を買う

人は、あるモノ・サービスがどうしても必要だといった場合、高くても利用します。また、同じ商品でも、「今すぐ」に応えてくれるなら、高くてもお金を出します。

一方で、今そのモノやサービスを持っており持て余している人と求める人をつなげるマッチングサービスをを利用すれば、たとえ個人であっても、顧客のカスタマイゼーションニーズを満たすことで、利潤を得ることもできるのです。

このような中で、デジタル資本主義時代には信頼を構築する基盤も変化するのは必然です。

Chamiの感想

労働・消費という観点からはデジタル資本主義について詳細に分析されているのですが、仮想通貨を軸とする「デジタルマネー」が変える社会についての分析がないのはちょっと残念。

ただ、いろいろな気づきがあります。

これからは、「企業」ではなく「個人」や「コミュニティー」の時代。
できる個人が自ら発信し、信用力を得て、影響力を持っていく一方、自分で動けない人、発信できない人には、より厳しい世の中になると認識し、将来に備えることが大事そうです。

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