【書評/要約】お腹やせの科学~脳をだまして効率よく腹筋を鍛える(松井 薫 著)(★3.5)

お腹の出っ張りをどう解消したらいいのか?

この悩みを持ちながら、頑張ってみてもたいした効果も出ず、あきらめてしまっている人、多いのではないでしょうか?そんな中高年のために、「脳をだます」腹筋強化法を伝授してくれるのが本書です。

そもそも、なぜ、多くの人たちが、腹筋をうまく鍛えられず、お腹太りを解消できないのでしょうか?

その理由を著者は、「いわゆる一般的な腹筋運動では、足・首のトレーニングにはなるものの、鍛えたい腹筋群にピンポイントで負荷をかけることはできない」と説明。それ故、毎日かなりの回数をこなさねばならず、故、継続の意思が萎えて目標が実現できないのだと解説します。

そこで、本書で著者が提案するのは、「アイソメトリック運動」+「イメージング」による「スクイーズ(絞り込み)トレーニング」です。

お腹やせ以外にも、全身の部位毎のトレーニング法が図解で載っており、自分が気になる箇所のトレーニングから気軽に始められるようになっています。トレーニングも基礎的なもので、時間もさほど要しません。必要最小限の説明が簡潔にされており、初心者の入門書としても十分な価値があります。

なぜやせるのに、なぜ筋肉が重要なのか?

1日のエネルギー消費の60~70%を占める基礎代謝の大部分を担っているのが「筋肉」。故、筋肉量が少なければ基礎代謝が上がらず、ダイエットもうまくいきません。

タンパク質が足りないと、筋肉が減っていく

筋肉をつけるためにはタンパク質が必須です。タンパク質が欠乏すると、人間の体はタンパク質の同化作用で修復・形成されたせっかくの筋肉を切り崩し、そこからタンパク質を補給しようとしてしまいます。さらに、栄養不足となると骨のタンパク質までエネルギーに変えようとします。しっかりタンパク質を取りましょう。

筋トレが先、有酸素運動は後

筋肉を効果的につけるためには、有酸素運動の前に筋トレを行うことが大事です。筋トレにより成長ホルモンができると、脂肪の分解・燃焼が高まり、有酸素運動による脂肪燃焼効果がはるかに高まるからです。
また、筋トレには集中力が何よりも必要。鍛えている筋肉の収縮を意識して行った方がより効果的で、怪我も減らせます。

本書提案、「スクイーズ(絞り込み)トレーニング」とは

本書提案の筋トレとは、「スクイーズ(絞り込み)トレーニング」とは、「アイソメトリック運動」+「イメージング」を組み合わせたトレーニング。

アイソメトリック運動とは、筋繊維が収縮したまま、長さを変えずに筋力を発揮する運動ですが、これを逆複式呼吸&イメージングを行いながら行います。人間の身体というのは、イメージを持つ=脳をだますことで思った以上の力を発揮そうです。

具体的には、お腹痩せの場合は、お腹を缶に見立ててそれを上下につぶすようなイメージを持ちながら、腹部へパンチを堪えるときに行うような腹圧を5秒間かけるトレーニングです。この脳をだます「お腹絞り5秒」筋トレの負荷は、通常の腹筋の100回分程度の負荷に相当するので、少ない回数・時間で同じ効果が期待できます。

なお、笑顔を見せながらも、前進の筋肉を極限までスクイーズさせたアイソメトリック運動を行っているボディビルは脳をだますスポーツなのだとか。筋トレのイメージがわきましたでしょうか?

お腹以外にも、腹、お尻、腕、足の筋トレ方法がわかりやすくイラスト付きで紹介されています。私も頑張って、筋トレしてみたくなりました。