【書評/要約】たった1日で声まで良くなる話し方の教科書(魚住 りえ 著)(★4) ~話し方のコツで商談・プレゼンでの勝利を勝ち取れ!

「どんなことを話すか」よりも「どんな話し方をするか」、それが最も大事だ。

と述べるのは、元日本テレビアナウンサー、現在はプロのフリーアナウンサーとして活躍する魚住さん。例えば、ビジネスの大事なプレゼン・商談でも、「話し方・伝え方」が顧客からの「OK」をもらえる重要な要素です。

大事な「声・話し方」ですが、多くの人は、自分の話す内容そのものに原因があると思っていたり、あるいは、自分の声や話し方に悩みを持っていてもなかなかそれについて学ぶ機会がないのが現状です。

本書「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」で、魚住さんは、「声」「話し方」「会話のコツ」の3本柱で話し方を劇的に変える「魚住メソッドを」大公開。「話す内容」ではなく「声」や「表現方法」に特化したメソッドで、トレーニングをすることで誰でも確実に話が上手になる方法を紹介しています。

今回は、「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」で紹介されるメソッドの要点を紹介します。

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「声」を変えれば印象が変わり、「話し方」を変えれば人生が変わる!

初対面では、第一印象が大事!初対面の印象は「5秒」で決まる!

相手への第一印象を良くすることは、その後の人間関係を築くうえで大きなポイントになることはよく知られることで、多くの方が、初顔あわせ、商談、入社・転職面接などで、身だしなみや清潔感、表情や美しい姿勢など、第一印象に注意を払っています。しかし、何かを面接・商談など、何かを勝ち取ろうとしたとき、これだけでは不十分です。

話し方の重要性

「あの人はいい感じ」と思わせる要素として、どんな声でどんな話し方をするかによるところが非常に大きいことを、あなたはどれだけ意識しているでしょうか?

伝えたいという思いだけでは人の心はつかめません。その場に適した声で、伝わる話し方ができるかで、あなたの印象が変わり、仲間が増え、ひいては人生が変わります。

声・話し方でプレゼン・商談の結果も異なる
声・話し方でプレゼン・商談の結果も異なる

プレゼンのプロも指摘

伝え方の大切さについては、著者だけでなく、2020年東京オリンピック・パラリンピックを決定づけた日本のプレゼンテーションを指導したマーティン・ニューマン氏も以下のように発言しています。

完全なスピーチでもデリバリー(伝え方)がまずければ、結果は散々。(略)
デリバリーが人に与えるインパクトは、それ以外のインパクトよりもよっぽど大きい。

いい声には「腹式呼吸」が大事

「声」は相手の印象を大きく左右します。いい声に大事なのは腹式呼吸です。

腹式呼吸の仕方

腹式呼吸は、以下のように行います。


❶背筋を伸ばし、鼻からゆっくり息を吸い込む
このとき、丹田(おへその下)に空気を貯めていくイメージでおなかをふくらませます。

❷口からゆっくり息を吐き出す
お腹をへこましながら、体の中の悪いものをすべて出しきるように、そして、吸うときの倍くらいの時間をかけるつもりで吐くのがポイントです。

腹式呼吸による発声の仕方と効果

腹式呼吸をしながら、以下のことを意識して発声します。

腹式呼吸による発声法

1.肺にたっぷりと空気を入れる(=たっぷりと吐き出す)
2.(口をきちんと開けるなどで)きちんと共鳴させる
3.(舌や顔の筋肉を巧みに動かすことで)滑舌よく言葉を発する

腹式呼吸をしていると外見的にも「落ち着いた雰囲気」に見えます。
話し方のイメージは「声の高さ×スピード」で決まります。シーンに応じた使い分けが大切です。
本書内には、「一番聞き取りやすい声」を見つける」方法や、滑舌トレーニングなどについても解説されています。

何が人の心を動かすのか?

それでは、声・話し方の何が「人の心」をうごかすのでしょうか?

人を魅了する「スピーチ」に大事な3つのポイント

人を魅了し心を動かすスピーチには、「強調」「抑揚」「メリハリ」のがあります。

うまいスピーチを行うコツ

・言いたい部分が上手に強調されている
・ほどよい抑揚がある
・全体像をつかんでいてメリハリがついている

スピーチ力をUPする「朗読トレーイング」

上記スキルをアップさせるために大切なのは、「朗読トレーニング」です。

朗読トレーニング

1.黙読で何が言いたい文章なのか、頭の中をウォーミングアップする
2.強調したい場所をマークする
3.音読してみる

上記を行うことにより、「言葉の反射神経」がよくなります。これにより、「適切な言葉をスピーディーに選び出す能力」「ミスせずに声を出して読み続けられる集中力」「ボキャブラリー形成」にも役立ちます。

理想の話し方を手に入れるには、「マネ」が効果的!

スポーツと同じように、話し方においても、自分にとっての「理想の話し方」とは何か「目標設定」することが大事です。このための上達の一歩はマネをすることです。

理想とする人が思い当たらない人は、以下の方が参考になります。Youtubeの映像を利用して勉強するのがお勧めです。

池上彰さん

誰もがそのうまさをご存知ですよね。

小泉進次郎さん

政治家の中でもスピーチがピカ一。スピーチに会話のような自然さもあります。
・強調したいところを「高く」「大きく」「ゆっくり」話す
・一文一文が実に短く簡潔
・助詞を上げない
・身振り手振りを積極的に使う

石破茂さん

いつもは低く静かにしゃべるイメージがあるが、演説は「静」ではなく「動」

ジャパネットタカタの高田明さん

実は、テレビと普段が全然のしゃべり方が全然違います。

SMAP中居さん

司会者として力を数々のTV番組に出る中居さん。どんなに忙しくても、司会に当たり、出演者のプロフィールを事前に読んでから番組に当たっているのが、うまさの秘訣です。

ダウンタウン 松本さん

非常に相手の話をしっかりいているからこそできるボケが秀逸です。

ミッシェル・オバマ

2008年の米民主党全国大会でのスピーチが秀逸。最初は高く、真ん中はすこし低めで、最後は力強く締めるが徹底されている。

最後に

今回は、魚住りえさんの「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」のポイントを紹介しました。

合わせて読みたい本

以下の本も非常に大事な「伝え方のコツ」が学べる大ヒット本。マンガ版もある人気本です。

書評も書いているのでよかったらどうぞ