世の中には「資本家」と呼ばれる人がいますが、どんな方かイメージが付きますか?
多くの人は、資本家とは投資家や経営者のことで、自分とは全く関係のない世界の人たちだと思った方が多いのではないでしょうか。
しかし、著者の三戸政和さんは、「資本家は、投資家や経営者とは異なる。好きなことを、好きな人と、好きなようにやる人だ」と定義し、サラリーマンも資本家の考え方=資本家マインドセットを持つことがとても大事だと提案します。
著者の三戸さんは、元々はサラリーマン。著書「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」など、サラリーマンに単に雇われるだけでない新しい生き方を提案されてきた方です。本書でも、物価上昇、老後不安、天災、人災など、不安多き世の中でも、強く生き抜くための考え方を教えてくれます。
今回は著書「資本家マインドセット」から、不安多き時代を生きるためのマインドセットについて、学びを書評としてまとめます。
目次
資本家とは何か?
普通の人にとって、遠き存在に見える、資本家。いったいどのような人なのでしょうか
資本家と普通の人を分つもの
時間は誰にとっても有限です。1日24時間、1年365日しかありません。
しかし、現実には、同じ1年間で、300万円しか稼げない人もいれば、3億円稼ぐ人もいます。
では、3億円稼ぐ人は、300万円の人の100倍動いているかと言えば、そんなことはありません。実際には3億円の高所得者よりの方が、年収300万円の会社員の方が働く時間が少ないケースは散見されます。
では、両者は何が違うのでしょうか?
その答えは、お金のルールを知っているか。そして、お金を生む「仕組み」を作ることができるかです。
資本家のルール、サラリーマンのルール
サラリーマンと同じ労力で、数十倍どころか数百倍以上の結果を手にするのか資本家。
理由は簡単。
資本主義のこの世界では、ゲームを資本家に最も有利に働くルールになっているからだ。
サラリーマンの働き方は、基本的に「人(自分) が動く」「足し算の働き方」です。有限の時間を切り売りだから稼ぎが爆発的に増えることはありません。
これに対して、資本家は、稼ぐ仕組み=人を働かせる「かけ算の働き方」で同じ時間でお金を何倍にも増やします。
「資本家」は投資家と経営者とは異なる
ここまで見てきて、資本家とは結局のところ、投資家や経営者など、人を使える立場の人・資産を持っている人と思ったかもしれません。しかし、三戸さんが提案する「資本家」という存在は、「資本家」とも「経営者」とも異なります。
株式投資などで、売買益や配当を得る存在は、「資本家」ではなく「投資家」です。
また、株式会社では、制度上、「資本」と「経営」は切り離されています。「資本家」は現場を「経営者」に任せており、2つの立場は異なります。
資本家とは何か?
では、三戸さんが提案する「資本家」とはどんな仕事をする役回りの人なのでしょうか?
資本家の仕事は、「お金を生む仕組み」を作ることです。
資本家になるために資産は必ずしも必要ありません。「お金を生み出す仕組み」をもとに、多くの人に賛同してもらうことでお金を生み出す(投資してもらう)こともできるからです。そして、さらに儲けたお金は貯め込むのではなく、次の事業にどんどん使っていく。
こうして、「お金を生む仕組み」を作ることで、自分の自分のやりたいことを次々と実現する働き方。それが、「資本家の生き方」です。
そもそもお金それ自体には、何の価値のありません。「人はお金だけでは幸せになれない」ことは、様々な研究で明らかになっています。収入が増加することで気持ちが幸せになれるのは、800~1000万円が上限であり、これ以上は「幸福度」は幸福度は上がらなくなります。
三戸さんからサラリーマンへのアドバイス
三戸さんは、今のサラリーマン制度は「幕末の武士」みたいな段階にあると言います。
戦後の日本はどうして大量のサラリーマンを必要としました。そういう時代に企業が求めたのが、会社に忠誠心を持って、決まった給料で定年まで猛烈に働いてくれる人材でした。つまり、「生涯サラリーマン」です。
しかし今はそんな時代ではありません。
「働き方改革」というと聞こえはいいですが、実態は「雇い方改革」であって、いらない人材は切り捨ててくのが今の流れです。そんな時代には、会社を飛び出し、自らを変革していく気概が求められます。
しかし、会社を飛び出すのは簡単にできることではありません。副業・独立・起業を始めるにしても、「継続」できなければ意味がないからです。
だから大事なのは、「お金より、好きなこと」。「好きなことを、好きな人と、好きなようにやること」です。
日ごろから、好きなことを軸に、自分には何がでかいるのか?収入が得られることはないだろうかと考え、自分を変えていくことが今後のサラリーマンには求められます。
投資家マインドセット10か条
私たちは、副業・独立・起業というと、どうすればやれるのかという「手段」「方法」ばかりに目が向きます。しかし、変化の激しい時代の中では、手段・方法は一過性となることも多い。
むしろ重要なのは、「資本家としてのマインドセット」です。
方法・手段だけでは、資本家としてい続けることは難しい。日ごろから、資本家マインドセットを持って、自分を変化させていくことが大事です。以下は最終章に紹介されている「資本家マインドセット10カ条」です。
❶「自分の時間」だけで生きる
❷始動前のアイドリングをなくす
❸スケジュールを「他人の時間」で埋めない
❹そのスーツのネクタイは本当に必要か?
❺その名刺は本当に必要か?
❻何時まで定時出社を続けるのか
❼インパクトの大きいお金の使い方をする
❽好きなことをやりたいことを仕事にする
❾遊び偏差値リストを作る
❿声を大きく!
ちなみに私は、サラリーマンを辞めましたが、【❶「自分の時間」だけで生きる】、その裏返しとして、【❸スケジュールを「他人の時間」で埋めない】を辞めたことで、幸福度が格段に上がりました。今は、毎日が楽しい。そして、これを実践できたのも、多くの本の学びがあったからと確信しています。
最後に
今回は、三戸政和さんの「資本家マインドセット」からの学びを書評紹介しました。
私たちは、近視眼的にすぐにそれを実現するための方法・手段ばかりを追い求めます。しかし、変化の激しい現代においては、むしろ、そのベースとなる心構え=マインドセットが大事です。
是非、本書を実際に手に取って、重要な教えに触れていただきたいと思います。
三戸さんの本「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」の書評紹介で、本記事を締めくくりたいと思います。こちらも、是非、購読をおすすめします。