ネットバンキング用に絶対持っておきたい楽天銀行口座。
振込手数料なども条件クリアで複数回タダ、楽天ポイントがたまるなど口コミ評判も良いので、メインの銀行口座としている人も多いのではないでしょうか。
さて、楽天銀行口座利用をしていると、時折、以下のような外貨定期貯金の特別金利キャンペーンのご案内が届きます。
●●様に、外貨定期預金 優遇金利の適用をお知らせいたします。
【対象者さま限定】豪ドル金利が通常の2倍!
豪ドル(オーストラリアドル) 14日もの
通常金利 年6.00%(税引後 年4.781%)
👇2倍
適用優遇金利 年12.00%(税引後 年9.562%)(円から預入時のみ)
2021年08月16日から2021年09月02日までの限定金利!
「外貨定期預金 14日もの」とは、定期への預け入れ期間が超短期の14日間(2週間)の外貨定期預金のことですが、いくら短期間の優遇金利とはいえ、金利が2倍の年12%はとても魅力的に見えます。
でも、この豪ドル 外貨定期預金は、本当にお得で、利用すべきキャンペーンなのでしょうか? 落とし穴はないでしょうか?
高金利外貨貯金に飛びつく前に、100万円を貯金したらどうなるか、外貨預金の満期シミュレーションで確認してみることにしましょう。
目次
現在の豪ドル円レート(長期チャート確認)
豪ドル円の外貨定期をする場合、まずは、長期で豪ドル円がどのような推移をしてきたか、理解することが大事です。
現在の豪ドル円チャート
現在の豪ドル円の状況(2021年8月18日時点)
目下、豪ドル円は、最高値85円ミドルをピークに下落トレンドにあります。一つの節目である80円を割りこみ、年初来安値を更新しています。
きりのいい数字を割り込んだことで、一旦反発の可能性もあるものの、感染力の強いデルタ株の感染拡大、アフガニスタンでタリバン勢力がほぼ全土を掌握など、リスク要因もあり、短期的に資金がどこに流れるか読むのは難しい状況にあります。
また、世界景気を握るのは米国ですが、8月26-28日のジャクソンホール会合でテーパリングについて言及するかも、読みが難しいところです。
豪ドル金利12%定期(2週間)の利益シミュレーション:前提
さて、それでは、楽天銀行の豪ドル金利12%の預入がお得か否か、「預入時と満期時のレートが同じ」と仮定して、シミュレーションして確認してみることにしましょう。
まず、金利計算に利用したのは、じぶん銀行の外貨定期預金シミュレーター。
最低預入期間が1ヶ月までしか選べないので、金利12%で1ヶ月預入でどうなるか、楽天銀行 特別金利外貨預金の満期シミュレーションをしてみます。
楽天銀行外貨定期預金シミュレーションの前提条件と留意点
外貨定期預金シミュレーションの前提
現在の為替レート水準をもとに、100万円を円貯金から豪ドル定期(金利12%)に1ヶ月預入、満期時の為替レートは預入時と同じとします。
預入時の為替レート
1豪ドル円=79.5円(TTS)
円⇒外貨貯金にかかる為替手数料
楽天銀行の場合、為替手数料が片道45銭かかります。つまり、往復で90銭の為替差損が生じます!!
楽天銀行 為替コスト
豪ドル金利12%定期(2週間)の利益シミュレーション:結果
楽天銀行 特別金利外貨預金のシミュレーション結果を【結論】から発表します。
豪ドル1週間定期金の場合、90銭を差し引くと、利益は出ない(損する)。
為替が下落方向に変動すれば、すぐに利益は吹き飛ぶ。
一方で、銀行だけは金利手数料により得をする。
預入期間1ヶ月としてシミュレーションしたとしても、預入時と満期時の為替レートが同じなら、為替手数料(往復90銭)の手数料が利息を上回ってしまうため「利益」が出ません。実際には預入期間が2週間なので、マイナスがもっと大きくなります。
豪ドル円が反転上昇する可能性がないわけではありませんが、今の環境ではリスク・リターンを考えたときに、リスクの方が大きいと言えます。
計算入力値
計算結果
損益分岐点
銀行は手数料ビジネスです。キャンペーンに飛び乗ると、損するケースもあるということです。
そんなあなたは、銀行に近づいてはいけません。
楽天証券経済研究所の客員研究員の山崎元さんは、ご自身が金融機関にお勤めながらも、ご自身の複数の著書の中で銀行、及び、銀行の扱う金融商品に安易に近づいてはいけないとズバッと言い切っています。その理由の詳細は以下の記事にてご確認を。
代わりになる運用方法はないのか?
それでは、短期~中期~長期投資に向く外貨投資方法はないのでしょうか?
目次
運用先を銀行に固執するな!他に目を向けてお金を増やそう
さて、では、手元に100万円などまとまったお金がある場合、どのように運用したらいいでしょうか?
残念ながら、国内預金預金・定期預金では、空前の超低金利の現状にあっては、3年、5年といった定期預金であってもお金は増えません。また、少しは金利がよい外貨定期であってもドル円の場合、3年定期で1.5%未満といった具合です。
私のご提案は、「お金は銀行に預けて増やすもの」という概念を捨て、銀行以外の預け先・投資先を考えてみることです。
リスクとリターンは比例するため、リターンを上げたければリスクも上がりますが、それでも、リターンの割にリスクを押さえられる投資先はあります。
以下では、銀行以外の預け先候補として、3つの方法を紹介します。
①外貨定期の代わりに、レバレッジ1倍の「FX」
②貸して増やすミドルリターン投資「融資型/不動産型クラウドファンディング」
③非課税投資「iDeCo」と「NISA」
①外貨定期の代わりに、レバレッジ1倍の「FX」
銀行での外貨貯金をお考えの方の多くは、FXは危険で怖いと思っている方も多いかもしれません。しかし、使い方次第でそんなことはありません。
FXでレバレッジ1倍で投資すれば、外貨貯金とリスクは全く同じ(為替差益は同じ)です。
その上、
・為替が変動と感じたら、平日はほぼいつでも反対売買(売却)ができ、
・実質的な為替手数料であるスプレッドは劇的に狭く、
・金利利息に相当するスワップポイントもつきます。
わずかな期間しかつかない「特別優遇金利」に期待するより、狭いスプレッドやいつでも売買できるメリットの方が大きいです。
為替手数料(スプレッド)比較
金融機関 | LINE-FX | SBI FXTRADE | 楽天FX | 楽天銀行 |
---|---|---|---|---|
会社の特徴 | LINEの FXサービス | SBI系 FX専用取引会社 | 楽天証券の FXサービス | 楽天銀行の 外貨サービス |
ドル円 | 原則 0.2銭 | 0.17~0.27銭 ※1,000通貨までは 0.09銭 | 0.20銭 | 25.00銭 |
豪ドル円 | キャンペーンで 0.30銭 | 0.40銭 | 0.60銭 | 45.00銭 |
手数料を抑えることは投資の鉄則です。特に、短期投資をする場合は、為替手数料が大きくリターンに影響します。必ず、スプレッドの小さい口座を利用して投資をしましょう。
なお、LINE-FXでは、口座開設+1取引で最大5000円、さらに取引量に応じて最大50,000円、最大合計55,000円相当お得になるキャンペーンを開催中です。
②貸して増やすミドルリターン投資「融資型/不動産型クラウドファンディング」
クラウドファンディングとは、資金を求める企業と余剰資金を持つ投資家をつなぐ仕組み。
その中でも
・「融資」でお金を貸す「融資型クラウドファンディング」
・不動産案件に出資し分配金などを得る「不動産型ウラウドファンディング」
は、新しい資産運用の形として、投資規模も急拡大しています。お金を資金を必要としているプロジェクトに貸し付けることでリターンを狙うミドルリスク・ミドルリターンの投資方法です。
値動きの心配一切なし。投資案件を見極めてしまえば、後は期日が来るまで「ただ待つ」だけの投資で、満期になると資金が利息付きで戻ってきます。外貨預金・株式・FXに比べて忙しいビジネスマンでも投資がしやすく、6%の運用も不可能ではありません!
私がよりリスクを抑えて投資するために確認しているポイントは、以下の記事にまとめてあります。
Amazonギフト券がもらえるキャンペーンも多いので、まずはこれらをもらって情報収集、知識を貯めつつ案件探しをすれば、実質的な利回りもUPにもつながります。
③非課税投資「iDeCo」と「NISA」
優遇金利&節税しながら投資をするなら、「iDeCo」と「NISA」。まだなら、①②の投資法よりも先に始めるべきものです。
投信ブロガーが選ぶおすすめの投信、および、私が実際に積み立てている銘柄については、以下の記事で紹介しています。
NISAならクレカ投信積立を利用して積立ることで、ポイントが付くので実質利回りもUPします。今、クレカ投信積立で一歩リードは「マネックス証券」です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
楽天銀行の特別外貨高金利金利キャンペーンは、利用者にとっては必ずしもお得なわけではなく、むしろ、銀行の手数料商売獲得のための商売であることがお分かりいただけたかと思います。
ただ、利用者は正しく賢く利用すればいいだけの話。
本記事の後半では、楽天の各種サービスを利用して、実質的な税金を安くする方法を紹介しましたが、楽天を総合的に利用すると得なことがおわかりいただけたかと思います。
是非、賢い消費者でいられるよう、コツコツお金の勉強に励んでください!