世界を席巻するGAFA
ご存じない方のために説明すると、GAFAとは、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社のこと。
21世紀の「石油」とも言われる「データ」を牛耳る4社。まさに、データは、過去の石油と同じ「金のなる木」であり、それを武器に成長を続けています。その結果、4社の株式時価総額は専門的な数値になっています。
しかし、今、世界の大企業となったGAFAに対する規制の動きが続出。「個人情報を握り、独占的な支配力を持つ4社は、社会に悪影響を及ぼす」といった批判が噴出。
中には、「私が米国の大統領になったらGAFAを解体する」。そんな公約を掲げる政治家まで登場。最近、時折、ニュースでも耳にするエリザベスウォーレン上院議員です。
かつてのマイクロソフトがそうだったように、解体論まで飛び出す現状では、4社の行動が制約を受け、勢いは間違いなく削がれることになります。そして、次に出てくるのが、次なる覇者となる企業なのです。
本書では、GAFAの次を狙う革新的企業100社を2ページ程度で紹介。どのような企業が力をつけてきているのか、世の中の動きを把握することができる1冊です。
時価総額ランキング(2019年9月末現在)
本書で触れられているわけではありませんが、現在の世界の世界の時価総額ランキングを確認した結果が以下です。
企業名 時価総額 $10億
1 マイクロソフト 1,061.551
2 アップル 1,012.161
3 アマゾン 858.678
4 アルファベット 845.993 ※google
5 バークシャー・ハサウェイ 509.730
6 フェイスブック 508.053
7 アリババ 432.634
8 テンセント 407.753
9 JPモルガン 407.753
10 ジョンソン&ジョンソン 341.455
上記の内、No.7 No.8の中国を除いてすべては米国。日本はNo.43にトヨタがランキングするのみです。
ランキングを見ると、ここ10年の間に台頭してきた新興企業。一気に、「膨大なデータ」を掌握することで、大企業にまでのし上がったことが分かります。
世界の革新企業100社の事業領域
本書では、新しい技術を持つ100社が以下の3点を中心に簡潔にまとめられています。
・技術/ビジネスモデルの特徴
・何が革新的なのか
・成長戦略
ではどんな事業領域の企業が収録されてるのか?
以下がその事業領域を並べたものですが、様々な分野に広がっていることが分かります。
ロボット・IoT、AI、ライドシェア、がん治療、不老不死研究、空飛ぶクルマ、量子コンピューター、ビッグデータ解析、フィンテック、宇宙開発、モビリティ
あらゆる分野で新しい技術が芽生えています。
次のGAFAへの条件
では、次のGAFAに慣れるのはどのような企業なのか?
それは、まずは、GAFAをはじめ、既存の巨大なIT企業が制圧していない新たなフロンティアを探し当てることです。
ただそれがどの企業なのかを見極めるのは大変難しいですね。
日本企業は次の覇者になれるのか?
今、世界には237社のユニコーン企業がありますが、その50%は米国、26%が中国と2国が他を圧倒しています。
日本はAIソフトウェア分野で異彩を放つプリファード・ネットワークス1社しかありません。現在、同社は、トヨタ、ファナック、国立がん研究センターなど、日本を代表する有力企業や研究機関と連携し、ディープラーニング・プロセッサ MN-coreを開発するなど精力的なビジネス展開を行っています。
では、産業の実力で劣るはずのない日本が、ユニコーン企業数では米中の足元にも及ばないのはなぜか?それは、プレゼン能力の低さが主因とされています。
日本企業は、失敗の経験を評価する「米国流」、考えるよりまず動く「中国流」、両方に通じる「口八丁」を見習う必要があると本書は述べています。
最後に:次なるGAFA
かつて日本には、「ソニー」が世界を席巻した時代がありました。しかし、同社はその後、大きく転落、今現在は復活を果たしているものの、過去の勢いはありません。
また、今、10年以上株価が低迷するも再び時価総額ランキングNo.1に返り咲いたマイクロソフトも、OS市場の圧倒的なシェアを背景に競争を阻害したと米司法省に訴えられれ、12年続いた訴訟への対応に追われる中で、同社は勢いを失い、IT業界のリーダーの地位をGAFAに明け渡していました。GAFA企業も同じ道をたどる可能性は大いにあるのです。
次のGAFAは何になるのか?
特に投資をする人なら、次ならGAFAを早く見つけ、投資をしてきたいものです。次の覇者は米国企業とは限りません。世界に広く目を向け、情報収集に努めたいですね。
まずは、本書「10年後のGAFAを探せ」でに取り上げられている100社をチェックしてみてはいかがでしょうか。