【株で勝つ結論】再現性✕資金管理✕心のコントロール の3つを征すること
勝てる再現性のあるパターンを知り、期待値に基づいて、資金管理を徹底したトレードをすること。これが株で勝つための方程式です。
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たくさんのテクニックや知識を勉強しても8割の投資家は勝てません。それは、大事なことをなおざりにして、難しいテクニックや知識ばかりに心を奪われているからです。プロの投資家ほど、売買の手法は非常にシンプルです。
著者の上岡さんは、20年以上、投資の世界に身を置く投資家。経験に基づき、「勝つために大事なこと」をポイントを絞って教えてくれます。
今回は、上岡正明さんの著書「勝てるてる投資家は、「これ」しかやらない」からの学びを紹介します。
目次
なぜ、8割の個人投資家は勝てないのか
8割の個人投資家は勝てていない最大の理由。それは、失敗のメカニズムを理解して、その対策を打っていないからです。それができない限り、安定して利益を伸ばすことはできません。
勝ち続ける投資家は、勝ちやすい相場=期待値の高い相場の流れ(銘柄、トレンド)に集中して投資をしているだけです。握りの人が知っている情報だけが勝敗を分けるほど、株式投資の勝つルールは複雑なものではない、と著者は述べます。
再現性のある「歪み」を利用する
市場には再現性のある「歪み」があります。トレンドライン、上値抵抗線、下値支持線、テクニカル指標(買われ過ぎ・売られ過ぎ指標 RSIなど)もそれらの一つですが、より重要なのはもっと時間軸の長い歪みです。アノマリーや市場のサイクルがそれに当たります。
アノマリー
例えば、30年間のデータを見ると、米国市場は3月、4月に高値を付けて、8月~9月に調整局面を迎え、11月に向けて反動で上がっていく傾向があります。
このアノマリーについては、以下の本が詳しいです。読んでおいて絶対に損のない本です。
金利✕景気サイクル
金利✕景気の4パターンは投資をする上で非常に大事です。この点については、以下の記事を参考にしてください。
常に大衆心理の逆を考える
株式投資の基本は「安く買って、高く売る」。これを実践するには、「大衆心理を読む」ことが欠かせません。価格形成と投資家心理は深い関係があるからです。
投資家は今どの様な心理にあるのかを見極め、そこで「市場の歪み」を見つけること。年に1度あるかないかの急落時は、まさに「市場の歪み」が発生しているときです。買うのが怖い時ほど、買い場なのです。
勝ち続ける投資家の共通点
安く買って、高く売る
「安く買って、高く売る」。そんなことは当たり前。多くの人はそう思うでしょう。しかし、多くの人は、早く 儲けたいという自分の焦りや欲望に打ち勝って、「安く買って、高く売る」を実践できていません。
ごく当たり前のことを守る。これが、投資で勝つための、一番大切な方程式です。投資で勝ち続ける投資家は、こうした誰でもできるシンプルなことを、何度も何度も、気が遠くなるほど積み重ねて、利益を上げています。
自分のミスを自ら気づき、改善する
雰囲気で売買してしまうのは、なぜダメか。それは、「買う・売る判断指標」がそもそもないからです。
再現性のあるルールに基づいた売買を徹底すれば、どこでミスや誤ったトレードをしたか、原因を突き止めるられます。また、再現性のあるトレードで経験を積めば、「うまくいっていない違和感」に気づき、損失が小さいうちに気づき、ポジションを解消することもできます。
誰でもミスはします。ミスを将来に活かすには「ミスの言語化」が欠かせません。言語化できないのは、ミスを誘発するメカニズムと、ミスが起こるまでのプロセスが、突き止められていないからです。
・なぜ、大きく下落して、安くなるのを待たずに買ってしまったのか?
・なぜ、ルールに従ってロスカットできなかったのか?
・なぜ、ネット上の情報を鵜吞みにして、この銘柄を買ってしまったのか?
失敗にも再現性があります。致命的なミスを起こす前に、原因を言語化して、再発防止策とすることが大事です。
経験の積み方・勉強の仕方
株で勝ちたければ、 「勝ちやすさを追求すればいいのであって、不慣れで難しいテクニックをわざわざ使う必要はありません。しかし、多くの投資家は、ネットで情報を見つけては、不慣れな銘柄・方法に飛びつきます。これを正すことが大事です。
・不慣れで難しいテクニックをわざわざ使う必要はない
・勉強は大事だが、難しいテクニックや手法にのめりこまない
・本で勉強する場合は「再現性」に着目する ※どの本にも書かれていることこそ重視する
・勝ち方、負け方にも再現性があると知る
結果が伴わないのには理由がある。それを突き止める
・休むも相場。地合いが悪ければ、売買は休む
休み中に、投資シナリオを考える(次の買い場探しと利確ポイントを明確にする)
・「ラクして小銭を稼ぎたい」という考えを捨てる
再現性を活用した売買、勝敗を分ける資金管理・メンタル管理
投資には一撃必殺のトレード法などは実在しません。しかし、「再現性」はあります。再現性を利用した投資には「待つ」ことが欠かせません。
投資のシナリオを立てる
「安く買って、高く売る」ルールを守るには、過去のパターンをよく勉強し、あらかじめ構築することを、「投資戦略のシナリオを立てる」ことが大事です。
チャートを見ながら「ここで買って、ここで売る」というストーリーをあらかじめ立てた、「売買の型」を作ることが大事です。ここでも「再現性」が大事です
上値抵抗線、下値支持線、トレンドラインなどは、投資のシナリオを立てる上で重要ですが、この場合は、「虫の目線」と「鳥の目線」を持ってチャートを見ることが欠かせません。
再現性を味方にするには「待つ」ことが必須
「安く買って、高く売る」に努めているはずなのに、いつも損を出してしまうなら、それは、安いところで買ったのではなく、安いところで買ったつもりでいる からです。
個人投資家の特権は、「勝てる期待値の高い局面になるまで、辛抱強く待つ」ことができること。これを活かして戦うことが大事です。これを徹底すれば、極限までミスショットは減ります。しかし、多くの人がこれができません。ポジポジ病で資産を失います。
高度な技法やデータ分析は、「勝てる期待値の高い局面になるまで、辛抱強く待つ」先にある応用力でしかありません。
資金管理と分割売買
一発のトレードで大損することはよくあります。これを避ける一つの方法が、「2回~4回に分けて買う分割売買」で、以下のようなメリットがあります。
・このエントリーが正しいかどうか判断できる
・急落しても心の余裕が持てる
・撤退の痛手を少なくできる
大切なのは、最初の試し買い後、自分の手ごたえが合っているか、過去の成功に似たような感覚があるか、を確認することです。この判断を積み重ねて投資を行うことで、投資の判断力もUPします。
損切りのタイミング
損切りは、精神的にも、タイミングを見極めるのも難しいものです。著者は以下の5点に注意していると言います。
❶その銘柄を買ったときと、経済状況はどう変化したか
❷「安値で買って、高値で売る」の基本ルールを守れているか
❸当初の投資シナリオの前提条件を覆す悪材料が出たか
❹当初立てた投資シナリオをもう一度見直す必要があるか
❺世界的な大暴落が起こり、全銘柄が❶~❹に関係なく下落トレンド入りしたか
❺の場合には、金融クラッシュだけでなく、天災、戦争、紛争などの不可抗力な出来事も含まれます。この場合は、一時避難的にすぐに損切りです。
そして、何より、損切りをしないように「安く買って、高く売る」のルールを徹底することが最も大切です。
損切り上手になるコツ
損切り上手になるにはコツは、「負けを認める」ことです。負けを認められず、損失を膨らますと冷静な判断ができなくなります。
また、一方で、損切りの頻発もよくありません。確実に資産を失います。大口機関がよくやるテクニックの1つに「売り浴びせ」があります。このような場面で、惑わされないことも大事です。
2度と同じ失敗は繰り返さない!しくじりメモ
失敗には「再現性」があります。誰でも売買に癖があり、同じようなミスを繰り返します。これを見つけるのに役立つのが「売買ノート」です。
ヒトは「都合の悪いこと」を忘れようとします。それは、悪い記憶は人の脳にいい影響を与えないからです。そのため悪い記憶は脳の奥にどんどんと追いやられます。しかし、それではまた失敗を繰り返します。売買ノートの中の記述でも、「失敗経験」は大事です。
その失敗の中には、「二度と繰り返してはいけない!」と強く思う、心を病む失敗があるはずです。それをマーキングする、ピックアップしてまとめ直すなど、「しくじりメモ」をいつでも見返せるようにしておくことが大事です。
自分が危険な売買をしていると思ったら、しくじりメモを見返すことで、当時と同じ心境、恐怖心を追体験すれば、失敗の頻度は減っていきます。まずは、投資ノートをつけることから始めましょう。
【まとめ】勝てる投資家になるためのポイント
本書でキーワードとなる言葉は、「安く買って、高く売る」「市場の歪み」「再現性」「分割売買(少額から&お試しから)」「投資シナリオ」「資金管理」です。これらをキーに、改めて本書のポイントをまとめます。
・安く買って、高く売るを徹底
・行動を起こす前に、再現性を活かした「投資シナリオ」を持つ
・複数のシナリオを持つ(下がれば下がるほど勝つ、投資シナリオも持つ)
・資金管理を徹底する
・計画⇒実行⇒振り返って、日々、改善!改善力をつける
・売買ノートで負けを振り返る。しくじりメモで恐怖を思い出す。
・衝動的に行動しない
・人の逆をいくことを恐れない
・株価の上昇に浮かれない。メンタルを冷静に保つ
最後に
今回は、上岡正明さんの著書「勝てるてる投資家は、「これ」しかやらない」からの学びを紹介しました。
本書で語られていることは、投資の基本です。しかし、投資家は、基本を忘れ、複雑なことに手を出しがちです。投資の初心者は、もちろん、投資歴が長い方も、改めて自分の投資を見返るきっかけになるはずです。
私も、本書からの学びを「投資成績」につなげられるよう、日々精進したいと思います。
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