【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著)(★4) 我慢は美徳ではない。我慢の奴隷になるな!時間第一で、やりたいことを今すぐやれ!

「我慢は美徳」は、日本人にいまだ多い美徳感。コロナ禍では、多くの日本人がこの旧態依然とした考えをかなりすんなり受け入れ、守りました。

こんな姿勢に疑問を投げかけるのが、堀江貴文さんの著書「破戒のススメ」。

破戒とは、特定の行動を制限する縛り「戒め」を「破る」こと。

島崎藤村の代表作『破戒』は、封建的身分差別が残る明治時代に、父親から被差別部落出身であることを隠すよう戒められてきた主人公が、自分の身分を偽る苦悩を経験した末、自分らしく生きるために、出自を告白し、新たな道を生きる決断をする再生の物語。堀江さんは、我慢を強いる社会、および、それに順応してしまう国民を憂い、無意味な戒めから飛び出そうと呼びかけます。

仕事からプライベートまで、様々な我慢をすることが日常となり、慢性化している日本人に「喝」を入れる一冊です。今回は、本書からの学びを紹介します。

[スポンサーリンク]

堀江さんが生きる上で大事にすること 3つ

【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著):堀江さんが生きる上で大事にすること 3つ

これまで、多数の堀江さんの本を読んできましたが、堀江さんの生きる指針は3つあり、どの本もその指針がベースとなっていると考えています。

その指針とは以下の3つです。

堀江さんの3つの指針

・最も大事なものは「お金」ではなく「時間」
・「自分のやりたいこと」のために生きろ
・今を大事に行動しろ!

人生は刺激的で「面白い」「やりたい」ことであふれている。面白いことを逃したり、チャンスを失わないためにも、とにかく「時間」は大事。時間を無駄にしないもの(手段、知識)を駆使し、思いついたらすぐに動く。

そんな楽しくて充実した人生を送ることが大事だし、大事だからこそ、同じメッセージを、様々な本で訴え続けています。

そして、迎えた新型コロナ感染。ここで明らかになったのは、我慢をすんなり受け入れ、行動をすんなり抑制してしまう、多くの日本人の姿でした。

本当にそれでいいのか?

本書では、❶お金、❷時間、❸人、❹仕事、❹遊び、❺学び の5つのテーマに対し、我慢の奴隷となりやすい日本人に警鐘。我慢の奴隷から抜け出すための44の行動哲学を教えてくれます。

「生きる喜び」について考える

【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著):生きる喜び

堀江さんは、コロナ禍で、様々な我慢を強いる日本の社会に対し、多くの問いを投げかけます。

生きる価値

僕は、みんなに問いたい。コロナの感染リスクと引き換えに、人間の喜びや楽しみを捨て、生き延びることが望みですか? 
ウイルスに怯え、除菌された空間に閉じこもり、ただ「生きる」だけの人生に、価値はあるのですか? 
不要不急は、人間の本質です。

堀江さんは、不要不急を規制し、我慢を強いる社会に、明るい未来があるだろうか? と問いかけます。

個人的には、コロナに関わらず、周りの目、常識に縛られて、自分の幸せを放棄して生きている日本人が多いのではないか。目標も、楽しみもなく、楽しみも追及することも放棄している人が、多い印象があるのですが、どうでしょうか?

これでは、日本は益々、つまらなく、貧乏な活気のない国になってしまいます。また、我慢し、受け身の姿勢で生きると、強制力のやたら高い圧力に抗えず、時間とやる気が搾取される負け組人生が待っています。それでよいのでしょうか?言いわけがありません。  

面白いことに出会えない理由

面白いことに出会えない、と嘆いている人は多いですが、堀江さん曰く、それはルーティンワークやノルマなど、時間管理のマトリックスでいう「緊急で重要なもの」だけに時間を取られているから。

もっと不要不急なものに、意識的に時間を割く。そして、人より多くのことをやってみる。そうすれば自然に情報のアップデートが可能だし、出会う人のレンジも広くなります。

堀江さんが普通の人より面白いものや、稼げるアイデアに囲まれているのは、ムダなことでも、とりあえず「やってみる」好奇心が強いからです。

・つべこべ言わずに、とりあえず「やってみる」。
・やると決めたら、後回しにしない。
・つまらなかったらやめたらいいし、続けたければ没頭する。
・とにかく「できそうか?」などと躊躇して時間を無駄にしない。

これを愚直にやることが、楽しみにつながります。そして、やってしまえば、必ず何らかの結果が出ます。

大半の人は実行しないから、人生がつまらない

最悪なのは「まあそのうち」と、放置してしまうこと。そして、この最悪を、何年、何十年とやり続けているのが、9割以上の日本人です。

「好きなことを仕事に」と言われるようになって、しばらくたちますが、これを実現できているのは極一握り。これができてる人は、多分、「こう生きなければならない」といったような我慢を強いる世の常識という殻を破っている人たち。まさに「破戒者」と言える人たちです。

最も大事なのは時間

【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著):最も大事なのは時間

人生で最も大事なのは「時間」です。「お金」ではありません。

堀江さんがアップデートを続ける理由

何が一番大事と言われて、時間以外、何があるの?
好きなように行動できる時間は、限られているのだ。「今日と同じだけ明日も動ける」という保証は、誰にもない。

時間とは、人にとって最も貴重な「資源」。だから、堀江さんは、僕は毎日、時間を1秒でも最適化するために、デジタルツールを使いこなし、スキルを持った有能な人たちの助けを得る。他人に任せられる仕事は、他人の手を借りまくります。

未来を考えるな

時間を好きなように使いこなせない人の多くは、未来に怯えていると指摘します。起きもしていない失敗や、批判、リスクに怯えて、金縛りにあっている。

人間にとって最大で確実な恐怖は「100%死ぬこと」。しかし、病気にならないように健康に気遣いもしないのに、タダ、変にリスクを考えておびえている。

時間は、今を充実させるのに使いつくすべき。堀江さんは、今しか考えない「バカ」になれ、とアドバイスします。

Time is Money ではなく、Time is Life。時間とは、命そのものです。「コロナが収まったら…」を言い訳に、すべてを先延ばしているのは、寿命を無駄にしているのと同じです。「負け確定」です。

仕事と遊び

【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著):仕事と遊び

2:6:2の法則

「アリの世界の2:6:2」という有名な法則があります。アリの一群の中で、採食などで勤勉に働くのは2割、6割は巣の清掃など楽な仕事に就き、2割は働かず怠けているという法則です。ここから、怠惰な2割のアリを除くと、誰が指示したわけでもないのに2:6:2に自然と、怠惰組が生まれるというから面白い。

これは、楽していたり、働いていないムダな存在が、組織の秩序を守っているということであり、これは、人間の社会にも当てはまります。人間社会でも「働かない組」は必要なのです。

コロナ禍でムダ認定を受けた「飲食・旅行」の意味・意義

コロナ禍で、厳しい規制を受けたのは、「飲食」や「旅行」といった娯楽。つまり、これらが不要不急ではない「ムダ認定」を受けたわけです。しかし、堀江さんは以下のように問いかけます。

僕たちは、美味しいものを好きなだけ食べて、仲間と語らい、見たことのない遠い場所へ旅することが、生きがいだったのではないか?

不要不急でムダな娯楽が、人の幸せと、巨大な経済市場を築いてきたのは、否定のしようのない事実。

私は不要不急の外出が叫ばれる中、あまりこれを守りませんでした。海外旅行には出かけていませんが、3カ月1回以上は旅行し、人との外食もしていました。故、私はコロナ禍でストレスを感じることはあまりなく、極めて心身ともに健康的でした。やっぱり、この2つは大事です。人生に潤いを与えてくれます。

動き、変化せよ

何もせずとも、時間は無常に過ぎていきます。だから、止まっていけはいけない。堀江さんは次のように言います。

コトを起こしたら、人生は必ず、大きく動き始める。必ずだ。待っているだけの人に、チャンスは来ない。動いた人には、チャンスの方から、つかみやすいベストの速度で飛びこんでくる。これはライフマネジメントの法則。

遊びに乗りだし、遊びにハマることで、成功を強く引き寄せる。損得や後先にとらわれない「没頭」によって、オリジナルの感覚や視点が育つ。それが他人と差別化できる、個性を生み出すのだ。

ビジネスで成功している創業者たちは口をそろえて「好きなことに夢中になっていたら、お金に困らなくなっていた」と言います。嫌なことを我慢したおかげでお金持ちになれた、という人はいません。 「失敗したらどうしよう」と考えないで、好きな遊びに夢中になる。そうした者にこそ、本物の恵みが自然に集まってきます。

多くの本で同じことがうたわれています。

「リスクゼロ」を目指のは思考停止だ

どんなに努力しようが、生きるリスクをゼロにすることはできません。

堀江さんは、「ゼロリスクを目指して行動するのは、時間すなわち命のムダ遣い」といいます。

リスクゼロを目指すのではなく、最小限に抑える工夫をしたうえで、大胆に動くことが大事。以下の本では、「リスクとリターンを天秤にかけて、より勝利に近づく確率の高い決断を繰り返していくのが、勝負事に対する真摯でロジカルな態度だ」とアドバイスされています。

学びと人生

【書評/要約】破戒のススメ(堀江貴文 著):生きる喜び

世の中には、考える手間さえも怠け、思考停止になっている人がたくさんいます。

思考を簡単に手放して、あえて心身ともに負荷のかかる選択を取ろうとする。もしかして我慢そのものが、好きなのだろうか? 日本人は想像している以上に、マゾな人が多いのか? と堀江さんは嘆きます。

リテラシーを養え

知らないことを知ろうとする学びの意欲と、知的好奇心の維持は、大人になっても忘れてはいけません。知識には 「このくらい知っておけばOK」というラインは存在しません。驚異的なスピードで変わっていく社会で、足をすくわれずに進んでいくためには、新しい情報に常時接続していることが大事。リアルタイムでの思考のアップデートすることが必須です。

「自分はまだまだ知らない」という姿勢を持っていれば、新情報を獲りにいくモチベーションは減らず、リテラシーも伸びていきます。本当のリスクを理解するリテラシーは必要です。リテラシーを高めておけば、行き当たりばったりでも、その場その場を何とかする思考は強化されます。

3歳児が最強!

ケガを怖がらない、全身でぶつかる子どものように生きよう! 目指すべき、生き方は3歳児。

赤ちゃんや幼児は、毎日がワクワクの連続。日々、新しいモノに触れ、それを触って確かめ、時には失敗もするけど、それを攻略することを日々楽しんでいます。毎日、自分のおもむくままに楽しく学び、行動しているから、目はキラキラと輝いています。

本来、学びと成長はそういうものです。私は、以下の本を通じて「子供と大人の学びの違い」を知って、なるほどと唸らされました。

必要ではないこと、特に利益のなさそうなことを進んで楽しむ人は、子どもみたいに魅力的です。子どもがなぜ愛らしくて、存在そのものが価値だと思われているのかは、外からの評価や目線にとらわれず、興味のあることにだけ没頭できる「不要不急の行動の塊」だからです。

大人も子どものようにやりたいことを楽しんでいれば、自ずと生きている価値は上昇していきます。その時、達成目標や「今やる必要あるの?」という分別などは必要ありません。やりたいことを今無心に行う図々しさをもち、それを、人と共有していけば、それが勝手に価値を生みます。

最後に:今を大事に

今回は、堀江貴文さんの著書「破戒のススメ」からの学びを紹介しました。

昨今、「瞑想」の重要性が叫ばれますが、それは、過去と未来にある意識を「今」に振り向けることでストレスが軽減するからです。

私たちは、過去と未来を気にしすぎて、動けなくなっています。堀江さんの言うように「もっと今を大事にする生き方」をしたいと思います。毎日が想定通りでは楽しくはありません。想像通り、安心感に満ちた人生は、ケガはしないかもしれないけれど、つまらないものです。失敗も、貴重な失敗体験・糧となって、苦境から立ち直るのに役立ちます。そんな生き方をするべく、日々、動いていくよう、努めたいと思います。