【書評/要約】翼をください(原田マハ 著)(★5) 世界はひとつ!日米のパイロットを巡る壮大なヒューマンドラマ。心震える作品
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世界はひとつ。空は自由。 Freedom in the sky

原田マハさんの「翼をください」の最大のメッセージは「世界はひとつ」であるということ。空はどこまでも自由であり、人々を隔てる国境も存在しないということです。

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本作は、史実をベースにしたフィクションです。

20世紀初頭は、人類が初めて空を飛び、飛行記録の更新に挑んだ時代。ライト兄弟、リンドバーグ夫妻、ハワード・ヒューズなど、勇敢なパイロットたちが、危険を顧みず、飛行距離を伸ばそうと技術力・技量を競い合いました。

中でも本作は、第二次世界大戦の前夜、世界が覇権・領土を争い牽制しあう時代を生きた日米のパイロットたちの史実をもとに、壮大なヒューマンドラマが展開します。

読んでいて、胸が苦しくなったり、感動に涙したり、そして、戦争・平和について考えさせられたりと、様々な思いを抱かせてくれる感動小説です。

今回は、原田マハ さんの小説「翼をください」の感想・面白ポイントを紹介します。



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翼をください:あらすじ

【書評/要約】翼をください(原田マハ 著)(★5)  :あらすじ

※ネタバレを含むので、まずは、純粋に物語を楽しみたい方は読まないでください。

「暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。
翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿が―。 
上巻:「BOOK」データベースより
カンザス州の田舎町に生まれ育ったエイミー・イーグルウィングは、女性として初めて大西洋横断飛行に成功するなど、数々の記録を打ち立てていた。大空を自由に駆けることに魅了されたエイミーは、空から見た地平には国境が存在しないことに気づく。世界平和のために、自分は飛ぶのだ、と。その強い信念はやがて彼女を、世界一周に挑む「ニッポン号」との邂逅へとみちびく。
数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
下巻:「BOOK」データベースより

本作の背景と、モデルとなった日米のパイロット

本書は、21世紀を生きる翔子が、資料室で見つけた一枚の写真の軌跡を追うことで話が展開していきます。

写真が撮影された時代は、第二次世界大戦の前夜。世界各国が自分たちの権益を守るために牽制しあう時代。世界各国は表面的には関係を保ちつつも、その裏では、侵略のための計画が秘密裏に立てられているような状況です。パイロットたちの「世界を飛びたい」という純粋な気持ちとは別に、国はこの技術を軍事転用するべく、情報収集に奔走します。

冒頭で本書は「史実をベースにしたフィクション」と述べましたが、モデルとなったのは日米のパイロットたちです。

翼をください:モデルとなったパイロット

■米国
世界一周にするも太平洋上で失踪してしまった女性パイロット、アメリア・イヤハート
■日本
1939年に世界初の世界一周旅行を果たした毎日新聞の社用機「ニッポン号」の乗組員7名

本書には、誰もが知る歴史の人物たちが登場も登場します。

アインシュタイン
ルーズベルト大統領
山本五十六

歴史好きな方なら、それぞれ、戦争に対する考え方は異なることはご存じでしょう。本作でも、上記の人物たちの考えに沿う形で、登場してきます。絡まり方も非常に面白い。よく研究して書かれていなぁ、と原田さんの頭の良さ、作家としての力を感じます。

翼をください:感想&考えたこと

【書評/要約】翼をください(原田マハ 著)(★5)  :あらすじ

ここからは、私の感想です。

空はひとつ:エイミーの言葉に心揺さぶられる

世界一周にするも太平洋上で失踪してしまった女性パイロット、アメリア・イヤハート

私は本作を読む前に、実在の人物「アメリア・イヤハート」については、知っていました。といっても知ったのはつい最近です。上記画像のピンク枠で囲った女性がイヤハートです。

2022年7月4日放送、NHKの番組、映像の世紀バタフライエフェクト「RBG 最強と呼ばれた女性判事 女性たち 百年のリレー(12話)」で、イヤハートが紹介されていたからです。本放送は、「自由と平等」を求めた女性たちの百年にわたる闘い。先人たちが自由を求めて戦う姿が、次の世代の女性の心を打ち、バトンが渡されていく様がまとめられていました。

私にとっては、「自由と平等」を勝ち取ろうと戦う女性たちの姿、や、100年前には女性には自由と平等はなかった事実に、ひどく心を揺さぶりました。

そして、以下が、「翼をください」からの、エイミーの言葉。

エイミー・イーグルウィングが飛んでいる理由は、たったひとつ。
自由を、平和を獲得するためなのだ、と。
すべての束縛から解放されて、空を飛ぶ。それがどんなに幸せで、心躍り、すばらしいことか。その思いを、私はなんとしてでも世界じゅうの人々に伝えたかった。

空の上では、男も女もない。
アメリカ人も、ユダヤ人も、日本人もないのです。
私たちは、等しく自由なのです。

エイミーが、過酷な環境下で放った上記言葉を、私は、心が締め付けられるような思いで読みました。

ニッポン号:空の上では皆仲間

日本人でありながら全く知らなかったのが、1939年に世界初の世界一周旅行を果たした毎日新聞の社用機で、国産飛行機である「ニッポン号」
WikiPediaによると、軍用機を改造した飛行機で、山本五十六中将の許可で払い下げられた三菱重工業製の九六式陸上攻撃機二一型第328号機が、長距離飛行のために改装され、その機に7人が登場したとあります。

本作では、ニッポン号の乗組員7名が、思いがけない出会いでめぐり逢います。そして、その日本パイロット以上の飛行技術を持つエイミーが、世界一周に挑むニッポン号の夢に加勢します。

最初は、「なぜにアメリカ人がニッポン号に同乗?」と納得できなかった乗組員たちも、エイミーを乗組員の完全なる仲間とみなすように。

空の上では、日本人も米国人もない「地球に生きる仲間」、それなのに「地上では世界の国々が牽制をしあう」そのギャップに、読者は、戦争と平和について、考えざるを得なくなります。

合わせて読みたい、パイロット「サン・テグジュペリの本」

本書を読みながら、思い出したのが、「星の王子さま」で知られるサン・テグジュペリの「人間の大地」と「夜間飛行」です。
サン・テグジュペリは国境を越えて飛ぶパイロットで、アメリア・イヤハートと同じく、空で命を落としました。

「人間の大地」と「夜間飛行」には、飛行機に乗りながら見る大地はどの様なものか、そして、パイロットの純粋な熱い気持ちが描かれており、その内容は本書に通じます。

特にエッセイ「人間の大地」は、大地にに生きる人間とはどんな存在なのか?人間の存在と、世代を超えて紡がれる生きる使命とは何なのか、など、非常に哲学的な内容が方得られており、読者を思考の世界にいざないます。

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戦後の日本の航空産業

大日世界大戦で負けた日本。ゼロ戦をはじめとする素晴らしい航空技術を持ちながら、敗戦後、GHQの指導の下、1945年、日本の航空機の研究・設計・製造などは全面的に禁止され、日本の航空産業は地に落ちました。

第二次世界大戦の最大の戦勝国である米国では、ボーイングが世界最大の航空機メーカーに育ち、世界を飛行する民間航空機のシェアの圧倒的No.1を占めています。同社は巨大軍事企業としても知られています。

一方、日本は航空産業で圧倒的な遅れをとりました。期待された、三菱リージョナルジェット(MRJ)は開発凍結。未完の国産旅客機となりました。一度、先頭集団から落ちこぼれると、もはや再起がないことを、否応なく見せつけられます。

今の日本には、このような産業がいろいろある気がしてなりません。方向性を見間違え、どんどん貧乏になっています…

最後に

今回は、原田ハマさんの小説「翼をください」を紹介しました。ストーリーとして面白いだけでなく、歴史に興味がわくだけでなく、戦争・平和についても深く考えさせられます。
上下巻あると、そのボリュームにしり込みしてしまう方もいるかもしれませんが、ストーリーに引き込まれるので、一気に読めます。そして、読んだ後に、もう一度、読んでみたくなる作品だと思います

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「空の物語」って非常に人を感動させます。

イーロンマスク、ジェフベゾス、ホリエモン… 今、世界の天才たちは「宇宙産業」に向かっています。現在も続く、ロシア・ウクライナ間の戦争でも、大きなカギを握っているのが「宇宙」から収取する「情報」です。

空は、今なおhot🔥。私は、全く空に詳しくないので、もっと、いろいろ世の中の最前線を知りたくなりました。