ネットなどで「論破王」と呼ばれるひろゆきさん。
普通の人ならこんな喧々諤々の白熱討論は勘弁してほしいと思うような場でも、ひょうひょうと楽しんでいる姿が印象的です。
「論破力」とは、説得力のある話し方のこと。相手を言葉で打ち負かすのではなく、敵を作らず、理路整然と言い返すことで、相手にいい印象を抱かせつつ、相手を思い通りに動かすのが賢いやり方です。
本書では、いつも相手に論破されてモヤモヤした気持ちを抱えているビジネスマンにも役立つ「ひろゆきさん流ノウハウ」が多数紹介。論理的な話し方の基本や、便利なキラーフレーズなど、ビジネスシーンから日常まで役立つ方法が学べます。
今回はひろゆきさんの著書「論破力」からの学びの一部を紹介します。
目次
ひろゆき流「論理的な話し方の基本」
議論はひろゆきさんにとって「ゲーム」です。まずは、ゲームに参加するための「論理的な話し方の基本」を紹介します。
ひろゆき流 論破力=説得力のある話し方とは
多くの人は、論破は、議論している直接の相手とのものだと思っているのではないでしょうか。しかし、ひろゆきさんは、議論の場では議論を見聞きしている周りの人への説得力をいかに高めるか/プレゼンするかが大事だと言います。
話している論理や事実がちゃんとしているのと同時に、それを 見聞きしている周りの人たちに、「この人が言っていることは正しいんだ」と思わせるような「印象」を与えること。そのために、議論を聞いている人がどういうタイプの思考パターンを持っているかというところを読んで話をすることが大事です。
「論破したその先」をまず想像する
論破力は「諸刃の剣」です。夫婦ゲンカで相手を論破しても、全くいいことはありません。後で関係がぎくしゃくするだけです。
人生うまくいくこと大事なのであって、論破力はあくまでもその手段にすぎません。相手をやり込めたところで、なんの意味もありません。人を説得するときは論破したその先、つまり、「人生がうまくいく可能性」まで想像することが大事です。
「論破力」という武器を振りまわすと自分もケガをします。基本的に、論破力で「他人の考えを変える」より「自分の考えを変える」方が簡単で、確実で、副作用もありません。あえて武器を使わなければ、「心の余裕」も増えます。
意見を言わずに事実を言う
自分の感情ベースで意見を話しても、説得力のある話し方をすることはできません。「こういう事実がありますよね」という事実ベースの話をすることが大事です。「もっともらしい意見」よりも「事実」の方がだんぜん強いのです。
論破というものは「話し方の技」の問題よりも、「事実ベース根拠を持っているかどうか」の問題です。思い入れが強かったり、当事者意識を持ちすぎると、自分自身(「こうあってほしい」という思いなど)が判断のバイアスとなります。
まずは、「意見」と「事実」を切り分け、事実ベースで話すことを意識しましょう。これだけで、誰でも論破力を高めることができます。
怒らない&相手が怒った時の対処法
議論の場では、「私、頭、いいでしょ」という雰囲気が見え隠れする人がいます。しかし、このような人は足元をすくわれやすいことを覚えておかなければなりません。こういう人は、本人にとって嫌なこと・都合が悪いことを言われると、カチンときて、話に怒りがにじんだり、相手の話をさえぎるように言葉をかぶせてくることがよくあります。
こうなると、聴いている人にいい印象を持たれることはありません。人は怒りの感情にかられると、冷静な判断ができなくなります。多くの場合、冷静さを欠いた発言は、論理性を欠き、説得力が低下します。
また、相手が勝手に怒り出した場合は、変に萎縮しないことが大事です。「おもしれー」くらいに客観的に相手を眺めて、策を練りましょう。議論が紛糾・対立したときは、「じゃあ、どうしたらいいと思いますか? できる方法を一緒に探しましょう!」 という口説き方は割とうまくいきます。
クレーマーの対処法
クレーマーの上手なかわし方は、まるで客の味方のように振舞うことです。クレイマーの味方になって、「そうですよね。そんなことあり得ませんよね」と味方になってしまった方が、ペコペコ頭を下げるよりも、格段に早くおさまることがよくあります。
また、誰にでも好かれたいと思わないことも大事。嫌われてもいいのです。自分が疲弊します。
議論してもしょうがないこと
議論の中には「好き・嫌い」に関するものがあります。 事実ベースではなく、「これが好き」「これは面白い」など、 個人の主観による評価や判断に関する議論は不毛です。「好き・嫌い」の理由を考えるのは有益ですが、好き・嫌いを意見しあっても、それは感情なので争っても時間の無駄です。
観客の心を揺さぶる論破テクニック
前節で論破力を高めるには、目の前の相手と討論することよりも「見ている人に自分をどうプレゼンするか」が大事とのひろゆきさんの指摘がありました。では、どのように観客の心を揺さぶったいいでしょうか。
「かわいそう」と思われたもの勝ち
議論の場で、窮地に陥ることで観客の心をつかむ方法をご存じですか?
世の中の人たちは、ほぼ被害者に肩入れします。故、責められている、怒られている「かわいそうな人」というのをずっと演じ続けると、「大変そうだね」みたいな同情が集まって、味方が増えて、最終的に勝てることもあります。
謝罪が観客の心を動かすこともあります。ただし、「謝るというカードをいかに高く売りつけるか」を、よく考えて謝ることが大切です。「すみません」が口癖になっている人は要注意です。
「試合に負けて勝負に勝つ」というのも立派な論破力。世間的には「いい人なんだな」というイメージを持たれれば、「最終的には勝ち」なのです。
論破力は想定力
実は、討論で選択できる反論パターンというのはそんなに多くありません。だから、自分が話している最中から相手が何を返してくるかある程度想定して、次に投げる球を用意しましょう。
たった一つの「例外」で論破する
世の中には、だいたい例外というものがあります。一つでも例外を示して、「それって真実ではなくて、〈場合による〉〈条件による〉っていうことですよね」 と確認したら、相手は「ええ、まあ、そうですね」と同意するしかないなくなります。つまり、相手の議論に対して例外を出せると、こちら側の主導権で話の切り口が変えられます。
「絶対」は危険
議論では「絶対」とか「必ず」とか「明らかに」とか、いわゆる強調法が口癖になっているような人は、足をすくわれることがあるので注意しましょう。「絶対うまくいきますよ」とは言わず、「結構な確率で成功すると思う」といった言い方で「逃げ道」を残こすのも一つの方法です。
「思う」という発言を相手は否定することはできません。これを利用して「逃げ道をつくる習慣」をつけておくと有利。裁判での発言はその典型です。
難しい言葉は使わない
人間には「わかりやすいものは正しい」と判断してしまうバイアスがあります。そのため、難しい言葉をあまり使わない方が、実は人を説得しやすいそうです。また、簡単な言葉でも「定義が曖昧な言葉」は使わない方が得策です。人によって定義が異なったり、主観が入る要素が高くなり、議論で勝てなくなります。
論破しても恨まれない方法
会社の会議で論破するときには、「人の問題」にならないように議論することが大事です。
世の中には「意見の否定」と「人格の否定」をごっちゃに受け取るタイプの人が少なくありません。しかし、これでは人間関係がぎくしゃくします。「誰それの意見」ではなく、あくまでも「A案」「B案」「C案」という中身で議論をすると、それほど恨みを買わずに済みます。
最後に
今回は、ひろゆきさんの著書「論破力」から、「論理的な話し方の基本」と「観客の心を揺さぶる論破テクニック」を紹介しました。
ここで紹介した内容は、本書のごく一部の内容にすぎません。これ以外にも、以下のようなノウハウが盛りだくさんです。是非、お手に取って読んでみることで、自分のスキルにしてください。
・手ごわい相手に「YES」と言わせる説得術
・厄介な人を転がす技術
・論破したい!!」こんなときどうする?!
・議論に強くなる頭の鍛え方
ちなみに、私は、ひろゆきさんの頭を使って楽をする思考法が非常に好きです。以下の時間術も学ぶことが多いので、是非、ご参考に!