参議院選挙の投票日。
しかし、選挙・政治と聞くと、脳死・気絶してしまう方も多いのではないでしょうか。過去、学生時代に「公民」で学んだことが、すっぽり抜けてしまっていて、人前で恥ずかしい思いをしたことがある方も多いはずです。
そこで紹介したいのが、公民の教科書並みのキホンが非常にわかりやすく学べる教科書に学べる「今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る」です。
・政治についてもう少し詳しくなりたい
・政治をもう一度学び直したい
と考えている方におすすめです。イラストが多用されており、非常にわかりやすいです。
参議院選挙を迎えるにあたって役立つ情報・サイトも合わせて紹介します。
目次
政治のキホンのキをわかりやすく
「政治は難しくてわからない」や「政治はおじさんがするもの」と考えている方たは多いものです。
しかし、日本で生きていくかぎり、政治は自分たちの生活にとって大切です。若い人が投票に行かないと、高齢者にかかわる法令ばかりが優先されることになり、非常に不利になります。
本書の著者は、抽象的な思考がようやくできるようになろうとしている段階の子ども(小学生)に「公民」の授業で「政治って何?」を教えている先生。そんな先生がまとめる本だけに、本当にわかりやすくまとまっています。
本書で学べる内容(構成)
本書で学べるのは、「三権」=国会「立法権」、内閣「行政権」、裁判所「司法権」に関わる分野です。具体的には、以下のような構成となっています。
PART1 政治のキホン :政治とは何か
PART2 憲法のキホン :国民主権や基本的人権とは何か
PART3 国会のキホン :国会の役割とは何か
PART4 内閣のキホン :内閣、総理大臣の役割とは何か
PART5 選挙のキホン :選挙とは何か。衆議院・参議院選挙の違いは何か
PART6 裁判所のキホン :裁判所・裁判にはどんな種類があるか
PART7 地方自治のキホン:国と地方の政治の違いは何か
PART8 社会保障のキホン:社会保障とは何か
以下では、今回の参議院選挙にも参考になる内容として、3点について見ていきます。
政治とは何か?
皆さん、「政治とは何か」と問われて、人に説明できますか?
本書では、小学生でもわかるような非常に平素な言葉で私たちの理解を促してくれます。
①ルールを作ること
②ルールを世の中にあてはめていくこと
③問題をルールに則って解決すること
確かにその通り。わかりやすい。
憲法とは何か
「日本国憲法」には「三大原則」がありますが、何か説明できますか?
「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つです。
このうち、「国民主権」について見ていきましょう。
国民主権とは
国民主権の「主権」とは、「国の政治を最終的に決定する力」のことです。日本国憲法では、「主権」を持つのは「国民」であると規定されています。つまり、「国民主権」とは、国の政治の在り方を国民が決めること。18歳以上のすべての国民が選挙権を持っています。
間接民主制とは
現在、消費税は10%ですが、8%→10%への増税に対し直接賛成票は投じていません。それは、日本では「間接民主制」で政治が行われているからです。
日本国憲法には「日本国民は政党に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と記載されています。つまり、我々が選挙で選んだ国会議員たちが賛成したため、消費税増税となったわけです。
つまり、自分と同等、或いはよく似た意思を持って政治に携わってくれる政治家を、国民として選挙で選ぶことは極めて大事です。
選挙とは何か?
さて、参議院選挙が近づいてきて、今、一番押さえておきたいのが「選挙のキホン」です。
選挙には「衆議院議員総選挙」と「参議院議員通常選挙」の2種類がありますが説明できますか?
衆議院・参議院選挙の違いは何か?
■衆議院議員総選挙
・衆議院の任期は4年
・衆議院の議員の定数は465人
うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出
・基本、4年以内に一回選挙が開催。ただし、任期満了とならないことは多い
・衆議院の選挙は全員を入れ替えるる総選挙
■参議院議員通常選挙
・参議院の任期は6年
・参議院の議員定数は248人。
うち147人が選挙区選出議員(3年ごとに半数74人改選)
残り98人が比例代表選出(3年ごとに半数50人改選)
・3年に一度。半数入れ替え制
・衆議院と違い、解散がない。3年に一度、7月に必ず選挙がやってくるので「通常選挙」と呼ばれる
参議院は任期が長く、解散もないので、6年に1度だと民意が反映されづらくなるので、半分ずつの入れ替え制になっています。
2つの選挙制度:選挙区制と比例代表制
選挙で脳死組の方にとって、選挙をわかりにくくしてしまうのが、2つの選挙制度「選挙区制」と「比例代表制」です。
■選挙区制
選挙区ごとに投票用紙に代表にしたい人の「氏名」を書いて投票し、得票数の多かった人を代表にする制度
・1つの選挙区から一人を決めるのを「小選挙区選挙」
・1つの選挙区から二人以上を決めるのを「大(小)選挙区選挙」
■比例代表制
原則として投票用紙に「政党名」を記載「政党ごとの議席数」を決定したうえで、個々の代表を決める制度
・選挙区制に比べ、小さな政党からも一定の議席を確保しやすい
・政党に属していない人は比例代表選挙に立候補することができない
・原則として、「政党名」を記載するが、「候補者名」でもOK
比例代表制の場合、候補者的には「候補者名」を書いてもらいたいですよね。
いきなり、有名人が候補者として選挙に立候補することがありますが、有名人だと候補者名を書いてもらえる可能性があり、政党としては、政党の議席を稼げることにつながるので、候補者として出馬させるわけですね。
参議院選挙を迎えるにあたって役立つ情報・サイト
ここからは、選挙に投票に行くにあたって、確認しておきたいことです。
書評とはズレますが、関連するので、載せておきます。
期日前投票
選挙は期日投票もできます。現在は、期日前投票をする方はどんどん増えています。1/3は期日前投票をされているそうです。
期日前投票の場所は、自治体から届く「投票所入場整理券在中の封書」内に案内が入っています。
どの候補者・政党に投じるか?
選挙で候補者を選ぶにあたっては、政党がどのような方針を持っているか、どんな候補者がいるかを抑える必要があります。これらを把握するにあたって参考になる情報を以下で紹介します。
❶参議院選挙の候補者の一覧
NHK 参院選2022で確認できます。
❷政党との相性診断
現在の候補者を見たところで、自分の意見と候補者の意見が近いかを判断するのが難しい人も多いと思います。
そんなときは、お遊びではありますが、参考の一つとして、「参議院選挙2022:政党との相性診断」をしてみるのもいいかもしれません。
10問の設問で相性を判断します。なぜ、結果を見ることで、なぜ、その政党と相性がいいのか(政策に対する方針の一致度)がわかります。
また、設問ごとの各党の見解が確認できます。
❸3年前の選挙結果を参考にする
参院選2019で確認できます。
自分の選挙区では、どのような結果だったのかがわかります。
最後に
今回は、もうすぐ参議院選挙を迎えるにあたって、選挙と聞いて脳死する方におすすめな本「今さら聞けない! 政治のキホンが2時間で全部頭に入る」を紹介しました。
本書を読むと、昔、習ったけど、忘れてしまっていることが多いことに気づかされます。
政治・選挙など、公民分野にに自信のない方は、是非、目を通してみられることをおすすめします。