SNSの普及により、個人メディアの活用でヒットを作り出せる時代になった現在、「自分でヒットを作る力」が手に入れられれば「時間的&経済的自由」を手に入れることが可能となりました。でも、どう企画し、どう発信していくかは難題です。
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今回紹介の著書「常識の1ミリ先を考える。」の著者 長倉顕太さんのアドバイスは、自分でヒットを作る最も簡単な方法は「盗んでズラすこと」。しかも、大きくズラす必要はなく、1ミリズラせば十分だと述べます。
今回は本書から、ヒットを生み出す参考になる教えを学びます。
目次
99%を占める凡人が天才に勝つために必要なもの
残酷な真実(現実)ですが、どんな世に生きようが、「世の中は、わずか1%の天才 と 99%の凡人 で出来ており、 凡人は決して一流にはなれません。」つまり、あなたがどんなに野球の練習をしようがイチローにはなれないし、GAFAMの創業者のようにはなれません。
しかし、長倉さんは「たとえ凡人であっても、戦略次第で、天才をしのぐような結果を出せる。だから人生は面白い」と述べたうえで、それにはポイントがあると指摘します。
大事なのは「常識を疑う」こと
では、凡人が天才に勝つためには、いったいどうしたらいいのか?
長倉さんは、一番重要なのは「どこにポジションをとるかだ」と指摘します。その理由は、自分より優秀な人間と同じポジションで争えば、絶対に勝ち目はないからです。
そして、どこに自分が戦える場所があるのか考えるに当たって、「世間の常識」をいったん疑ってみよ!とアドバイスします。
常識を疑くことで「新たな着眼点」が生まれる
世の中には、様々なルールや責任があり、行動の制約となっています。そこで、「ひょっとしたら、我々に自由に行動されると困る誰かが、ルールや責任といって自由を奪っているのではないか?」と疑ってみようと指摘します。
すると、「こんな見方もできる」「こんな考えもあるのか」と気づく。その「新たな着眼点」の斬新さが、人々の共感を生み、ヒットへとつながる可能性を生み出すことにつながります。
ずらし過ぎはダメ
ただし、着眼点はズラしすぎてはいけません。
着眼点をズラしすぎると、 人々の理解の範疇を超えてしまい、「この人は何を言っているの?」と相手にしてもらえないからです。人は理解できない物を買わなし、共感も芽生えません。これは、 マーケティングにおける基本中の基本です。売れなければユーザに評価すらしてもらえず、よい商品にはなりえません。
だから、ずらすのは1mmだけ。 「微妙にズラした着眼点の面白さ」 が、圧倒的なベストセラーにつながると、ご自身の経験をふまえてアドバイスします。
データを正しく認識せよ
ヒットは99%他人が決めています。企画者の企画力だけでは絶対に売れるものはできません。データ分析することで事実を正しくつかむことは極めて大事です。
魚はいるか?
マーケット選びを間違えてしまうと、何を企画しようが、まず、うまくいくことはありません。
「ブルーオーシャン戦略」とは「競争が激しい漁場よりも、釣り人が誰もいない漁場を探せ」という戦略です。しかし、だが、少し冷静に考えてみると、釣り人が誰もいない漁場は、そもそも 魚が全くいない可能性があります。確実性を狙うなら、魚がいることが確実な「レッドオーシャン」 を狙う方が確実です。
このレッドオーシャンで戦うために必要なのが、「着眼点をズラした差別化」なのです。
トレンドの読み方
マーケットという漁場を間違えずに選べた上で、次に大事になるのが、数カ月先、半年先のトレンドです。
しかし、結論から言えば、著者も「半年先のトレンドを正確に読むことは絶対にできない」と指摘します。ただし、トレンドは、業界・商品のカテゴリーにもよりますが、数週間周期、数カ月周期、数年周期で「流行り」 と「廃り」が循環しています。
これを見つけるためには、「過去データの分析」は必須です。そして、次に来そうなトレンドの企画を事前に仕込んでおき、次にどんなトレンドが来ても対応できるよう、準備をすることが大事です。
また、ほとんどのトレンドは米国からくるので、米国を常にウォッチしていることが大切です。
過去のベストセラーを分析し、いかに「1ミリの差別化」 を加えるか?そのアレンジに、誰よりも早く気づくことができるか? これが、ベストセラー企画を生むためのカギになります。
株式投資ではチャートが重視されますが、チャートは、過去の株価の動きを表したものです。そこからパターンを読み取り、未来を読む。
よく「直観が正しい」と言われますが、直観とは、無意識のパターン認識です。そうであるなら、直観を鍛える意味でも、日頃からデータを分析し、パターンを見つける練習することが求められます。
トレンドにも確実にやってくることがわかっていることもあります。しかし、人は、「確実に来る未来」が分かっていても、多くの人は動きません。
例えば、日本の人口減少は確実な未来。では、その時、国力が落ちる⇒円安が進むと予測し、資産を円⇒ドルに変えられていた人はどれだけいるでしょうか?
確実な未来が来る前に事前に準備し、いよいよ来る!というときに、一気に勝負できるか(行動できるか)が大事になります。チャンスをつかむために、我々ができるためにできることは、準備しかありません。
ニーズをとらえる
人間は自分が欲しい物を実はよく分かっていません。自分の「好き」すらわかっていません。だから「やりたいことがみつからない人」であふれています。
だからこそ、ヒットを生み出すうえで大事になってくるのが、「言語化されたニーズではなく、言語化されていないニーズ」=「潜在ニーズ」です。
潜在的なニーズをとらえるにあたって重要なこと
潜在的なニーズを捉えるにあたって大切なこと、それは「いくら頭で考えても、答えは出てこない」ということです。
では、どうすればいいか? 答えは、「Don’t think, feel!(考えるな、感じろ!)」
潜在的なニーズというのは、その言葉どおり、表には出てこないわけだから、自ら感じるしかない。つまり、「感じる力」 を磨くことこそが重要になります。
感じる力の鍛え方
「感じる力」が大事といいましたが、多くの人は、「感じる力」が不足しています。何を見ても、聞いても「不感症」です。
ではどう鍛えたらいいか?
著者は、「初体験」 を日常に取り入れることを勧めます。人は初めてやること、初めて行く場所は警戒し、身体の感覚が自然と鋭くなるからです。変わり映えのない日常を送っていると、無意識に何も感じないままに生きることになるので注意が必要です。
もう一つ、「定点観測」もう有効です。なぜ、同じ曜日の同じ時間帯に、同じ場所で「小さな変化」 を読み取る訓練をすると、感じる力は鍛えられます。
未来から考える
ゴールから考える。結果から考える。もっと言えば、未来から考える。
これも、ニーズを見つけるコツです。「この世を生きるコツ」であるともいえます。
最後に
今回は、長倉顕太さんの「常識の1ミリ先を考える」から、ヒットを生み出すヒントを紹介しました。
ここで紹介したのは、本書の前半に過ぎず、まだまだ、多くの学びがありました。
マーケティングにかかわる仕事をする人以外でも、大いに役立つヒントが満載です。是非、お手にとって読んでみることをお勧めします。
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