7月2日夜、6月の米国雇用統計が発表されました。

結果は、以下の通り、内容にばらつき。雇用者数は増加するも、失業率が増えるなど、内容がまちまちです。

非農業部門の雇用者数:85万人増(予想:70万人増)
失業率       :5.9%(予想:5.7%)
平均賃金      :前年比3.7%(予想:3.6%)

しかし、この結果を受けて、米国株式市場は、S&P500、ダウ、ナスダックの3市場とも大きく上昇。

過去の記事でも、今後は単純に経済指標がいい数字が出たからと言って株価上昇とはならない(その逆も)と記載しましたが、今回は、雇用統計はいい数字/悪い数字が混在するも、株価が大幅上昇しました。

今後の米国株式市場を予測する上でも重要になると思われる、この市場の受け止め方を私なりに考察・整理しておきたいと思います。また、ポジション変更についても簡単にふれます。

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雇用統計発表後の市場の反応

雇用統計の結果を受けて、今の市場が最も気にすることは「FRBの金融政策にどのような変化を与えるか?」です。

FRBは2020年12月、最大雇用や物価安定するまでテーパリング(量的緩和の縮小)は行わないと表明していますが、雇用統計の結果がばらつくということは、FRBは難しい判断を迫られるということです。

今回、株価は上昇で反応しました。そこで、雇用の状況をもう少し詳しく見てみます。

失業率と雇用数

失業率と雇用数

上図は、失業率(青)と雇用者数(赤)の推移です。これを見ると、雇用はコロナ禍前のレベルには未だ戻っていません。テレビなどを見ると明らかに米国の外出者の数が増えていることが分かりますが、そのれに応じるように雇用が増えているようには見えません。コロナは雇用の在り方を大きく変えました。ネットを使えば雇われなくても働ける環境は揃っていますし、今後も雇用数がもとに戻ることはないでしょう。

この図を見ても、FRBがどうかじ取りをするは私には見えません。

株価の状況

S&P500

株価は上昇が継続しています。上図は上がS&P500, 下がナスダックのチャートです。
雇用統計後も株価は波乱なく上昇を続け、ともに最高値を更新しています。これらの市場の反応を見ると、雇用統計の結果を受けて、「米国景気は利上げを早めるほど強くはないのでFRBによる政策金利の変更、具体的には、テイパリング時期が早まることはない(むしろ、後ろ倒し)」と判断され、安心感から株価上昇 となったように見えます。


ちなみに、今の市場をけん引しているのはハイテク株の値動きです。
上図は、上が7/2(金)、下が直近1カ月のS&P500の騰落率マップですが、アップル、マイクロソフト、アマゾンに至っては1ヵ月で10%以上の上昇を見せています。

長期金利(米国10年利回り)

上図は長期金利(米国10年利回り)です。雇用統計発表直後は上下に揺れましたが、最終的には下落傾向が継続しています。
これは、一時は金利上昇で売り込まれたハイテク株を買い戻すのによい環境であることを裏付けています。

米国株はまだ買ってよい

前節の市場の動きをまとめると、市場は、「米国景気は利上げを早めるほど強くはないのでFRBによる政策金利の変更、具体的には、テイパリング時期が早まることはない(むしろ、後ろ倒し)」⇒「米国株へはまだ投資できる」と判断したと考えます。

一方、私の6月後半に行った「株式※の投資戦略」は、今週の米国株の上昇で十分プラスは出ていますが、大きな判断ミスをしています。※実際の投資はCFDで売買。

逆張り思考での銘柄選びに敗因

5月中FOMC前の下落していた時点で、下落が大きめの指数に投資をすることで、上昇余力があるのではないかと考え「米ダウ指数」「日経平均指数」のポジションを多めに保有しましたが、この逆張り思考での銘柄選びが敗因でした(敗因といっても利益は十分出ていますが、上手な投資ではなかった)。

実際の相場は、「強いものが強い」相場。気が付いてからも、高所恐怖症で高い位置でS&P500指数やナスダックは買えずじまいです(FOMC前に手放したのは敗因)。これは、保有している個別株についても同様です。

方針変更(売却、購入)

方針変更は大きく2つ。

❶当初、VIX指数を購入しようと思っていましたが、あまりにS&P500が強いので見送りました。

❷日経指数は、円安が進むも上昇しないので全ポジ売却。私には今後の判断も難しいです(コロナ感染状況悪化で下落?)

代わりに売却資金の一部は「金」のポジション(+ほんのちょっとだけ「銀」)に充てました。購入理由はチャート下に記載しました。ただし、こちらも「逆張り思考」での購入です。


購入理由:金は週足の一目均衡表の雲の下限に支えられている


購入理由:銀は日足の200日移動平均線に支えられている

最後に

今回は、6月の米国雇用統計は内容にばらつくも株価は上昇した結果をどう見るかについて、私なりの見解を述べました。
現在の株高に怖さもありますが、だからといって、降りることも得策ではなく、投資は本当に難しいなぁと思います。いろんな相場を経験し、精進を重ねていきます。