気になる来年2021年の相場観。
アノマリーの一つともいえる「干支と相場格言」からは、どんな展開が予想されるのでしょうか。
来年2021年の干支は「 丑(うし)」。うし年の相場格言は「丑(うし)つまずき」です…
格言の印象としては、株価が大きく下がりそうに見えますが、過去の丑年(うし年)の景気・経済や株価パフォーマンスはどうだったのか?
2021年のイベント、現在の株価の値動きから、取るべき投資戦略はどうなのか、まとめてみました。
目次
干支(十二支)と相場格言:亥の格言と相場の特徴は?
まずは、干支にまつわる相場格言を見てみましょう。
相場格言では、干支は「辰巳(たつみ)天井」からはじまります。
辰年・巳年で株価が天井をつける傾向があり、その後、戌年ぐらいから上昇し始めるも、丑年には再び下落。しかし、その後再び、辰年・巳年に向けて天井に向かうというサイクルがあるとされています。
干支 | 格言 | パフォーマンス |
---|---|---|
辰巳 | 辰巳(たつみ)天井 | |
午 | 午(うま)尻下がり | |
未 | 未(ひつじ)辛抱 | |
申酉 | 申酉(さるとり)騒ぐ | |
戌 | 戌(いぬ)笑う | |
亥 | 亥(いのしし)固まる | |
子 | 子(ねずみ)は繁栄 | |
丑 | 丑(うし)つまずき | |
寅 | 寅(とら)、千里を走る | |
卯 | 卯(う)跳ねる |
相場格言に基づく売買戦略
相場格言通りに株価が推移するなら、以下のような投資戦略で投資をするのが良いことになります。
❶長期12年サイクルで売買するなら:
戌亥で仕込み、辰巳で売る
❷数年のサイクルで売買するなら:
戌亥で仕込み、子で一旦売却。丑で下落したところを再度買い仕込み、辰巳で売る
相場格言に基づく、丑年の株価予想
冒頭でも述べた通り、2021年は「丑年(うし年)」。相場格言は「丑(うし)つまずき」です。
中国の歴史書「漢書」では、干支の最初の動物「子」は新しい生命が種子の中に萌し増え始めるのに対し、「丑」は「腕や植物の芽が伸び切らない状況」を表します。
ちなみに、十干と十二支の組み合わせた「十干十二支」では、「辛丑(かのとうし)」。感じに「辛い」という感じが含まれる通り、投資家にとって辛い相場にある可能性を示しています。
ちなみに前回の辛丑(かのとうし)は60年前の1961年。以下の通り米国では新米大統領就任、政治では米ソ間に緊張感、日本では大型台風も発生しております。
・J・F・ケネディ大統領就任(35代)
・ピッグス湾事件(カストロ政権打倒を試みた事件)
・ウィーン会議(米ソ頂上会談)
・ベルリンの壁出現(東西冷戦の象徴)
・第2室戸台風
・西成暴動(日雇い労働者による暴動の総称)
今年2021年に当てはめるなら、米バイデン大統領就任、米中対立、コロナ禍で低所得者の暴動があっても不思議ではないなど、なんとなく通ずるところがあるようにも思います。
一方で、「宇宙開発」は投資のテーマになる!?
2020年は「コロナ年」。「芽吹きの年」と言える?
2020年というと新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に経済活動が停止・停滞。しかし、一方で、「テレワーク」を代表とする新しい生活様式・働き方のスタート元年になり、文字通り、新しい「芽」が生まれた年になました。また、「サブスク」や「巣ごもり消費」などに強みをもつ企業が大幅に売り上げを伸ばす一方、従来型で事態の変化に対応できない企業が停滞・凋落した年となり、これまた大きな時代の変化を促進する結果となっています。
2020年の株価は、まさに格言通り
2020年は世界経済が停滞する一方、金融市場は、金融緩和を背景に3月のコロナショック暴落から急回復。日経平均は29年ぶりの高値、米ダウについては最高値を更新。まさに、「子は繁栄」の格言通りとなりました。現在も、今後も続く各国の中央銀行の金融緩和を背景に来年への株価上昇が期待されています。
丑年の相場予測と相場戦略
しかし、丑年の相場格言は「つまづき」。子年に芽生えた植物が、地面の下に埋もれたまま伸び上がれないという状態から、前途多難。波乱相場への警戒が必要です。
2021年も新型コロナウイルスの影響が相場の行方を左右することは間違いありませんが、仮に、実体経済の回復で政策の引き締めが始まれば、過剰流動性による株高も終わり、株価も下落することになります。金利の動向には目が離せないと言えるでしょう。
過去の「丑年」の日経平均パフォーマンス:年央にピークアウトの
さて、それでは「丑年」の日経平均株価の過去実績はどうだったのでしょうか?
大発会(1年で最初の取引日)の終値と大納会(1年で最後の取引日)の終値とを確認した結果が以下のようになります。
過去の傾向として、総じてパフォーマンスは悪いです。また、年央にピークを付けて、年末にかけて下落する傾向があります。
また、前回の丑年=2009年は年間騰落率はプラスですが、同年にリーマンショック後の最安値を付けており、株価が好調だったとは言えません。
西暦 | 初値 | 終値 | 騰落率 | コメント |
---|---|---|---|---|
1961年 | 1,366.74 | 1,432.60 | +4.82% | |
1973年 | 5,232.86 | 4,306.80 | -17.70% | |
1985年 | 13,113.32 | 11,542.60 | +13.46% | |
1997年 | 19,446.00 | 15,258.74 | -21.53% | |
2009年 | 9,043.12 | 10,546.44 | +16.62% | 2007年に高値18,261.98をつけ、リーマンショックで暴落 最安値は2009年7,054.98 |
丑年の株式売買戦略
丑年の相場格言、および、過去の日経平均パフォーマンスから、次のような以下のような売買戦略を立てておく必要がありそうです。
・過去の実績的に、年央で株価が天井を付けることを想定
・一部売却、或いは全売却のタイミングを探りながら売買
・暴落があれば、3年先の辰巳年の株価天井も配慮し、買いに回る
(ただし、軽い下落の場合は、積極的には買わない)
どこでダンスパーティーを降りるか探りながら売買しようと思います
ビットコインの今後予測
ビットコインの今年の展開については、以下の記事にまとめているので、ご興味があればご確認を。
最後に
今回は、相場格言と過去のパフォーマンスから、2021年丑年の投資戦略について考えてみましたがいかがだったでしょうか?
投資カレンダーが手元にあると、大事な経済イベントや、投資アノマリーの気づきとなり、投資で失敗するリスクを軽減することが可能。
以下にまとめているので、是非、ご確認を!