一度にたくさんの情報を見る必要があるトレードや、複数のファイルを開く必要がある仕事の必需品と言えるマルチモニター環境。
マルチモニターの中で最も最も人気が高いのは「4画面」ですが、1台のパソコンでそれを実現してくれるのが、4画面出力グラフィックボード(4画面グラボ)です。自分でパソコンにボードを指す知識・スキルがある方なら、4画面出力用のトレーダー向けPCなどを買うよりも、価格を押さえて4画面マルチモニター環境を整えることが可能です。
そこで、今回は4画面用出力対応グラフィックボードのおすすめ品を紹介します。
目次
3,4画面表示以上は高機能グラフィックボード(グラボ)が必要
なぜ、グラフィックボードが必要なのか
デスクトップパソコンの場合、2台のモニターなら、オンボードのグラフィック機能で表示が可能な場合も多いでしょう。
しかし、表示する画面枚数が増えるに従い、パソコンには大きな負荷がかかります。特に、映像視聴、画像・映像関連ソフトウェアでの編集、3Dゲームなどに使用すると、パソコンの動作が遅くなったり、画面が固まりやすくなったりします。クリエーターや投資トレーダーにとってパソコンが固まるのは致命的。また、ゲーマーもゲームを十分に楽しめません。
画像処理に高い負荷がかかる作業や、複数画面表示の際に、このような表示の問題を解決してくれるのが、高性能グラフィックボード(グラボ)です。グラフィックボード上で画像処理をするので、パソコン自体が重くなることを回避できます。
グラフィックボードの種類には大きく2種類ある
グラフィックボードで、世界的に圧倒的シェアNo.1なのが、NVIDIA社です。
グラフィックボードは大きく、プロフェッショナル用とゲーム用に分けられます。プロフェッショナル用にTシリーズ(旧世代:Quadro)※、ゲーム向け用にGeForceが用意されています。そして、本記事でターゲットにしているマルチモニター環境構築用として広く使われているのが「NVIDIA Tシリーズ」になります。
※旧世代Quadoroは、Tシリーズと、さらに上位版のRTXに分割されましたが、デイトレーダーや一般的な仕事向けに利用する場合は、RTXシリーズはオーバースペック&高価であるため、割愛します。
TシリーズとGeforce:比較表
Tシリーズ (旧世代Quadro) | GeForce | |
---|---|---|
ロゴ | ||
ターゲットユーザ | プロフェッショナル向け | ゲーム向け |
用途 | CAD、3D、動画編集、多画面 | ゲーム |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6X |
発色 | RGB各色10bitに対応 10億6433万色 | RGB各色8bitに対応 1677万色 |
価格 | 16,000~50,000円 | 15,000~300,000円 |
マルチモニター対応 | グラボ1枚で4画面出力可能 | グラボ1枚で2画面出力のモデルが多いが、グラボ1枚で4画面出力可能なものもあり |
4画面出力用PCで使われているグラフィックボード
では、NVIDIA Tシリーズ(旧:Quadro)の中で、現在、4画面出力用PCで使われているグラフィックボードは何でしょうか。2022年冬現在、市販の4画面出力用PCに搭載されているグラフィックボードは、以下のモデルでです。
・NVIDIA T1000 現在の主流
・NVIDIA T600
・>NVIDIA T400
計算の処理速度をします単精度精度(FLOPS:1秒間に浮動小数点演算が何回できるか示す値)の違いは以下の通りです(NVIDIA T1000 の処理速度が高いことを示す)。
4画面出力可能なおすすめグラフィックボード
グラフィックボードは様々な商品がありますが、マウスコンピューター、A-Charge、パソコン工房など、BTOパソコンが販売中の4画面表示パソコンに搭載されているグラフィックボード相当の商品を買い求めるのが最もいいと考えます。
上記ページをご確認いただくと、4画面出力用PCに必要なスペックと価格がわかるので、参考までに確認されることをおすすめします。
さて、前置きが長くなりましたが、具体的な4画面表示対応グラフィックボードのおすすめ品を紹介します。
NVIDIA T1000 グラフィックプロセッサ搭載グラボ
現在、マウスコンピューター他で販売されるBTOパソコンで、4画面出力用パソコンとして販売される主力商品に搭載されているのがNVIDIA T1000ベースのグラフィックボードです。
NVIDIA T1000グラフィックボードは、NVIDIA T600より高スペックなグラフィックボード。最大4台の5Kディスプレイへの表示が可能です。NVIDIA Turing GPUアーキテクチャの採用でパワフルかつコンパクト。前世代のP1000と比較して50%を超えるグラフィックスパフォーマンスを実現しています。
DisplayPort 1.4のサポートにより、T1000は最大8K(7680×4320)@ 60Hzの解像度を駆動可能。また、DeepColorの120 Hz 4Kディスプレイへ出力したりすることが可能です。
メモリが4GBと8GBタイプがあります。
メモリ4GB
メモリ8GB
NVIDIA T600 グラフィックプロセッサ搭載グラボ
NVIDIA T400 グラフィックプロセッサ搭載グラボ(最大3画面)
NVIDIA T400グラフィックボードは、最大3台の5Kディスプレイ表示出力が可能なグラフィックボード。NVIDIA Turing GPUアーキテクチャの採用でパワフルかつコンパクト。
DisplayPort 1.4 x3接続で、これ1台では3画面までしか表示できませんが、マザーボードに搭載の表示出力端子を利用すれば、4画面構成にできます。
また、最大6画面パソコンには、このボードを2枚設置することで6画面表示を実現しています。
モニターの準備:おすすめディスプレイ
マルチモニターにするためには、当然のことながら外部ディスプレイが必要になります。
現在は、外部ディスプレを選ぶにしても、大きく以下の3種類があります。以下では、3種類のモニターのおすすめ品を紹介します。
①安価~プロ用効果品まで種類豊富な「フルHDモニター」
②1枚でフルHD4台分の解像度を持つ「4kモニター」
③持ち出し可能な「モバイルモニター」
フルHDモニター
フルHDモニターは安価な商品であれば1台1万円ちょっとで購入が可能です。
おすすめ商品を目的別に紹介しているので以下にてご確認ください。
4kモニター
4kモニターの魅力は何といってもその解像度です。1台でフルHD4台分に相当する解像度を持ちながら、安価な商品なら3万円台から購入できます。
おすすめ商品は以下にてご確認ください。
モバイルモニター
フリーアドレスオフィスや外出が多い方にはモバイルモニターが選ばれています。価格も従来に比べリーズナブルになっており、2019年より利用者が増加、さらに今年、新型コロナウイルスによる在宅勤務・テレワークの急で大人気となっています。
おすすめ品をサイズ別にまとめました。最も人気があるのが15.6インチタイプです。
モニターアーム
マルチモニターにする場合にあったら便利なモニターアーム。おすすめ品をまとめました。
デスク環境も再構築:おすすめデスク・チェア
マルチモニター化に合わせて、デスクやデスク周りの環境もスッキリさせたいとお思いの方は、以下の記事が参考になります。
気分が変われば、作業効率もUPしますよ。
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最後に
今回は、自分でデスクトップPCにボードを設定することができるスキルをお持ち向けに、4画面用出力対応グラフィックボードのおすすめ品を紹介しました。
スキルがある方でも、設定の手間などを考えると、4画面出力グラフィックボード搭載のパソコンを買ってしまった方が、総合的にリーズナブルな場合もあります。そのようなPCのスペック・価格も確認の上、ご自身にとって最もリーズナブルな商品をお選びください。