その山を登れば景色が広がるものだと信じて、誰よりも努力して登ってみた。
だけどそこから見えたの景色は、(中略)先輩方の背中だった。
やれることは全部やったはずだ。
なんで突き抜けていないんだろう。
どこで道を間違ったんだろう。
本書の著者は、若手芸人として知られる西野 亮廣さんのつぶやき。芸人として十分成功を収め、満足されているのかと思いきや、大成功の裏で激しく苦悩されていたという回想録から本書は始まります。
そして、たどり着いたのが「新世界」。
今や、複数のビジネス書を出すなど、芸人とは異なる才能を見せる西野さんですが、どのような経緯で新世界を切り拓かれたのでしょうか。
目次
先駆者の敷いたレールの先にあるもの
僕ら彼ら(お笑いの大先輩方)を追い抜いていない(追い抜く気配がない)。
それは才能とは別のところにあった。
西野さんは、お笑いという山を登って、自分が追い抜けないと気づきます。お笑いの才能ではなく、先駆者の引いたレールの上を走って結果を出しても、先頭を走るさんまさんの人気をさらに盛り上げるだけで、自分が追い越せるわけではないのだと悟ってしまうのです。
そして、彼らとは別の未開の地を開拓しないとダメだとの結論に至る。
そして、西野さんは、「外=新世界」に飛び出すのです。
一歩を踏み出す方法
「外」に出るにあたって西野さんが気づいたことは、「今、世の中に起こる変化」。
ほとんどの人はこの変化に気がついていない。
それは、「お金」を貯める時代から、「信用」を貯める時代に移行しているという事実です。
新世界:信用経済でワークするクラウドファンディング
「貨幣経済」から「信用経済」への移行
別の言葉で言えば、信用を勝ち取れば、お金はおのずとついてくるということです。
そんな中で、西野さんがたどり着いたのが、クラウドファンディングという新しいお金の集め方で、自分の夢を実現する新しい手法です。
これはまさに「信用」をベースとした新しい世界です。
今の時代に必要な信用力×情報力
正直、「信用経済」という言葉は西野さんが考えた言葉ではありません。例えば、私が初めて「信用経済(評価経済)」という言葉に出会ったのは4、5年ほど前。例えば以下のような本です。
ただ、当時はまだ「信用経済」という価値観が世の中に十分根付いていなかったように思います。
しかし、今は、まさに、SNS時代。「いいね」が価値になり、お金を生む時代であることは皆が知るところです。
そんな時代でも、アイデアを実現できる人は少ない。
実際に自ら「クラウドファンディング」でお金を集め、「オンラインサロン」や「レターポッド」などの新しいビジネスを起こし、芸人とは異なるエリアでビジネスを起こしている西野さんの実行力には恐れ入ります。
もはや西野さんは芸人カテゴリーではない
西野さんはこれまで何冊か著書を出されていますが、もはや芸人カテゴリーの人というより、堀江貴文さん、箕輪厚介さん、前田 裕二さん、落合陽一さんといった、新しいビジネスをクリエイトするインフルエンサー。そんなにおいのする方です。
鋭いセンス × 信用 × スピード で新しいビジネスをクリエイトする。
結果的にお金がついてくる。
そんな、独自経済圏を自ら作ってしまったのはすごい。
今の時代を先取りる人の一人として、今後もウォッチしてきたいと思います。
【参考】西野さんが全力で取り込んでいる絵本
西野さんが数年来、全力で取り組まれているのが「えんとつ町のプペル」。この絵本を切り口に様々な活動に取り組まれています。
今の時代を社会背景を変えつつ切り取った絵本。大事なもの・ことを教えてくれる一冊です。オススメ!