ボクは何のために働いてるんだろう。何のために生きてるんだ。
仕事辞めたい。こんな人生、生きてて意味あるのかな・・・
生きていれば必ず直面する悩み。精神的にも参ってしまい、ウツや病気になってしまう人も多数いるのが現代です。
そんな悩める現代人に、「生きる意味」を物語で教えてくれるのが本書。
ヴィクトール・E・フランクルさんの心理学の教えを、ちょうど、「夢をかなえるゾウ」的な、ユーモアあるストーリーで教えてくれます。
「生きる意味」という、なかなか答えのでない問いに苦悩しているなら、本書の「フランクルの教え」は大いに役立つはずです。
目次
ブラック企業で働く青年が気づく「生きる意味」
本書の主人公の青年は、世の中からブラック企業と呼ばれるアパレル会社の雇われ店長。
店長になっての半年間、休日返上で働くも売上予算を達成できず、部下からは舐められ、上司であるスーパーバイザーからは「お前なんかやめてしまえ」と罵倒される日々を過ごしています。
日々、馬鹿にされ、罵倒される日を繰り返す中で、人生が思うことは、
「何のために働いているのか」「生きてて意味があるのか」
悩める日を送るなか、突如現れたのが東北なまりのコロボックル族、フランクル三世と名乗る「小さなおじさん」。
「意味はあるべ。いつでも人生は意味に満ちているべ」
青年は、毎日突如現れるおじさんとの7日間の対話を通じて「自分が生きる意味」「仕事をする意味」を見出していくのです。
ムズイ哲学話も本書なら、楽しく読みこなせる!
人生を生きる意味、何とも哲学的で、重たい内容です。
正直、本テーマを哲学者・心理学者から学ぼうとすると難しすぎて途中で挫折してしまうでしょう。
そんな難しさをすべてとっぱらって、ユーモラスたっぷりで人生について教えてくれるのが本書。ヴィクトール・E・フランクルさんの心理学の教えが、現代人にもすっと読める物語の設定で教えてくれます。
心理学の第四の巨頭「ヴィクトール・E・フランクル」
フランクルさんは、オーストリアの心理学者です。フロイト、ユング、アドラーに次ぐ4番目の巨頭。「生きる意味」を発見する心理療法「ロゴセラピー」の創始者です。
本書は、まさに初心者向けのロゴセラピー実践書であり、慢性的な軽うつ状態にあると言われる現代人が、自分のことを振り返り、人生の心理について考え、「生きる意味」の発見に至ることをサポートしてくれます。
人間は、人生から問いかけられている存在
私たちはしばしば、「私、本当は何をしたいんだろう?」と考え、その答えが得られず悶々と苦しみます。
そんなとき、ロゴセラピーは「自分の視点」から考えるのではなく、「人生からの問い」という視点から以下のように考えてみては?と提案します。
・人生は、私に、今、何を全うすることを求めているの?
・私は、どうすれば、私の人生に与えられている使命を全うすることができるの?
つまり、「運命の中に自分の使命を見出す」ことで精神性を高めてくれるのです。
Chamiが心に残った本書の会話
備忘録として、心に残った言葉を書き記してみました。
・“意味あるんですか”って仕事のできない人間ほどよく使う言葉。ろくに考えもせずに、すぐに効果が出る何か にすがろうとする言い訳。
・今ある嫌なことばかり考えていたら、自分を嫌になるし、人生、嫌になる。むなしくて人生に意味を感じられなくなる。この堂々巡りをストップさせるには、今を評価するより、まず、過去を再評価し、自分の価値を見出す。
・過去を愛せる人は、未来から愛される
・人はとかく、成功と失敗の軸ばかりで考える。成功しても絶望はあり、失敗しても意味はある。
・宿命を引き受けることで「運命」を変えることはできる
・辛い時に大事なのは「幸運の引き寄せ」ではなく、「宿命の引き受け」
・人が人生の意味を問うことはない、人は人生から問われてる存在であるから
・人はだれかを幸せにするために働く
・働く意味や働き甲斐を感じるには創造力が必要。仕事の成果、その先で起きていることに思いを馳せないから、働き甲斐を感じられないんだべ
・達成感は大事。でも、それを一番にしてはダメ。それは自分自身のために頑張りますという自己チューな考え。そんなリーダに、誰さついてく?
・成功者と言われる人から学ぶべきことは、成功を続けたことではなくて、失敗に意味を見出し逆境に負けなかった事実だべ。試行錯誤の回数が誰よりも多く、それ故、失敗も挫折も多い。だども、その失敗や挫折に意味があると信じて行動することをやめなかった。だから、成功者と呼ばれるようになったんだべ。
・大事なことは、どれだけ大きな仕事をしているかではなく、どれだけ目の前の仕事にベストを尽くしているか etc.
人生に待ち受ける難題を乗り越えるために
リストラ、離婚、大病、死別… 人生には様々な難題が待ち受けています。
そのたびに、なぜ私の人生にはこんなつらいことばかり待ち受けているの、と、もって行き場のない悲しみ/怒りに苛まれます。
そんな人生の難局に遭遇したとき、「人生からの問い」として、その意味を見つめなおしてみてください。
人間は「意味」を求める生き物です。この意味=自分の使命を見つけると、とても生きやすくなります。答えのない問いから脱出したいとき、「フランクルの教え」は大いに役立つはずです。
『君が生きる意味』の著者の松山です。
chamiさん、ありがとうございます。
こうして『君が生きる意味』を紹介してもらえて、
中身も濃く、充実した内容で書評してもらえて、
とても嬉しく、心から感謝いたします。
フランクルは「難解で暗い」と言われて、
敬遠されがちなのですが、chamiさんの書評をきっかけに、
フランクル心理学にふれてくれる人がいるのではと、重ね重ね感謝です!
松山様
コメントを頂きまして、ありがとうございます。
私自身は、本書を手に取るまで、全くフランクルという方の存在すら知らなかったのですが、
ユーモラスなストーリーに、次の展開はどうなるのだろうとワクワクしながら、一気に読まさせて頂きました。
これまでの私といえば、「自分が生きる意味」を考えるシーンといえば、嫌なことがあったときばかり。
「なんで、こんな思いをして生きなくちゃならないんだろう」という、理不尽に対する愚痴がほとんどだったように思います。
日々「幸せになりたい」と思いながらも、なかなか「自分が生きる意味」について明確な解を持ち合わせていなかった私にとっては、
『君が生きる意味』は、生き方を考えるいいきっかけとなりました。
今後も、楽しく学べる本が発表されることを楽しみにしております。
P.S.
感想をすぐにブログに掲載したく、文章の推敲が不十分なまま掲載をしておりました。
気が付いた範囲になりますが、誤字脱字の訂正をさせて頂きました。