なりたい職業、Youtuber
中高生が将来なりたい職業としてランキング上位に躍り出たYoutuber。この事態を嘆かわしく思う人もいるかと思いますが、一方で、Youtubeが歴史浅くして世界的に支持される媒体を作り上げたことも事実。
これまで、プロデューサー、編集者などにより中央集権的に支配されていたメディアの世界を、オープンで解放されたプラットフォームにより、メディアを、プロデュースできる人を、配信できる人を、そして、消費できる人、あらゆる立場の人の世界を一遍しました。
本書は、Youtubeがメディアに対してどのように革命を起こしたかを、単に運営者側だけでなく、成功を収めた複数のYoutuberの秘話をもとにまとめた一冊。
運営者側がどんな指針・理念を持ってyoutubeを運営しているのか、いかにクリエーターを大事にしているかが伝わってくる良書。これからのデジタル化社会を考える上での「ヒント」が隠された必読書です。
著者は、Youtubeの副社長を務めるロバート・キンセルさん。もともとはNetfirixという中央集権的なメディアから移籍した方が著者という点も面白いですね。
YouTubeの成功の理由
Youtubeはなぜ、これほどまでに成功したのか?
もちろん、動画を無料で世界中に配信すると言うコンセプトそのものが、皆が求めていたものだったことはいうまでもありません。
しかし、もし、視聴無料という理由だけだったなら、これほどまでフィーバーしなかったでしょう。
では、どんな理由があるのか?
その一つに、「クリエイターに報酬を払った」ことが挙げられます。
クリエーターに、視聴者とつながる機会を与えるだけでなくそれで食べていける場所を提供する。すると、それによりクリエイターの映像の質も向上。すると、さらに見たいと思う視聴者が増えるという好循環が生まれたのです。
結果、今やYouTubeには広告収入で年間100,000ドル単位で稼ぐクリエイターが何千人も存在。その数はここ数年着実に増加しています。
求められるコンテンツ
人気コンテンツに求められることは何か?それは、派手さ、過激さ、奇抜さではありません。
今、人が求めているのは、コンテンツが本物であるかどうか。自分のありのままを伝え、「僕ってこんな人間なんだ」ということを明かにできるかです。それによりファンができ、熱いコミュニティが出来上がるのです。
故、再生回数が多いより、再生時間が長いことが大事。
どんなに目立ってアクセスを獲得し、再生回数が多くなったとしても、再生後すぐにサイトから離脱されるようではだめなのです。
Youtubeでのマネタイズは決して広告収入だけではない
Youtuberの中には、再生回数に応じた広告収入でお金儲けしたいという人も多いでしょう。
しかし、Youtubeのマネタイズ=収益化は、それだけではありません。
潤沢な広告費を確保できない中小企業やフリーランスにとっては、ビジネスが化けるかもしれないチャンスの場。
無料で使える集客メディアとして、自分の売り物をアピールすることだって簡単にできるのです。事実、成功したアメリカのYoutuber達は、再生回数に基づく広告収入以上に、自分の事業収益を伸ばすことで稼いでいるのです。
そんな成功者たちについても、複数事例紹介されています。
Chamiの感想
日本で起きていることは、先進国米国に比べるていまだ序章にすぎません。
新しいメディアの運営者側からのアドバイスは、これら新しいメディアとの付き合い方のヒントを与えてくれるに間違いありません。
「成功するYotuberために大切なこと」や「Youtubeを利用したマネタイズ方法」が、Youtube運営者側の視点で紹介されているので、Youtuberを目指す人、Youtubeを集客源にしたい人は要Checkです!