疲れているとは、身体が疲れていることだと思っていませんか。
「疲労の正体は「脳」。疲労とは脳が疲れている状態である」ことを最新科学で解明したのが本書の著者の梶本氏。10万部のヒットとなった前著『すべての疲労は脳が原因』では、そのメカニズムが紹介されました。第二弾となる本書では、「食事」「睡眠」「環境」において、疲労を予防する、また解消するために、私たちが今すぐに実践できる方法が具体的に紹介されています。
疲労の正体は「脳」
ヒトの体が疲労を起こす理由は、結論から述べると、「自律神経を酷使しているから」。
自律神経とは、生きるためのベースとなる機能を整えている神経システムで、「交感神経」「副交感神経」の2つからなります。
交感神経とは、主に起床時からに日中の心身が活動的なとき、危険や恐怖を感じた時、ストレスがあるときなどに働く神経。「闘争神経」と呼ばれることもあります。
一方、副交感神経は、夕方から夜にかけて体を休めるときに働く神経です。リラックスしているとき、平穏な気分なとき、寝ているときなどに働きます。
これ2つの神経はコンビを組んで、内臓や血管、分泌液などに働きかけ、身体の環境を良好に維持しようとします。これを「ホメオスタシス」と言いますが、疲労はこのバランスが崩れると起こります。
脳疲労の3大サイン
脳の疲労を示す3大サインは「飽きる」「疲れる」「眠くなる」です。
疲労の本質は、パフォーマンスの低下です。3大サインの中で最も先に現れる「飽きる」は、まさにパフォーマンス低下を示す症状の一つ。
故、飽きたら、休息をとりましょう。そのサインを無視すると、眠いという自覚症状が現れます。これはまさに、休息を促す脳からのメッセージです。
仕事の疲れは運動では取れない
「体を動かせば、仕事の精神的疲れやストレスがすっきりする!」と、帰宅前や休日にスポーツジムで運動していないでしょうか?
私もそう思って、会社帰り、休日にジム通いを楽しむ一人です。
しかし、著者曰く、適度な運動は健康維持のために欠かせませんが、疲れているときに普段と同じように運動をしても疲れは取れません。
疲れが取れたと勘違いしてしまう理由は、ランナーズ・ハイと同じ状況が起きるから。あるポイントからしんどさが消え、高揚感を生じているだけです。無理な運動は控えましょう。
疲労を予防するコツ-食事編
疲れを起こしにくくするために大切なのは日々の食生活です。疲労を軽くするために、以下に気をつけましょう。
・お腹がすきすぎないように1日3食規則正しく食べる
・お茶菓子で「会議疲れ」を防ぐ
・食事は、誰かと一緒に食べる
・1/2枚分の鶏胸肉で疲れはとれる
・よく噛んで食べる
・黒酢大さじ1杯、梅干し2個分のクエン酸が疲れを防ぐ
・日々の食卓にイワシ、サバをとり入れる
・リンゴポリフェノールが運動時の疲労を減らす
・ひと口の水分補給でも疲労感は軽減する
これらがよいメカニズムと効果的な摂取方法について、本書内にまとめられています。
疲労を予防するコツ-睡眠編
疲労を回復させる最善の手段は睡眠です。疲労因子を減らし、脳の細胞を修復して疲れをとるには、質・量ともに十分な眠りが欠かせません。
以下に気を付けることが大切です。
・いびきは最悪。横向きで寝て、いびきをかかずに熟睡する
・暑い夜は一晩中クーラーをつけておく
・抱き枕やウエストポーチを活用し、右側を下にして眠る
・パートナーとはベットを別にする
・寝る前はパソコン、スマホを見ない
・休みの前日こそ早めに帰宅し、早寝を心掛ける。
疲労を予防するコツ-環境編
・仕事中に飽きたら、すぐに休息する
・自然の揺らぎが感じられる環境に身を置くことを心掛ける
・窓を開けて風を入れる
・息が軽く弾むぐらいの軽い運動を、汗がにじむ程度まで20分程行う
・帽子をかぶり、顔の形に合った紫外線透過率の低いサングラスを使う
・出かける前は紫外線量に応じて、日傘、長袖、日焼け止めを利用する
疲労がひどい人は、取り得てみてはいかが?