全財産500万円で安定した大会社を辞め小さな出版社で働き始めた大橋氏。以前に比べ安定した会社ではなく、将来のお金のことを考えると不安がいっぱい。でも、お金のことはわかりません。
そこで、お金のプロにお金の増やし方を聞いてしまおう!というのが本書「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」
タイトル通り、難しいことは抜き!楽天証券の山崎氏との対話がとても面白く、すらすら読めます。
大橋氏は対談を終え以下のように述べています。「世の中には知っているだけで得することがたくさんあるということ。しかも、理解してしまえば、「なんだ、そんなことだったのか」と思うようなことも多かった」と。
知識がないがために、せっかく働いて貯めたお金を損してしまうのって、悔しいじゃないですか。皆さんも、楽して平均点以上が取れるお金の増やし方を本書で学びましょう。お金は難しいものと思っている方に、オススメです。
目次
結論!素人でも年間プラス5%ぐらいは目指せる「お金の貯め方」はこうだ!
本書のまとめは以下の通り。
以下のお金の増やし方がすらすらわかるなら、本書を読む必要はありません!わからないなら本書で学びましょう。
- 自分の今の貯金から、当面の生活費を除いた上で、以下のように分ける。
(A)絶対減ってほしくない「安全資産」
(B)増えるかもしれないし減るかもしれない「リスク運用資産」
(B)は、平均年5%ぐらいプラスになるが、最悪1年で1/3になる可能性がある。 - ネット証券で(A)安全資産で個人向け国債「変動10年型」を買う
- (B)リスク資産で、
1.上場インデックスファンドTOPIX
2.ニッセイ外国株インデックスファンド
を半分ずつ買う。この時、120万円分はNISA口座を使い、残るは証券会社の普通口座で買う - 利用できる人は確定拠出年金(iDeCo)も利用する。
外国株のインデックスファンドを割り当てるとよい> - お金が貯まってきて、追加で投資信託を買うときは、国内と海外のインデックスファンドが資産全体で半分になるように買う。ただし、全体が4:6~6:4に収まっていればよい
- ほったらかして置いておく
銀行には近づくな!
ネット証券に勤めながらも、金融機関の批判もしっかり行う山崎氏。そのキッパリさは気持ちいいほど。故、私は山崎氏のファンです。本書内でも、銀行を以下のように表現し、近づかないようにレクチャーしています。
「銀行というのは、お金持ちには投資させて手数料をもらう。貧乏人には借金させて金利をもらう。これがビジネスモデル。」
「自分のお金を預けている銀行なんていったら、クレジットカードの利用状況も定期貯金の満期なんかも把握している。だから、「今、お金がないんで・・・」なんて言い訳も通用しない。最近の銀行員は証券マン並みに営業している。だから、やさしく相談するふりをしながら何を売りつけるか考えている。」
「外貨預金は絶対にやらないほうがいい。預金って名がつくから安全だと思って始める人がいるんだけど、完全に銀行のカモだから」
投資信託はこの2つを買え!
投資信託を買うときのポイントは以下の通り。
- 運用管理費(信託報酬)が安いものを選ぶ
- 販売手数料の安いチャネル(ネット証券)で買う
- 毎月分配型を選ばない
- ファンドの資産規模、流動性を確認する
- 過去の成績で選ばない
そんなこと言われても、何を選んでいいのかわからない!という素人のために、以下の2つを買え!と、なんともシンプルなレクチャー。後は、あなたがやるかやらないかです。
1.上場インデックスファンドTOPIX(国内株式の投資信託)
2.ニッセイ外国株式インデックスファンド(海外株式の投資信託)
頭のいい人たちは、なぜ投資をするのか?
どの金融商品が上がるか下がるかは誰にもわからない。だからアクティブファンドの運用が高い手数料を取りながらも、手数料の安いインデックスファンドに負けてしまう。そのことは、世の中の投資している頭のいい人たちは当然わかっています。では、なぜ、わからないのに投資するのでしょう?
山崎氏曰く、リスクを取ることによって増えるかもしれないから。
リーマンショックンの時は半年ぐらいで日経平均が42%くらい下がりました。しかし、そのあとは持ち直しています。そして、結局、平均すると金利5%ぐらいUP。つまり、100万円が105万円になるのです。
その他、山崎氏の回答がわかりやすく、痛快!
・家は買った方がいい?⇒賃貸でいい
・2人に1人はがんになろうと、医療保険に入る必要はない
そもそも保険は、めったに起こらないけれど、もし起きたら莫大なお金がかかるものに対して効果があるものです。だから、自動車保険は意味があります。しかし、半分の確率でがんになるなら、保険で対応しようとしないで、貯金しておけばいいのです。がんだって、有効な治療の大半は医療保険で済むから、高額療養費制度で一定額以上払う必要ないのです。
・貯蓄性のある「保険もダメ」
・生命保険に入ったほうがいい人
ネットの保険会社で子供が自立するくらいまでの10~20年、最低限の期間に掛け捨て型で。「残される家族の人数」×1000万円ぐらいの死亡保障だけの特約のないシンプルな保険に入るといいです。
1人当たり1000万円って少なすぎる?いいえ、遺族年金制度があるから大丈夫です。
・絶対やるべきは、非課税投資「NISA」と「確定拠出年金」
素人が手を出していいハイリスク、ハイリターン投資は?
少ない額で投資のリスクを大きく取りたいなら、オススメは新興国のインデックスファンド。
平均プラス8%程度で増えます。