シンギュラリティー
一時、非常に話題になったキーワードですが、これは、日本語では「技術的特異点」と呼ばれ、地球全人類の知能を超える究極のコンピューター「A・I」が誕生を示すワードです。このシンギュラリティ―は、2045年にもやってくると言われています。
数年前まで、「AIは脅威か?それとも私たちを幸せに導くものか?」といった議論が盛んにされていましたが、好意的にみる論が多いように思います。少なくとも、脅威論節も、映画「ターミネーター」に見られるように進化した人工知能が人間を破滅に追いやるものといった論はなくなりました。ただ一方で、AIが現在の人間の仕事を奪うというのは確実にやってくる未来でしょう。
さて、本書「人工知能に負けない脳」は、このような人工知能の脅威に負けないために、我々はどう備えるべきかを語った一冊です。
正直、内容がタイトルに適切に答えられているかというと??ですが、人工知能が関係なくとも、どのうに脳を鍛えるべきかという点については参考になる点があります。
今回は本書の要点を紹介します。
目次
人間らしく働き続けるために大事な技術とは
人間は、人間関係において、自分は相手より賢い、あるいは賢くないといったある種の感情面での不安を抱えていますが、これと同じ感情を人工知能に対しても抱いています。しかし、IQの優れた人工知能に対し、IQを比較すること自体、もはや意味がありません。
では、我々はどこで力を発揮すればいいのでしょう?
そのヒントが、人間のもつ「コミュニケーション」「感情の豊かさ」「直観」「発想・アイデア」であり、「ルールや評価の基準が決まっていないところで真価を発揮すること」にあります。
ToDoリストを「頭」の中に持とう
現在、大半の人はToDoリストを手帳やスマホなど「外」に持っていますが、成功した経営者等はToDoリストを常に頭の中に持ち、その情報をリアルタイムで置き換えています。
理由は簡単。Todoリストは自分が置かれた状況は周囲との連携によって、最新の項目が追加されたり、やるべきことの優先順位が常に変化していくからで、これは人工知能のアルゴリズムと似た発想です。
「できる理由」をひとつ探してみよう
人間は制約を付けられたとき、「できる理由」よりも「できない理由」を見つけることが得意です。一方で、人工知能は一般的に一定の制約で最良の解決策を導き出します。彼らのように、「できない理由」よりも「できる理由」を一つでも探していくという発想をもつことが大事です。
「できる理由」を見つけ出すヒントは、一般常識や固定観念の前提をしっかり明示していくこと。それりよりクリエイティブな思考ができるようになります。
これからの時代にそぐわないのは「知識で働く人」
人間は人工知能の知識にはかないません。故、今後、知識で働く人は不利。直観や感覚を信じて物事を決めたり、発言することが重要です。
例えば、ビートたけしさんや松本人志さんのような直観的なセンスです。メディアの中で発言権を得ている人は、ほぼ例外なく直観力がいい人です。瞬時に周囲を共感させることができるフレーズの出し方や感情表現の巧みを持っています。
このような能力を磨くためにも、その時の自分の気持ちや直観を信じて行動することを実践しましょう。
直観やセンスを磨くためには、人工知能が追い付けないのが「好き嫌い」という感覚を身に着けることも大切です。
「いい無茶ぶり」を作って身体性を鍛えよう
脳のドーパミンという神経伝達物質は、無茶ぶりによってギリギリのハードルを越えたときに出ます。例えば、同じことをするにも時短記録を作っていくなどするなど、人間の脳・身体のスキルは高まります。
脳や身体は負荷をかけなければ成長しません。成功したビジネスパーソンが身体能力を鍛えるためにスポーツに取り組んだりするのもその理由の一つ。身体性で伸び悩んでいる人は、まさに脳への負担をかけることから逃げている人が多く見られます。負荷のプレッシャーを楽しめるようになることが、人生最大の成功の方程式であると著者は提言しています。
最後に
今回は、茂木 健一郎さんの「人工知能に負けない脳」を紹介しました。
脳を如何に使って人生を生きるかは非常に大事なことです。同じことをしていても考え方次第で幸せにも不幸にもなれば、ちょっとした意識し習慣化するだけで、その積み重ねが人生を成功(幸せ)に近づける効果もあります。
私はそう考えて、「脳」に関する本、「脳を賢く使う方法」に関する本を多読しています。このおかげで、私はかなり幸せに生きられるようになったと実感してみます。みなさんも、脳に関する本を少しずつ読み進めてみることをお勧めします。