【書評】賞味期限のウソ~食品ロスはなぜ生まれるのか(井出 留美 著)(★3)

日本は、まだ食べられる食品を大量に破棄する「食品ロス」大国

食品ロス問題がニュース、報道で取り上げられる度、もったいないと感じながら、食べ物を購入するときは、食品棚の前方の商品は避け、後ろの方から最も製造日の新しいものを探して購入していないでしょうか?

本書「賞味期限のウソ」では、なぜ、食品ロスがこれほどまで多いのか、その「もったいない」構造にメスを入れた一冊。消費者は、知らず知らずに破棄のコストを負担させられています。その現実を知ることで、自分の消費行動を見直すキッカケが得られます。

賞味期限と消費期限と販売期限

さて、多くの方がご存知と思いますが、食品に表示される期限には、「賞味期限」「消費期限」の2種類があります。

本当に大事なのは、食べても安全な期限を示す「消費期限」。一方、「賞味期限」は、おいしく食べられる期限の目安。一般的に消費期限より2割程度、期間が短く設定されています。さらに店には賞味期限の手前に「販売期限」という区切りがあり、その起源になったところで陳列棚から撤去されてしまいます。

店を「自宅の冷蔵庫」として扱えば、食品ロスは減る!

冒頭でも記載しましたが、多くの人は食品を購入するとき、少しでも新しいものを買おうとします。もし、その商品棚が自分の家の冷蔵庫だったら、ダメになりそうなものから早く消費しませんか?

また、スーパーで割引シールが貼られている商品を恥ずかしいと感じたりしていないでしょうか?

多くの人がお店を「自宅の冷蔵庫」と同じように扱えば、食品ロスは改善します。食品ロスを減らすために一人ひとりができる賢い判断や行動が大切です。

食べ物をシェアする仕組みが始まっている!

食品廃棄量を減らす取り組みは、各所で起こっています。

・大手スーパーの売れ残り食品廃棄を禁止するフランス
・多くは記されてしまう「お供え物」を母子家庭の支援に回す「おてらおやつクラブ」
・家庭で余っているものを持ち寄る「フードドライブ」
・食品ロスを支援に変える「フードバンク」活動

このような活動は、飢えている人を救うだけでなく、自治体などの生ごみの処理費用を減らし、環境負荷が減り、まさに皆が喜ぶことにつながります。
私たちもできることから始めましょう。

最後に

今回は、「賞味期限のウソ」のポイントを紹介しました。

正直、私は、牛乳やパン、ヨーグルトなどの日配品を買うとき、いつも最も新しいものを探して買っていました。すぐ食べるのであれば、食品ロスが起こらない買い方をする。それがコストダウンにつながり、皆がハッピーになることを意識し、お買い物を楽しみたいと思います。