ビジネスの世界では、常に新しいアイデアが求められます。
新しいアイデアの立案や、目の間に広がる課題に立ち向かうためには、「超仮説」が必要と述べるのが、今回紹介の本『正解が見えない課題を圧倒的に解決する「超仮説思考」』。
目まぐるしく状況が変化する、正解のないこれからの時代に求められる「超仮設思考」とは何なのか?
今回は、本書から、なぜ「超仮設思考」が求められるのか、どのように超仮設思考を立てる=『自分の思考の「枠」』から自由になるのか、要点を紹介します。
目次
「超仮説」とは
「超仮説」とは、著者定義によると「グーグルで検索しても出てこない仮説」です。グーグルで検索してすぐに見つかるような答えはありきたりで新しいアイデアとは言えません。最初に思い浮かんだ10個は捨て、11個目以降に思いついたものの中から選ぶぐらいでないと、新しいアイデアとは言えません。
本書は課題に対する正解がない時代に、どうやって正解に近づくことができるか?を、優れた経営者たちの自由なものの見方を題材として教えてくれます。
学歴エリートが40才を過ぎてつまずくワケ
学歴エリートが40歳を過ぎたところで急に躓くことがよくあります。この最大の原因は、彼らが子供のころから知識とフレームワークを使って短時間で問題を解く訓練を受けてきているからです。
エリートが行いがちな問題解決法
彼らエリートは、問題が与えられたとき、まずどのフレームワークが応用できるかを考え、その枠に落とし込みます。しかし、このフレームワークによる課題解決法は、「解きやすいように問題を定義」、つまり、問題の視野を限定することによって、唯一の答えを導き出す手法です。
例えば、企業価値を考えるに当たって、市場構造、事業構造、収益構造をそれぞればらばらに考えて、フレームに落とし込みます。しかし、この方法には問題があります。
フレームワークを駆使して導き出す答えはグーグルで検索できる
フレームワークを駆使して導き出す答えは、ある意味、グーグルで検索すれば答えが見つかります。しかし、グーグルで見つかるということは、既に「新しい考え」ではありません。誰もが考え付く問題解決策です。
また、フレームワークで問題を解決する方法は、ある現象を1つの角度から見るようなものです。しかし、同じ事象でも、その解釈の仕方は一つではないため、大変危険な味方です。見るべきは、限定された側面ではなく、その背景にあるメカニズムの全体像です。
例えば、企業の価値を高めるために「企業内で問題となっているある課題」を解決するとしても、「企業上層部」と「現場」では何をすべきかという答えも異なります。故、学歴エリートが陥りがちな「唯一の正解」を求める問題解決手法は非常に危険なのです。
超仮設のためのトレーニング方法
アイデアのブレーンストーミングも、頭の中にあることを形にしたにすぎません。それ故、頭の中、知識、経験、価値観などがそもそも少ない人からは生まれるアイデアは乏しいと言わざるを得ません。
そこで必要なのは、机上の論理ではない、新しい価値観との出会い、新体験、初めて知る知識などです。具体的には、以下のような方法を通じて、超仮設トレーニングが行えます。
- まずは、問題の構造を考えるところから始め、唯一の解があるという前提を捨てる
- ノートを持ち、行ったことがないところに行く。初めての人に会う。これにより、モノの見方を柔軟にする素地を作る
- 頭に浮かんだ10個のネタは捨てる。11個目から先に大きな価値を生むアイデアが含まれていると考え、アイデアを練る
- 自分の仮説を検索し、同じようなアイデアに遭遇したらその仮説を捨てえる。これらの繰り返しの訓練により、世の中に見えている世界と見えてない世界の境界線を浮かび上がらせる
これからの時代、考えるべきこと
これからは人間科学や社会科学の知見がビジネスを生み出します。もはや「製品が主役」ではありません。「人間を主役」と考えることが大切です。
価値を生む源泉は、ハードウェアの開発・製造からサービスやソリューションのプラットフォームにシフトしています。過去の延長線上に未来はありません。異なる検索パターンを持つ人材を巻き込むことがますます対峙になっていきます。
最後に
今回は、高野 研一さんの『正解が見えない課題を圧倒的に解決する「超仮説思考」』を紹介しました。
本書を読んで、個人的に感じたことは、これからの正解が見えない課題を解決し生き抜くには「超仮設思考」と同時に、時代の変化を受け入れ自ら変化していく力が大事だということ。
現在は、「with コロナの時代」「アフターコロナの時代」と言われますが、このような時代変化に敏感になり、自ら変化してくことが大事です。変化すれば、新しい価値観・知識・人との出会いも必然的に高まりますから。