【書評/要約】才能の正体(坪田信貴 著)(★4)

才能は、誰にでもある。

私たちは「才能=能力、地頭」と思って諦めがちです。しかし、「多くの人は、その才能をどう見つけたらいいのか、どう伸ばせばいいのかが、わからないだけ。そのことに気付くべき」だと語るのは、「ビリギャル」の原作者として有名になった塾講師で本書「才能の正体」の著書 坪田信貴(つぼたのぶたか)さん。

本書の大前提は、才能は生まれつきのものではないということ。誰しもが能力によって身につけられるものが「能力」で、それを磨き上げたものが「才能」であるとの考えです。

いわゆる「才能がある」と言われている人たちがいますが、彼らに共通しているのは「努力」であり、「この努力を、”その人に合った〟動機付けがの元、〝正しいやり方〟を選んで、”コツコツと努力〟を積み重ねた」結果が「才能」として認められた人たちです。

本書では、「個人の才能の伸ばし方」について多くの気づきや、具体的なメソッドを学べます。人の才能をうらやみ、自分にもそんな能力があれば…と悩んでいる方にお勧めの1冊です。

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才能は「結果」

才能は「結果」

著者曰く「才能は結果」でしかありません。誰でも、何かを始めて、それを継続していければ、やった分だけ成長して、経験した分だけ経験値は増え、必ず伸びていきます。そして、能力が伸びれば、その「ある部分」が極立ってきて、「才能」になっていくのです。

ただし、間違ったやり方で努力して多くの人が挫折します。必要なのは、その人に合った「動機」と「正しいやり方」を選ぶことであり、その上で、「努力」を積み重ねることです。

動機付けに大事な「認知・情動・欲求」

我々はよく「やればできる」と言います。しかし、動機がない限り人は努力を継続できません。そこで大事になるのが「認知・情動・欲求」です。

認知

まず最初に大事なのは「認知」。高いハードルもそれを分解し、小さな目標にするとクリアできるかなと思えますよね?このように認知の仕方を変えることが大事です。

もう一つ、認知の仕方で重要なのは、「why型(なぜ)ではなく、how型(どうしたら楽しくできるか)」です。

Why型は結果に左右されてしまう考え方です。なぜできないのか?と考えてしまいます。例えば、マラソンだったら、「何キロ走れるか」「完走できたかどうか」ばかりがフォーカスされ、自ら自分に限界を作ってしまいます。

一方、How型は、その瞬間の変化、過程を楽しみます。「走れたかどうか」ではなく、「楽しいから走る」。そうしていると自然に「次はどうしたらもっと楽しくなるか」を考えるようになります。これが、How型の人が努力の継続できる所以です。

情動×欲求

残りの二つ「情動」と「欲求」はわかりやすいですよね。

情動:簡単に言えば「テンション」。テンションが上がらないと、何事も続かない
欲求:本当に自分がそれをやりたいと思うかどうか

私が運動を継続できているワケ

私はジムの休館日、および、夜の予定がない日は、毎日ジムに通います。
毎日、ジムに行って運動できるのも、「楽しいから」。ダンスや格闘技で「気分がハイ」になり前向きになります。そして脳が活性化します。さらに、いい汗を流した後に「サウナという楽しみ&手足を伸ばして入る大浴場」というご褒美が待っています。

後悔しないために今すぐ「やる」

後悔しないために今すぐ「やる」

人は何歳になっても後悔する生き物です。そのため、7割の人は不平不満・後悔を残しながら死んできます。

では、後悔しないためにはどうしたらいいのか?

それには、「今すぐ」⇒「後悔をしないための選択肢を選び」⇒「やる」 こと。「やらなかった」という後悔を、なくしていくしかありません。
できない理由を探し、「○歳だから、もう遅い」という思考癖がある人は、延々と後悔の続く、文句の多い人生になってしまいます。特にできない理由をだれかのせいにした瞬間に才能の芽はたちまち枯れ果ててしまいます。

才能は、自分の中にしかありません。

才能が求められる社会人:結果を出すには?

普通の人にとって本当に才能が必要になるのは、社会人になってからです。理由は、「結果」を出さなければならないからです。

結果を出すコツ:

では、結果を出すためにはどうしたらいいのでしょうか?

社会で結果を出すには、相手や市場のニーズを察すること、つまり、相手が何を求めているかを察することです。

そのために必要となるのが「観察・洞察・想像」。相手の思考や行動を見抜けるようになる人になることが「才能のある人」に直結します。

現在は、「才能」が大きくなればなるほど、既存の組織から逸脱し、起業に向かうことが多いですよね。当たり前ですが、 本当に成功する人は、「観察・洞察・想像」の上、ちゃんと「思考」しています。ちゃんと考えていないと、「能力」は「才能」にはなりません。

そのためにはまずは、「守破離」の精神で、「できる人」の行動を徹底的に「行動の完コピ」するのが大事です。これが、これが「能力を磨くための基礎」です。これを徹底的にやっていると、必然的にオリジナリティが出てきます。

人材育成の仕方:人は大義で動く

人を指導し、一つの目標を達成する場合は、ビジョンの提示が必要です。人は「ビジョン」を与えると、 そこに向かって前に進む道を見つけ出す性質があるからです。

「歩むべき大切で正しい道(大義)」を定め、目的を明確化する。そして、同じ目的に向かって進むための信頼関係を作る。

これをやれば、必ず能力は伸びるし、人材も育ちます。

最後に

今回は、著書「才能の正体」の要点をまとめました。
本書には、子供を育てる際にやってしまいがちな「間違った子育て(指導)」、指導をする際の信頼の築き方などについても解説がされているので、親御さん、さらには、会社で指導する立場にある人にも非常に役立ちます。

たいていの不可能というのは、「私にはできない」「私には無理だ」という思い込みによるものです。人生に後悔しないためにも、自分が進むべき道を見つけ、How型で楽しんで努力を続けましょう!