【投資アノマリー2022年8月】株式・FX投資の成功率を上げる 月別特徴 & 現在の米国の経済状況分析

株やFX には上がりやすい月と下がりやすい月がある

相場の世界では、「説明はつかないけどよく当たる」、アノマリーという現象があります。

中には格言と言われているものも含みますが、相場に内在する、サイクル、季節性、クセを攻略し、アノマリーを意識してトレードする投資家も多いため、結果的にアノマリーの通りに相場が動くことが見受けられます。

アノマリーを活かした投資法を知っていると、効果的に投資、或いは、適切でないタイミングでの投資を回避でき、失敗確率が下げられる可能性が高まります。知っていて損のない情報です。

本記事では、6月のアノマリーについて触れた上で、現在、米国経済に見える変調を、長期的サイクルの観点から俯瞰的に押さえておきたいと思います。

月別アノマリー投資

相場には、月ごとに特有の動きがあります。毎年そのルールが当てはまるとは言えませんが、相場の傾向を把握したうえで売買戦略を考えた方が成功確率は高まることは間違いありません。

以下のアノマリー投資本は是非、一読をおススメします。

【短期目線】8月のアノマリー

【短期目線】8月のアノマリー

8月のアノマリー(FX)

一般的に8月は「円高ドル安」となりやすい月です。
アノマリー的には7月に進んだ「円安ドル高」が8月に転換して「円高ドル安」となりますが、今年2022年においては、米国長期金利の影響を受け、これら一連の動きが少し前倒しで起こったようです。
7月14日に最高値139.45円をつけたドル円は、その後、9円下落。8月2日に134.4円をつけ、その後、反転しています。

なお、需給面では、8月は米国債の償還によるドル売り・円買いが発生しやすく、国内では輸出企業のドル売り予約の増加など円高の傾向があります。

8月のアノマリー(株式)

株式のアノマリーといえば、「サマーラリー」。
サマーラリーとは、7月から9月にかけて株価が上昇する現象で、夏休みをしっかりとる米国株式に起こりやすいアノマリーです。休暇前に優良株の購入に走るため、上昇するというものです。S&P500を見た場合、歴史的にもパフォーマンスがよい傾向があります。

一方で、「夏枯れ」と言われる相場もあります。夏季休暇のために市場参加者が減少し、株価の動きが鈍くなる現象です。市場参加者が少ないため、値動きが緩慢になる一方、市場に厚みがないため、特に悪材料が出た場合、ちょっとした材料でも値が飛びやすくなります。

個人的には、8月中の動きそのものよりも、「トレンドが出やすい9月を前に、8月中にどのような動きを見せるのか」、という視点で相場を見ておく方がよいかなと思っています。

8月の重要日

今月は、金融市場の変化に大きな影響を与えやすい事項が様々あります。

相場変化が起こりやすい重要日

8月5~8日   :重要変化日(米10年債)
8月9日    :重要変化日(米国株)
8月10日   :重要変化日(通貨)
8月11日   :日本株式休場(山の日)
8月14日   :満月
8月17~18日 :重要変化日(金・銀、穀物)
8月17~18日 :重要変化日(米国株) ※前後1週間も注意
8月26日   :重要変化日(通貨、米10年債)
8月26~29日 :重要変化日(日本株)
8月27日   :新月

日米の金融市場休場日 2022年

【短期目線】金融市場の現状(米国経済状況)

【短期目線】8月のアノマリー

世界経済の方向感を決めるのは、なんだかんだ言っても「米国」です。故、米国経済の動きを見ておくことが極めて大切です。

その米国でこれまで最も問題になってきたのは「物価の上昇(インフレ)」であり、その対策としての「政策金利の利上げ」でした。しかし、投資家の関心は、「インフレ」から、利上げの後に起こる「景気後退」に関心が移りつつあるように思われます。

ただ一方で、8月6日の米国雇用統計発表が、想定以上によい結果が出るなど、なかなか、一方向に、景気後退に関心が向かうような環境でもない様子が見られます。

7月の雇用統計結果(8月6日発表)

ニュースで報じられている通り、8月6日の米国雇用統計発表が、想定以上によい結果となりました。

  • 7月発表で米国のGDPが2期連続マイナスであったのにも関わらず、予想以上に強かった米国の雇用統計結果
  • 失業率も3.5%に低下し、50年ぶりの低水準。しかも、賃金も前年比5.2%上昇
  • 40年ぶりの物価高騰は現在も続く

上記結果を受け、投資家は、米国政策金利はまだ上がると予想となり、ドル円が一時135.5円まで上昇する動きとなりました。
好調な雇用統計から9月の政策金利の利上げも0.75%との観測(確率は約70%。統計発表前の約40%から急上昇)も出てきています。

7月28日の記者会見でジャネット・イエレン財務長官が、米国のGDPの成長率が2期連続でマイナスとなったにも関わらず、「米経済は景気後退していない」と発言し、それを裏付ける理由は「強い雇用だ」と発言しましたが、それをデータ裏付けたことになります。
2022年7月の米滑稽材振り返り と 景気後退(リセッション)の定義

以下では、上記にかかわる数値をグラフで確認しておきます。

インフレ

インフレはいまだ継続しています。FRB自身も、インフレ率を見ながらの手探りで政策金利の舵取りを行っていますが、まだ下がっていません。

インフレ率がインフレ目標である2%付近までするする落ちれば、株式は買いやすい状態に戻ると思われますが、今時点ではそのような展開になるようには見えません。


消費者物価指数とFF実効レート


消費者物価指数と米国10年物金利-FFレート

雇用

インフレ率=消費者物価が高いままですが、賃金が下がると米国国民の家計は苦しさを増すことになりますが、8月は賃金も上昇しました。これが、インフレ率が高いまま、賃金が下がると、様々な悪影響が出てきます。


消費者物価指数と賃金(平均時給)
※ちょっと、このデータでは7月の賃金が上がったことがわかりませんが、発表結果では上昇しています。

米国10年物金利 ★逆イールド発生中

景気後退の予兆となる「逆イールド現象」が発生中です。
逆イールドとは、「10年債と2年債の利回りの差」がマイナスになる状況で、半年以上マイナスが続くと景気後退に入ると言われています。


「10年債と2年債の利回りの差」と「株価(NASDAQ)」(長期)


「10年債と2年債の利回りの差」と「株価(NASDAQ)」(短期 拡大)

景気後退の予兆「逆イールド現象」とは何か

逆イールドは何か、逆イールドと経済との関係(過去、どう動いたか等)については以下の記事を確認ください。


米国10年物金利(日足チャート)

米国10年物金利を単体で確認すると、8月頭にかけて3.5%のピークから下落した金利は、雇用統計の結果を受けて上昇しています。チャート的にいい水準にあるので、そろそろ下落もありかもしれないと個人的には考えています。

下がるならドル円は円高に向かうことになりますが、果たして?!

ドル円

ドル円は、米国10年物金利の下落→上昇に連動して動いています。
8月2日に金利が底値を打って反転したことで、再び、円安方向に進んでいます。ただ、135.5円を達成で、半値戻しを達成しているので、一旦、売られる可能性もあるかなぁと。

現在、8月の頭の急落で購入した131円台の買いポジションを保有中ですが、現在は半分売却。どうしようかなと思案中です。


ドル円(月足チャート)


ドル円(日足チャート)

金融市場を見る目を養うには

金融市場を見る目を養うには

世界の経済や情勢は、目がぐるしく動いていきます。いくら最新の情報を毎日キャッチアップしようと努めても、たちまち古くなってしまいます。
だからこそ、大事なのは、表面的な情勢がどう動いたとしても変動しない「本質」を学ぶことが大事です。

では、変わらないもの「本質」とは何か? 

そんな観点からおすすめの本を紹介します。

「歴史×地理×宗教」からお金の流れを学ぶ良書

国際情勢の背景にある「変わらないもの」の1つ目は、歴史、地理、宗教です。

例えば、最近、中東と米国の関係の関係が変化しつつありますが、この背景には、歴史、地理、宗教が関わっており、これらを背景に「お金」や「権力(覇権)」のパワーバランスが変化しようとしています。

ただ、これらを歴史、地理、宗教を学生時代に戻って勉強しなおすのは結構大変です。そこで、初心者🔰や忙しいビジネスマンでも歴史、地理、宗教をまとめて学べる本を3冊紹介します。

「市場サイクル」からお金の流れを学ぶ良書

投資情報をいち早く知ることは重要ですが、目まぐるしく変わる相場の中で、SNSなどで常に人の意見を当てにしているようでは必ず出遅れます。あなたが情報を知ったころには、既に遅すぎて、完全にカモ🦆になっているかもしれません。

自分で判断知識を身につけるためにも、「お金の流れのセオリー」を学んでおくことが大事です。

市場サイクルは「お金の流れのセオリー」そのものであり、「お金の流れ」そのものです。

以下は、市場サイクルを学ぶのに役立つ本です。是非、手に取って読んでみてください。上述した本も含め、再掲載いたします。これら著書からの学びは、長い人生の中で、必ずあなたの投資に役立つです。小手先の投資戦術よりも価値があります。

最後に

本記事では7月の投資アノマリー、および、現在の米国景気の状況を私なりにまとめて解説しました。
一参考情報となれば幸いです。

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